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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.113

マルケス4連勝、ペドロサ4連続表彰台。さらに勢いをつけてシーズン中盤へ

ヘレスサーキットで開催される第4戦スペインGPは、シーズン全体の中でも最も盛り上がるグランプリです。昔からモータースポーツの人気が高いことに加え、近年のスペイン人選手たちの活躍でその熱狂は最高潮に達しています。今回のレースウイークも、3日間で約23万人が観戦に訪れ、地元ファンの大声援に後押しされたRepsol Honda Teamのマルク・マルケスが開幕戦以来4連続となるポールトゥフィニッシュ、チームメートのダニ・ペドロサも4戦連続表彰台を獲得し、会場は興奮に包まれました。2人のライダーとタイトルスポンサー(Repsol)のホームグランプリで最高の結果を出したこの終末の戦いを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−マルケス選手は、開幕以来4戦連続のポールトゥフィニッシュ。しかもそれを達成したヘレスサーキットは、125cc時代から昨年まで、一度も勝つことのできなかったサーキットです。弱冠21歳の世界チャンピオンは、新たな伝説をまた作り出してしまったようです。

「マルクのレースは信じられないことの連続です。今回のレースウイークは苦戦することが予想されましたし、実際にダニやホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)が、マルクを上回るような走りを披露していました。にもかかわらず、最後はマルクが完ぺきなレースを見せてくれました。本当に底の知れない選手です」

−3位に入ったペドロサ選手は、この10年間、ヘレスのレースでは毎年、表彰台に上がっています。このスペインGPで、ロードレース世界選手権において多くの記録を持つ名選手のジャコモ・アゴスチーニさんの最高峰クラス表彰台記録(88回)に並びました。今回は、勝利まであともう少しだったのですが……。

「開幕以来の4戦でダニはずっと表彰台を獲得してくれて、100ポイント中72ポイントを取得してくれました。非常に良好な得点率です。今回は最終ラップの最後コーナーまで前を追い詰めてくれましたが、惜しくも0.1秒以下の僅差で2位を逃してしまいました。よくがんばってくれました」

−決勝日翌日には事後テストを行いました。どんな内容だったのでしょうか。

「マルクとダニ双方に実りのあるテストになりました。2人とも、レースウイークでは試せないような事柄を試すいい機会となり、それぞれに収穫がありました。なにか劇的な変更があったわけではないのですが、レースのプレッシャーがない状態でテストを実施するのは、とても貴重な機会だと我々は考えています」

−次戦のルマンですが、昨年は雨になり、マルケス選手は初めてウェット状態で走ったレースになりました。今年のRepsol Honda Teamの両選手は、どれくらい活躍をしてくれそうですか。

「ル・マンはいつも天候が不安定で、それがレースを左右するカギになります。今年も例年同様の流れになると考えていいでしょう。昨年の決勝ではダニがすばらしい走りで勝利を勝ち取り、マルクはスタートで出遅れたものの、周回ごとに学習をして順位を上げ、3位表彰台を獲得してくれました。今年のレースでも、両選手は昨年と同様か、それ以上の活躍をみせてくれると我々は信じています。そのために、両選手はもちろん、チームとスタッフは最高の結果を目指して全力でフランスGPに挑みます。皆さまも、心からの応援を何卒よろしくお願い申し上げます」

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