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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.118

9戦9勝。シーズン前半戦を完全制覇

シーズン前半戦を締めくくる第9戦ドイツGPは、またしても天候が予想外の波乱を演出するレースになりました。決勝レース前のにわか雨により、多くのチームがウエットタイヤのマシンで準備を進めたものの、レース開始直前には路面が乾いてきました。Repsol Honda Teamのマルク・マルケスとダニ・ペドロサを含む14名の選手がウォームアップラップ後にピットへ戻ってスリックタイヤのマシンに交換し、ピットレーンスタートになりました。混乱のレース序盤をマルケス、ペドロサ両選手は巧みに乗りきり、6周目にはトップへ躍り出ます。残る24周を、チームメートの2人は緊張感に満ちた接近戦を続けましたが、最後はマルケスがトップでチェッカーを受け開幕以来の9連勝。ペドロサも7度目の表彰台で、単独ランキング2位に浮上しました。選手とスタッフ全員のチームワークで予測不能な状況を乗りきった今回のレースと、シーズン前半9戦について、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−今回のレースでも、マルケス選手は異次元の走りを披露しました。

「またひとつ、マルクが記憶に残るレースを成し遂げてくれましたね。今回はさらに、ピットレーンからスタートするというおまけつきです。『信じられない』という言葉以外に思いつきません。開幕以来全戦全勝という記録は、1970年代のジャコモ・アゴスチーニ氏以来です。マルクは、どこまで我々を驚かせてくれるのでしょう」

−ペドロサ選手も力強い走りで、マルケス選手から1.4秒差の2位でした。

「ダニはすばらしい走りで、3位のロレンソ選手にかなりの差をつけてチェッカーを受けました。ダニは卓越したライディングでマルクを懸命に追い、プレッシャーもかけていました。ただ、今日はマルクの速さのほうがごくわずかに上回っていました」

−3位で終えたロレンソ選手は、30周のレースを終えてゴールした時点で、Repsol Honda Teamの両選手から約10秒の差が開いていました。

「マルクとダニは、共にこのザクセンリンクを得意としています。Hondaにとっても、マシンと相性のいいコースです。土曜の予選では、フロントローをHonda勢が独占しました。これらの好条件がすべて上手くかみ合った結果、今日のリザルトにつながったのだと思います」

−これまでのシーズン前半戦は、まさに快進撃というべき結果でした。シーズン後半も、この勢いのまま進んでいけそうでしょうか。

「開幕戦から第9戦までは、これ以上望めないほどのリザルトでした。一戦一戦結果を積み重ねてくることができたことをとても誇らしく、そしてうれしく思っています。後半戦もこの調子を維持したまま、シーズン最終戦を迎えたいものです。そのためにも、さらに全力で戦っていきます」

−第10戦のインディアナポリスGPの前に、チェコのブルノ・サーキットでテストを実施すると聞いています。どんなテストを予定していますか。

「ブルノでは、2015年仕様のプロトタイプをテストし、ブルノで開催される第11戦チェコGPに備えたセットアップに取り組む予定です。そして、このテストが終われば、第10戦以降の後半戦に向けて、チームと選手はリフレッシュのためにしばらくの休暇をいただきます。8月からのシーズン後半戦も、我々はさらに気を引き締めて全力で戦います。皆さまからの暖かいご声援を、何卒よろしくお願い申し上げます」

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