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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.117

マルケス、破竹の8連勝。チームはシーズン6度目のダブル表彰台!!

MotoGP全18戦中で最も長い歴史と伝統を誇るオランダGPは、最も不安定な天候に悩まされるレースでもあります。今年も例年にたがわず、「ダッチウェザー」と呼ばれる気まぐれな天候変化に翻ろうされるレースウイークになりました。しかし、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスとダニ・ペドロサは、チームと一丸となった沈着冷静な戦略で、この不安定な外的条件を乗りきり、マルケス選手は開幕以来全戦勝利の8勝目、ペドロサ選手は前戦同様の3位を獲得。チームはシーズン6度目のダブル表彰台を達成しました。選手とスタッフ全員が、強い信頼と総合力で戦い抜いた第8戦のレースウイークの推移を、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−今回の第8戦は、オランダGPならではの目まぐるしく変わる天候に翻ろうされたレースウイークになりました。

「特に決勝日のコンディションは、実にトリッキーで難しい状況になりました。このような気象条件のもとでは、いかにミスを犯さないかということが重要になります。マルクとダニは、実にすばらしい仕事をしてくれました」

−チームの戦略もピタリとはまり、両選手も見事なライディングを見せてくれました。

「今回のようなコンディションでは、チームの果たす役割はいつも以上に重要度が増しますからね。スタッフ全員が常に冷静さを保ち、選手たちが集中できる環境を整えることが勝負の要になります」

−今回の勝利でマルケス選手は開幕以来8戦全勝。この勢いは、もはやだれにも止めることができないのではないでしょうか。

「どんなコースでも、どんなコンディションでも、そしてどんなライバルが相手でも、今のマルクはまさに向かうところ敵なしの状態です。尋常ならざるレベルに達している、と言ってもいいでしょう。とはいえ、この快進撃も遅かれ早かれ、いつか終わる日が来るでしょう。でも、そのときもマルクはきっと、いつものスマイルでその現実を受け止めてくれるはずです」

−Moto3クラスでは、弟のアレックス・マルケス選手が前戦に引き続き2連勝を達成しました。マルケス兄弟がチームメートになる日も、夢ではないかもしれません。

「それが絶対ないとは言いきれません。というのも、MotoGP、Moto3ともに今シーズンのHonda勢の優勝は『マルケスファミリー』が独占している状態です。弟のアレックスは今、その才能をどんどん発揮し始めたところです。将来のことはまだ分かりませんが、もし兄弟チームを結成する場合は我々に〈家族割引〉を適用してくれるとありがたいですね(笑)」

−次のドイツGPのザクセンリンクは、ペドロサ選手の得意コースです。マルケス選手にとって彼が最大のライバルとなるのではないでしょうか。

「その予想は当たっていると思います。ザクセンリンクはダニが非常に得意としているサーキットで、我々のマシンとの相性も抜群です。前回のカタルニアGPで彼らが繰り広げた、手に汗握る激戦がまた見られることでしょう。もちろん我々は、両選手が最高の状態でバトルできるように全力で彼らを支えていきます。皆さまからも、力強いご声援を是非ともよろしくお願いいたします」

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