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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.114

マルケスが5戦連続の驚異的ポール・トゥ・ウインを達成!

第5戦フランスGPが行われるル・マン・サーキットは、レースウイークのどこかで雨に降られることが恒例のようになっていましたが、今年は例年にないドライコンディションに恵まれてウイークが推移しました。土曜日の予選で今回も最速タイムを叩き出してポールポジションを獲得したRepsol Honda Teamのマルク・マルケスは、決勝レースでまたもや非凡な能力を世界に披露しました。1周目には集団に埋もれて10番手まで順位を落としたものの、そこから冷静にコンスタントなオーバーテイクを開始。13周目にはトップに立ち、以後はいつものレースコントロールで優勝。終わってみれば開幕以来5戦連続のポール・トゥ・ウインという結果でした。チームメートのダニ・ペドロサは苦しい展開で我慢のレースになりましたが、それでも5位でフィニッシュし、11ポイントを獲得しました。チームと選手が一丸となって戦い抜いた第5戦のレースを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−今回の決勝レースでは、マルケス選手は苦しい展開になるかとも見えましたが、結果は優勝。これで開幕以来5戦連続のポールトゥフィニッシュです。

「絶句してしまうようなレースでしたね。ものすごい追い上げと鮮やかなオーバーテイクの連続で、今シーズンで最もドラマチックな勝利になりました。みんなを驚かせるレース展開にするために、わざと順位を下げているのだろうか、と思ってしまったくらいです」

−まさにそれくらい簡単にほかの選手たちをオーバーテイクしているようにも見えました。

「実際には、全くそんなことなどないのですけれどもね。そういうふうに見えるのは、マルクとチームが全力でレースを戦っているからです。MotoGPクラスのレベルになると、簡単に達成できてしまうことなど、なにひとつないのですから」

−今回の決勝レースでは、ペドロサ選手は苦戦しながらもなんとか5位でチェッカー。ホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)よりも上位でフィニッシュしましたが、チャンピオンシップポイントではバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)がピタリと背後につける結果になりました。

「今回のレースウイークでは、ダニは苦戦しました。腕上がり対策としてレースウイーク前に手術をしたことも要因のひとつかもしれませんが、決勝のスタートまでにいいセットアップを積み上げていくことに、今後も全力を集中していかなければならない、と考えています」

−今回はアルバロ・バウティスタ選手(GO & FUN Honda Gresini)が3位表彰台を獲得しました。彼の走りをご覧になって、いかがですか。

「アルバロとGO & FUN Honda Gresiniは、とてもよくがんばってくれました。シーズン序盤数戦は苦戦を強いられましたが、今回の表彰台をきっかけに、今後のレースではいいリザルトをどんどん獲得してくれるでしょう」

−次戦はイタリアGPです。どんな戦いになりそうですか?

「イタリアGPの開催されるムジェロ・サーキットでは、この3年間はロレンソ選手がずっと優勝しています。また、地元のロッシ選手も今年は調子がいいので、さらにいいリザルトを目指してくることは間違いないでしょう。我々も、彼らに負けないよう全力で挑戦します。皆さまの力強い応援は、我々の最高の武器であり心の支えでもあります。イタリアGPでもベストの結果を獲得できるよう選手とチームが一丸になって戦います。ご声援をよろしくお願いいたします」

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