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MotoGP学科

タイヤの話

1限目

タイヤのワンメーク化、とは?

2009年シーズン、ルール面での大きな変化といえば、まず筆頭にあげられるのはMotoGPクラスのタイヤワンメーク化だろう。モノタイヤ、シングルタイヤ、あるいはコントロールタイヤなどと呼ばれることもあるこのルールは、議論が重ねられた結果、昨シーズン末に導入が決定し、2009年シーズンから適用されることになった。具体的には、2009年から2011年までの3年間、ブリヂストンがMotoGPクラス唯一の公式サプライヤーとしてタイヤを提供することが決定している(2012年以降については、改めて入札を行ったうえで公式サプライヤーが決定される)。このワンメーク化のもとで各チームへ供給されるタイヤの詳細については、ルールブックのテクニカルレギュレーション内に明記されている。

全車に提供されているブリヂストンのタイヤ

ルールブック、レギュレーション、とは?

タイヤの具体的な話に踏み込む前に、まずは前段で触れたルールブックについて簡単に説明をしておこう。MotoGPをはじめ、国際格式の2輪モータースポーツに関するルールは、FIM(Federation Internationale de Motocyclisme:国際モーターサイクリズム連盟※1)が発行する各競技のルールブックにより、遵守すべき項目が細かく明文化されている。

MotoGPの場合は、『FIM Road Racing World Championship Grand Prix Regulations(FIMロードレース世界選手権グランプリ規則)』に記載されたルールに則って競技が行われる。このルールブックが定める規則は、「Sporting Regulation(スポーティングレギュレーション)」と「Technical Regulation(テクニカルレギュレーション)」に大きく分類され、前者は主に競技運営に関するルール、後者は各クラスの定義や競技に使用するマシンの技術的仕様などに関するルールが記載されている。タイヤに関する規則は、このルールブックのテクニカルレギュレーション編に記載されており、{2.9.1}から{2.9.9}までの条文と項目で詳細な規定が行われている。

用語解説

※1国際モーターサイクリズム連盟

2輪競技を統括し、各種世界選手権を主催する国際機関。日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)をはじめとする98の下位組織を傘下におさめ、各種レースのルールの策定などを担っている。

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