Round05フランスフランスGP

MotoGP 決勝

2018年5月20日(日)

会場:ル・マン・サーキット
天候:晴れ
気温:24℃
コースコンディション:ドライ
観客:10万5203人(3日間:20万6617人)

 

マルケスが3連勝を達成して総合首位をキープ。ペドロサが5位、クラッチローは8位

第5戦フランスGPの決勝日は、3日間を通じて最も暑い一日となり、最高気温は24℃まで上昇、路面温度も45℃まで上がりました。厳しい条件の中での決勝レースとなりましたが、連日の好天もあり、2000年にル・マンにグランプリが復帰してから最多観客数となる10万5千人がサーキットのスタンドを埋め尽くしました。

大観衆が注目する中でスタートしたレースは、予選2番手から挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、アメリカズGP、スペインGPに続き3連勝を達成しました。この日のマルケスは、フロントにミディアムコンパウンド、リアにはただ一人ハードコンパウンドを選択。そのため序盤はペースを抑えましたが、タイヤが温まってからはペースを上げると、ライバル勢を圧倒しました。

オープニングラップに5番手までポジションを落としたマルケスですが、2周目にダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)をかわし4番手へ。5周目には前を走るアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)が転倒を喫したことで3番手に浮上します。さらに7周目にはヨハン・ザルコ(ヤマハ)をかわし2番手へと一気にポジションを上げていきます。その後、ザルコがマルケスを抜き返しますが、コース中盤の左コーナーで転倒したことで再び2番手に浮上したマルケスは、10周目にホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)を抜いてトップに浮上。その後、1分32秒台前半の好ペースで周回を重ねると後方に約3秒のリードを築き、27周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。

アメリカズGP、スペインGP、そしてフランスGPと3連勝を達成したマルケスは、チャンピオンシップでも首位をキープ。今回7位で総合では2位につけるマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に36点差をつけています。

予選10番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、中盤までジャック・ミラー(ドゥカティ)、ビニャーレスらとセカンドグループを形成。後半はミラーとし烈な4位争いを繰り広げ、最終的に5位でフィニッシュしました。シーズン序盤、不運のアクシデントで2戦を落としているペドロサは、前戦スペインGPでの不運の転倒により万全の体調ではありませんでしたが、今大会はしっかりとポイントを獲得。総合11番手から10番手へとランキングを一つ上げました。

予選でのハイサイドで転倒し、市内の病院で診断を受けたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、無事に退院して日曜日の決勝レースに挑みました。朝のウォームアップで体調を確認したクラッチローは、決勝ではレース中盤までペースをセーブ、転倒しないように慎重に周回を重ね、後半はややペースを上げましたが、着実に走りきって8位でフィニッシュしました。

前戦スペインGPではベストリザルトの9位でフィニッシュしたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、ポル・エスパルガロ(KTM)、ハフィズ・シャーリン(ヤマハ)、ブラッドリー・スミス(KTM)らとし烈な戦いを繰り広げ13位でフィニッシュ。今季4度目のポイントを獲得しました。

レース前半、モルビデリらのグループに加わった中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、後半、フロントタイヤのフィーリングに苦しんで15位へとポジションを落とし、そのままチェッカーとなりましたが、これで4戦連続ポイントを獲得。シーズン初のポイント獲得に闘志を燃やしたトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は16位に終わり、ポイント獲得まであと一歩届きませんでした。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)マルク・マルケス
「ル・マンは僕たちにとって最も難しいサーキットの一つです。この大会で優勝することができたので、とてもうれしいです。今日は僕だけがハードリアタイヤを選択しました。そのため、ほかのライダーとはレースへのアプローチが少し違いました。なぜならタイヤが温まるまで、少し時間がかかると分かっていたからです。でも、ウォームアップ中にタイヤの準備ができれば正しい選択になるということを確認しました。今日はとても安定していたし、いいリズムをキープすることができました。正直、レース序盤は少し難しい走りを要求されました。ザルコが2コーナーで接触し、僕は少しはらんでしまいました。そのあと、イアンノーネが転倒するのですが、危うく僕に当たるところでした。そのため、ポジションをいくつか落としてしまったので、少し落ち着くことに決めました。ドビとヨハンが転倒したのを見たとき、再びレースへのアプローチを少し変えました。そのあと、3コーナーで危ない瞬間があり、FP3で転倒していたところだったので、そこでも非常に注意深く走行しました。それが功を奏して、レースでは転倒を免れました。いま、自分のマシンととても“甘い”時間を経験しています。このような気持ちになったときは、うまくいきます。そしていい走りができ、マシンもうまく機能します。これで物事が楽になるわけではありませんが、より自然に走ることができます。もちろんシーズンは長いです。すべてのレースが同じように行くわけではありませんが、とにかくがんばってこの勢いを維持したいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)ダニ・ペドロサ
「レースウイークと身体のポテンシャルのことを考えれば、5位はいい結果だと思います。ポジティブな面は、10番グリッドから5つもポジションを取り戻すことができたことです。このサーキットではそう簡単なことではありません。今日は転倒しないように走ることも重要でした。そして完走できたので、次のレースへ向けてさらに自信がつきました。レース終盤のリズムは、まだ思っていたような速さではありませんでしたが、それでも安定していました。レースウイークを通してマシンのセットアップを進めることができたので、チームには感謝しています。来週のカタルニアのテストのあと、体調がどうなるか様子を見たいと思います。身体を回復させて、引き続きパフォーマンスを上げていきたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 8位)カル・クラッチロー
「レースウイークを通していいペースがありました。しかし、昨日の転倒の影響で今日はこれが精一杯でした。少し残念に思っています。チームはすばらしい仕事をしてくれたし、僕のためにマシンをグリッドに並べてくれました。トップグループで戦う準備はできていたのですが、今日の僕にはそれができませんでした。序盤はプッシュせず、最初の10周か15周はミスをしないように走りました。そうしなければ、再び深刻なケガをするかもしれなかったからです。そのあと、少しプッシュして何人かのライダーをパスしました。それもチームのおかげです。久しぶりに完走しました。すばらしい結果ではありませんが、十分な仕事ができたと思います」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 13位)フランコ・モルビデリ
「転倒が多く、多くのライダーにとって難しい週末になりました。プラクティスでは少し苦戦して、転倒もしました。そのため、いつものペースに戻るために一生懸命取り組まなければなりませんでした。チームはすばらしい仕事をしてくれたので、感謝しています。いつものようにレースから多くのことを学ぶことができました。次のムジェロでのレースに役立つことを願っています。ムジェロはイタリア人のライダーにとってはいつも大事な週末です。ハフィズやブラッドリーとのバトルは楽しかったです。次回はヘレスのときのように、トップ10に戻れることを願っています」

中上貴晶(MotoGP 15位)中上貴晶
「今回はクラッチのフィーリングがあまりよくなくて、スタートしてから加速がスムーズではなく、ポジションを上げることができませんでした。しかし、序盤のフィーリングは格段によくなって、フルタンク、ニュータイヤでプッシュできるようになりました。今日はカルに追いついてパスするチャンスもあったのですが、接触してはいけないと思い、セーブしました。そのあと、15周を過ぎたころからフロントのフィーリングが厳しくなり、ペースを上げられませんでした。今日はフロントにミディアム、リアにソフトとタイヤの選択は間違ってなかったと思いますが、フロントはセッティングがあまりよくなかったのかも知れません。火曜日にカタルニアでテストがあるので、今回の課題を追求したいです。フリー走行で転倒してケガをした足の影響はありませんでした」

トーマス・ルティ(MotoGP 16位)
「ここはかなり特徴のあるトラックなので、金曜日と土曜日は楽ではありませんでした。そして決勝では、午前中のウォームアップで転倒してしまいました。あまりいい日曜日のスタートにはなりませんでした。レースではベストを尽くしましたが、たくさんのライダーが転倒していたので、とにかく完走して、チームのためにデータを残し、前に進み続けなければと思っていました」

MotoGP リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193マルク・マルケスHonda41'49.773
29D.ペトルッチドゥカティ+2.310
346V.ロッシヤマハ+5.350
443J.ミラードゥカティ+6.314
526ダニ・ペドロサHonda+7.419
699J.ロレンソドゥカティ+10.355
725M.ビニャーレスヤマハ+23.758
835カル・クラッチローHonda+25.795
941A.エスパルガロアプリリア+26.206
1042A.リンススズキ+27.937
1144P.エスパルガロKTM+32.304
1255H.シャーリン ヤマハ+34.962
1321フランコ・モルビデリHonda+37.881
1438B.スミスKTM+38.299
1530中上貴晶Honda+41.986
1612トーマス・ルティHonda+45.260
1717K.アブラハムドゥカティ+56.872
1810X.シメオンドゥカティ+1'12.117
1945S.レディングアプリリア+17Laps
2053T.ラバトドゥカティ+17Laps
215J.ザルコヤマハ+19Laps
224A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+23Laps
2319A.バウティスタドゥカティ+26Laps
2429A.イアンノーネスズキ-

MotoGP ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
193マルク・マルケスHonda95
225M.ビニャーレスヤマハ59
35J.ザルコヤマハ58
446V.ロッシヤマハ56
59D.ペトルッチドゥカティ54
643J.ミラードゥカティ49
729A.イアンノーネスズキ47
835カル・クラッチローHonda46
94A.ドヴィツィオーゾドゥカティ46
1026ダニ・ペドロサHonda29
1153T.ラバトドゥカティ24
1242A.リンススズキ22
1344P.エスパルガロKTM18
1499J.ロレンソドゥカティ16
1521フランコ・モルビデリHonda16
1641A.エスパルガロアプリリア13
1755H.シャーリン ヤマハ13
1819A.バウティスタドゥカティ12
1930中上貴晶Honda10
2036M.カリオKTM6
2145S.レディングアプリリア5
2238B.スミスKTM5
2317K.アブラハムドゥカティ1
2412トーマス・ルティHonda0
2510X.シメオンドゥカティ0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1Honda120
2ヤマハ92
3ドゥカティ82
4スズキ61
5KTM19
6アプリリア18

チーム

順位 チーム 総合ポイント
1Repsol Honda Team124
2Movistar Yamaha MotoGP115
3Alma Pramac Racing103
4Monster Yamaha Tech 371
5Team SUZUKI ECSTAR69
6Ducati Team62
7LCR Honda56
8Reale Avintia Racing24
9Red Bull KTM Factory Racing23
10Aprilia Racing Team Gresini18
11Estrella Galicia 0,0 Marc VDS16
12Ángel Nieto Team13

ランキング詳細

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