モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート > vol.112

HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.112

マルケス優勝、ペドロサ2位。開幕以来3戦連続のダブル表彰台

2014年シーズン第3戦は15年ぶりの開催となるアルゼンチンGP。今回がMotoGP初開催となる同国北西部の「テルマス・デ・リオ・オンド・サーキット」で開催されました。全選手が初経験となる今回のレースで、若きチャンピオンのマルク・マルケスは持ち前の才能を余すことなく発揮し、ポール・トゥ・ウインを飾って開幕以来の3連勝を達成しました。チームメイトのダニ・ペドロサも2位表彰台で、Repsol Honda Teamは開幕以来3戦連続のダブル表彰台を達成。
 選手とチームが一丸となって未知のコースを攻略し、勝利をつかみ取った今回のレースウイークについて、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−第3戦アルゼンチンGPでは、シーズン2回目となるRepsol Honda Teamの1-2フィニッシュになりました。この高水準のリザルトをもたらす秘訣を教えてください。

「シーズン序盤のスタートダッシュとしてこれ以上は望めない結果で、まるで夢のようですね。このすばらしいリザルトは、コースでの走りに全力を尽くしてくれるライダーと、ピットやパドック内でひたむきに仕事に取り組んでくれている各スタッフ、そして日本で懸命に開発を進めてくれる技術者たちの努力の賜物です。マルク、ダニ、HRCスタッフという関係者全員が一丸となって力を合わせて戦ってくれていることに本当に感謝をしています」

−マルケス選手は今回の第3戦でも、抜きん出た走りを披露していました。初めて走行するコースに素早く順応し、決勝レースは完璧にコントロールするという内容でした。

「マルクは、初体験のコースを軽々と攻略しているようにも見えます。あの若さで、昨年はアメリカズGPで優勝し、今年はこのアルゼンチンGPを制覇するのだから驚異的です。今日のレースでも、序盤はタイヤを温存し、徐々にプッシュして後続との差を広げ、逃げきれるだけのギャップを作っていきました。まだ21歳なのに、まるで経験豊富なベテラン選手のようなレース運びでした」

−マルケス選手の開幕3連勝は、2001年のバレンティーノ・ロッシ選手(Nastroazzuro Honda:当時)以来の記録です。また、開幕戦から3戦連続ポール・トゥ・ウインは、1971年のジャコモ・アゴスチーニ氏の記録までさかのぼります。21歳の世界チャンピオンが、またもや新記録を塗り替えようとしています。

「マルクは、あらゆる記録を更新しながら、グランプリの歴史を書き替えようとしているのです。彼の偉業には、本当に驚かされっぱなしです」

−一方、今回のレースで2位に入ったペドロサ選手も7戦連続の表彰台で、2012年の8戦連続に迫る勢いです。さらにペドロサ選手は、最高峰クラスの総獲得ポイント(2092点)でアレックス・バロス氏(2079点)を抜いて単独3位になりました。シーズン初勝利まであと一歩というレースが続いていますが、勝つためにはなにが必要なのでしょうか。

「ダニは自分のなすべきことをしっかりとやってくれています。ただ、今回のレースではスタートにもう少し成功していれば、レース終盤でマルクと優勝争いを繰り広げてくれていたと思います。ダニは今の調子で努力を続け、必ずや成果を勝ち取ってくれると我々は固く信じています」

−次はいよいよスペインGP。ヘレスサーキットに戦いの場を移します。ペドロサ選手やホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)が強さを発揮するコースです。

「きっと、スペインのファンの皆さまにはとても楽しみなレースになるでしょうね。マルク、ダニ、そしてロレンソ選手というスペイン出身の3大強豪ライダーのバトルを目の前で見ることができるのですから。我々HRCは、次のスペインGPでも最高の結果を手にするために全員が力を合わせて全力で戦い抜きます。皆さまからの応援が、我々のなによりの励みです。心からの声援を何卒よろしくお願い申し上げます」

BACK