ROUND 07
カタルニアGP カタルニア・サーキット 2017.06.11(日)・決勝
第7戦カタルニアGPは、最高気温が33℃まで上昇。レースウイークで最も暑く、ライダーにもタイヤにも厳しい一日となりました。その中で、4番グリッドから決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、3戦ぶりの表彰台となる2位でチェッカーを受けました。
マルケスは、2列目から好スタートを切ると、オープニングラップで2番手に浮上しました。そして6周目には、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)をかわしてトップに浮上。しかし、8周目にチームメートでポールポジション(PP)スタートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に抜かれて3番手へとポジションを落とし、しばらくはこの3台がトップグループを形成しました。
18周目、マルケスは2番手に浮上し、そこから前を走るドヴィツィオーゾを追いかけます。地元ファンの大声援を受けて最後までプッシュしましたが、ドヴィツィオーゾを捕らえることはできず、2番手をキープ。25周のレースを走りきって、今季3回目の表彰台を獲得しました。
今年は第3戦アメリカズGPでシーズン初優勝を達成。第4戦スペインGPで2位になりました。しかし、第5戦フランスGPで転倒リタイア、第6戦イタリアGPでも、タイヤとマシンのマッチングが完ぺきではなく我慢のレースを強いられ6位に。2戦連続で表彰台から遠ざかっていただけに、今大会の2位はうれしいものとなりました。
これで総合4位から3位に浮上。今大会を制した総合2位のドヴィツィオーゾに16点差。今大会を10位で終えた総合首位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との差を23点へと縮めることに成功しました。
今大会は、土曜日のフリー走行と予選で4度の転倒。決勝日朝のウォームアップでも転倒と、苦しい状況が続きました。決勝に向けて不安を抱える状態でしたが、いつも通りの100%の走りで表彰台を獲得しました。
今季2度目のPPを獲得したペドロサは、レース中盤にトップを快走しましたが、終盤はペースをキープできず、3位でフィニッシュしました。「今日はスタートから攻める走りができませんでした。タフなレースでしたが、地元ファンの前で表彰台に立ててうれしい」と、今季4度目の表彰台に笑み。苦しいレースをしっかり走りきったことで、総合5位から4位へとランキングを上げることに成功しました。これでRepsol Honda Teamは、今季3度目のダブル表彰台となりました。
予選17番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、後方グリッドから追い上げて11位でフィニッシュ。予選19番手からスタートしたティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は15位で、今季6度目のポイント獲得を果たしました。予選15番手のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は10番手を走行していた13周目に転倒し、リタイアとなりました。
マルク・マルケス(MotoGP 2位)
「週末をこういう結果で終われてとてもうれしいです。なぜなら、昨日4回、そして今日の朝に1回転んで、精神的にかなり厳しい状況に追い込まれていたからです。自分自身の走りとマシンへの自信を取り戻すために、チームが全力でヘルプしてくれました。そしてレースの前には“自分は昨年のマルクと同じだ”と言い聞かせました。自分のスタイルは常にプッシュし、決してあきらめないことです。だから今日も、優勝を目標にレースに臨みました。スタートしてすぐに(ダニロ)ペトルッチ(ドゥカティ)が真横に当たってきました。バランスを取り戻したので本当に幸運でした。それからはレースに集中しました。(アンドレア)ドヴィツィオーゾがプッシュして前に出たときは、自分もプッシュしましたが、今日の彼は速くて、2位になることを目標にしました。チャンピオンシップはまるでジェットコースターのようです。とにかく、一戦一戦レースに集中し、100%のトライをしなくてはいけません」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日の結果にはとても満足しています。チェッカーを受けて表彰台に立てたときは、いつもすばらしい気持ちになります。先週のイタリアでは、ひどいレースをしましたが、今週はポールポジションを獲得して、地元ファンの前で表彰台に立てました。正直、もう少しいいレースができると思っていましたが、今日はタイヤにとても厳しいコンディションで、グリップがあまりよくありませんでした。トップに立ったときにレースをリードしようとしました。しかし、ドヴィツィオーゾに抜かれてからは、タイヤをセーブする走りをする必要がありました。今日のタイヤは、フロントもリアもミディアムをチョイスしましたが、最後は限界に達していました。でも、両方ハードよりもいい選択だったと思います。パフォーマンスや耐久性も大事ですが、フィーリングがとても重要になります。厳しいレースでしたが、最終的に表彰台に立てたのですばらしいレースでした。明日のテストではフロントのフィーリングを改善し、いくつかのステップを刻みたいです」
カル・クラッチロー(MotoGP 11位)
「今日は完走できました。これが今大会の一番大事なことだったと思います。今日はそれほどすばらしい日ではありませんでしたが、17番手からスタートしたことを考えれば、11位になれて十分満足しています。愚かなことだと言われるかもしれませんが、今日は表彰台に上がる自信がありました。みんなのペースが落ちてくることを想定してハードタイヤを選びましたが、思ったほどうまくはいきませんでした。今週は予選で17番手。ミスもしてしまい、不利な状況になりました。でもHondaはすばらしい仕事をして、マルクとダニを表彰台に上げました。でもドゥカティのマシンはストレートで速かったです。これからも引き続き、一生懸命に取り組まなければなりません。ドヴィはすばらしい仕事をしました。とてもうれしく思います」
ティト・ラバト(MotoGP 15位)
「ホームレースだったので、もっといい結果を出したかったです。100%で走り、これ以上は無理でした。レース終盤に向けて快適に走ることができました。今日はトップと40秒差。昨年は1分差だったので、20秒短縮できました。今シーズンはすべてのレースで完走していますし、ポイント圏内にいます。問題はレース序盤に、ほかのライダーをオーバーテイクするペースがないことです」
ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)
「セットアップに改善点を見つけ、ウォームアップではいいペースがありました。そのペースを決勝でもキープして、1分47秒台後半のリズムを刻んでいました。(バレンティーノ)ロッシ(ヤマハ)や(ホルヘ)ロレンソ、そして(ヨハン)ザルコ(ヤマハ)がいる集団を追いかけていました。とても快適に走っていましたが、ダウンヒルのコーナーで縁石に当たって転倒してしまいました。いいポジションを得られるよう一生懸命取り組んできました。残り11周だったし、快適に走っていたときの転倒なのでとても残念です。ポジティブなのは、フロントの感触が戻ってきたことです。次のアッセンが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 44'41.518 |
2 | 93 | マルク・マルケス | +3.544 | |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | +6.774 | |
4 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | +9.608 |
5 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | +13.838 |
6 | 94 | J.フォルガー | ヤマハ | +13.921 |
7 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | +16.763 |
8 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +20.821 |
9 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +23.952 |
10 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +24.189 |
11 | 35 | カル・クラッチロー | +28.329 | |
12 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | +33.281 |
13 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | +35.200 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +39.436 |
15 | 53 | ティト・ラバト | +40.872 | |
16 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | +43.221 |
17 | 50 | S.ギュントーリ | スズキ | +44.655 |
18 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +48.993 |
19 | 22 | S.ロース | アプリリア | +55.492 |
RT | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +2Laps |
RT | 43 | ジャック・ミラー | +12Laps | |
RT | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 111 |
2 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 104 |
3 | 93 | マルク・マルケス | 88 | |
4 | 26 | ダニ・ペドロサ | 84 | |
5 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 83 |
6 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | 75 |
7 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | 59 |
8 | 94 | J.フォルガー | ヤマハ | 51 |
9 | 35 | カル・クラッチロー | 45 | |
10 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 42 |
11 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | 34 |
12 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 33 |
13 | 43 | ジャック・ミラー | 30 | |
14 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | 23 |
15 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | 21 |
16 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | 21 |
17 | 53 | ティト・ラバト | 19 | |
18 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 17 |
19 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 11 |
20 | 51 | M.ピロ | ドゥカティ | 7 |
21 | 42 | A.リンス | スズキ | 7 |
22 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 6 |
23 | 38 | B.スミス | KTM | 6 |
24 | 22 | S.ロース | アプリリア | 2 |
25 | 50 | S.ギュントーリ | スズキ | 1 |
26 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 139 |
2 | 125 | |
3 | ドゥカティ | 122 |
4 | スズキ | 28 |
5 | アプリリア | 19 |
6 | KTM | 8 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Movistar Yamaha MotoGP | 194 |
2 | Repsol Honda Team | 172 |
3 | Ducati Team | 163 |
4 | Monster Yamaha Tech 3 | 126 |
5 | OCTO Pramac Racing | 75 |
6 | Estrella Galicia 0,0 Marc VDS | 49 |
7 | LCR Honda | 45 |
8 | Pull&Bear Aspar Team | 45 |
9 | Reale Avintia Racing | 44 |
10 | Team SUZUKI ECSTAR | 29 |
11 | Aprilia Racing Team Gresini | 19 |
12 | Red Bull KTM Factory Racing | 12 |