Vol.197 Round 17

Repsol Honda Teamにとって厳しい週末となるも、Honda勢のモルビデリが8位でコンストラクターズポイントに貢献

日本GPからの連戦となった第17戦オーストラリアGPは、Honda勢にとって、厳しい戦いとなりました。金曜日のフリー走行でカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が1コーナーで転倒を喫し、右足首を骨折して欠場。決勝では、Repsol Honda Teamの両選手がリタイアとなりました。

今季6回目のポールポジションからトップグループで快調にラップを刻んでいたマルク・マルケス。しかし、6周目の1コーナーで、後方に位置していたヨハン・ザルコ(ヤマハ)の前輪がマルケスの後輪に接触、その衝撃でザルコが転倒し、接触の影響でマシンが破損したマルケスもリタイアとなりました。さらに、不安定な天候の中で予選18番手から追い上げのレースに挑んでいたダニ・ペドロサが、14番手までポジションを上げた12周目の4コーナーで単独転倒を喫し、リタイア。RC213Vのワークス勢3選手が、ノーポイントで今大会を終えるという厳しい戦いでした。

Repsol Honda Teamの両選手がリタイアするのは、昨年のアルゼンチンGP以来で今季初。Honda勢トップはルーキーのフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)で、ベストリザルトの8位でフィニッシュ。これにより、Hondaは王手をかけているコンストラクターズタイトルで貴重な8ポイントを獲得しました。

前戦日本GPでは、マルケスが3年連続5回目のタイトルを獲得し、ピットのムードも上々でしたが、不運の転倒と事故で、改めて気持ちを引きしめるレースとなりました。Repsol Honda Teamにとっては今季ワーストレースとなったオーストラリアGP。アルベルト・プーチ監督が振り返ります。

―フィリップアイランドの戦略はどういうものでしたか?

「マルクはトップグループについていこうと思っていました。そしてレース終盤の優勝争いのために待つつもりでした。しかし、ストレートエンドで残念ながらザルコが彼に接触してリタイアすることになりました」

―Honda勢にとっては、厳しいレースでした。オーストラリアGPのネガティブポイントは? ポジティブポイントがあれば、それも教えてください。

「マルクがリタイアせざるを得なくなったことは残念でしたが、危険な場所でクラッシュしたにもかかわらず、マルクもザルコも無事だったことはポジティブでした。ネガティブな点は、マルクもダニもレースを完走できなかったことで、これは昨年のアルゼンチンGP以来です。最も残念だったのは、カル・クラッチローが金曜日の大きな転倒の影響で、レースに出られなかったことです。彼の一日も早い回復を願っています。次戦のマレーシアでは、チームのテストライダーであるステファン・ブラドルが彼の代役を務めます」

―ピットウォールから見ていた感想は?

「私たちのレースは早く終わってしまったのでナーバスになる時間もありませんでした」

―今大会のインサイドストーリーを教えてください。

「マルクにとっては忙しい週でした。先週、彼が日本でタイトルを決めたので、多くのインタビューを受けましたし、また多くのイベントに参加しました。マルクもダニ、そして中上もサーキットのステージでオーストラリアのファンと会うことができてよかったです。カル(クラッチロー)はメルボルンで手術を受けなければならなかったので、唯一ファンとは会えませんでした」


オーストラリアGPを終えて、3連戦最後の戦いの舞台はマレーシアのセパンに移ります。オーストラリアGPにタイトル王手で挑んだコンストラクターズタイトルの決定は次戦に持ち越しとなりましたが、2位のドゥカティに39ポイント差をつけており、マレーシアGP終了時点に25ポイント以上の差をつければ、3年連続24回目のタイトルが決まります。

今大会、Repsol Honda Teamがノーポイントで終わったことで、チームタイトルは大接戦となりました。2位のMovistar Yamaha MotoGPと16ポイント差、3位のDucati Teamとは38ポイント差でマレーシアGPを迎えます。Repsol Honda Teamは、次戦で2位以下に45ポイント差をつければ、2年連続9回目のチームタイトルが決まります。

シーズンは、いよいよ、残り2戦。Hondaは3冠達成に向けて全力を尽くします。


» オーストラリアGP レポート