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October 16 2015, PRACTICE MotoGP Australian Grand Prix
オーストラリアGP
2015年10月16日(日)・1日目フリー走行 会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:曇りときどき雨、のち晴れ 気温:16℃ コースコンディション:ウエットのちドライ
日本GPからの連戦となる第16戦オーストラリアGPのフリー走行は、目まぐるしく天候が変化する、難しいコンディションの中で行われました。MotoGPクラスの1回目、2回目のフリー走行は、ともにドライコンディションで行われ、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)がトップタイムをマークして初日を終えました。
マルケスは、小雨がぱらつく午前中のセッションで2番手。青空がのぞいた午後のセッションでは、決勝に向けたセットアップに取り組み、1分29秒台のハイペースで連続周回をこなしました。午前から午後にかけて行った、セッティングの変更がタイム短縮に大きく貢献。日本GP前に負傷した左手甲の状態はまだ完全ではありませんが、今季5勝目に向けて、大きく前進しました。
前戦の日本GPで今季初優勝を達成したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、小雨と強い風の中で思うようにセットアップを進められず、青空がのぞいた午後の走行ではグリップ不足を解消できず、6番手に終わりました。しかし、予選と決勝に向けて多くのデータを獲得。2日目のフリー走行と予選で、再び上位狙う意気込みです。
カル・クラッチロー(CWM LCR Honda)が、久しぶりに好調なスタートを切りました。午前中の走行で6番手につけたクラッチローは、走り出しから快調にラップを刻み、午後の走行では5番手に浮上。課題はリヤのグリップ不足とスピニングで、この問題の解消に取り組み、予選では今季初のフロントローを狙う意気込みです。
ホームグランプリを迎えたジャック・ミラー(CWM LCR Honda)が、Hondaのオープンカテゴリーのマシン「RC213VーRS」で初日11番手と今季最高のスタートを切りました。セッション中には、マルケスをピタリとマークするなど、今季最高のパフォーマンスを披露し、地元ファンを喜ばせました。
フィリップアイランドを得意とするニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)も、「RC213VーRS」で快調にラップを刻み、ジャック・ミラーに続く12番手で初日を終えました。大きなセッティング変更をすることもなく、気持ちよく走れたというヘイデンは、ミラーとともに、今季ベストリザルトが期待されます。
スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)はトラクション不足に苦しんで17番手。ユージン・ラバティ(Aspar MotoGP Team)もスピニングを改善できず18番手。ケガで欠場したカレル・アブラハム(AB Motoracing)の代役として出場のアンソニー・ウエストは、地元ファンの声援を受けて24番手でした。
Moto2クラスは、ポイントスタンディングで総合3位につけるアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が、好調な走りをみせてトップタイムをマーク。以下、1秒差以内に17台という大接戦となりました。
1回目、2回目のフリー走行を、ともにハイペースで連続周回を行ったサム・ロース(Speed Up Racing)は2番手となり、ロレンソ・バルダッサーリ(Forward Racing)が3番手。そして、中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が4番手と続きました。前戦日本GPでタイトルを獲得したヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)は9番手。総合2位のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、骨折している左腕の痛みをこらえての走行で27番手となりました。
Moto3クラスの1回目のフリー走行はドライコンディションでしたが、2回目は走行前に雨が降り、ウエットからドライになる難しいコンディションとなりました。その中で、タイトルに王手をかけているダニー・ケント(LEOPARD Racing)が、1回目の走行で2番手、中途半端なコンディションとなった2回目の走行はキャンセルしましたが、総合で2番手をキープ。ケントの2日目のフリー走行と予選の走りに注目されます。
以下、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が3番手、エフレン・バスケス(LEOPARD Racing)が5番手、前戦で2勝目を挙げたニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)が7番手となり、予選でのポジションアップに期待されます。
MotoGP
順位 | No. | ライダー | マシン | F/O | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | Honda | F | 1'29.383 |
2 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | F | +0.050 |
3 | 25 | M.ビニャーレス | スズキ | F | +0.135 |
4 | 29 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | F | +0.161 |
5 | 35 | カル・クラッチロー | Honda | F | +0.196 |
6 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | F | +0.493 |
7 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | F | +0.638 |
8 | 38 | B.スミス | ヤマハ | F | +0.649 |
9 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | F | +0.658 |
10 | 41 | A.エスパルガロ | スズキ | F | +0.730 |
11 | 43 | ジャック・ミラー | Honda | O | +0.744 |
12 | 69 | ニッキー・ヘイデン | Honda | O | +0.801 |
13 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | O | +0.895 |
14 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | F | +1.068 |
15 | 44 | P.エスパルガロ | ヤマハ | F | +1.169 |
16 | 68 | Y.ヘルナンデス | ドゥカティ | F | +1.277 |
17 | 45 | スコット・レディング | Honda | F | +1.390 |
18 | 50 | ユージン・ラバティ | Honda | O | +1.527 |
19 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | F | +1.877 |
20 | 63 | M.ディ・ミリオ | ドゥカティ | O | +1.956 |
21 | 6 | S.ブラドル | アプリリア | F | +2.194 |
22 | 24 | T.エリアス | YAMAHA FORWARD | O | +2.739 |
23 | 76 | L.バズ | YAMAHA FORWARD | O | +2.926 |
24 | 13 | アンソニー・ウエスト | Honda | O | +3.209 |
25 | 55 | D.カドリン | ART | F | +5.096 |
※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー
Moto2
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 40 | アレックス・リンス | KALEX | 1'33.106 |
2 | 22 | サム・ロース | SPEED UP | +0.046 |
3 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +0.199 |
4 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +0.265 |
5 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | +0.312 |
6 | 11 | サンドロ・コルテセ | KALEX | +0.405 |
7 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.428 |
8 | 36 | ミカ・カリオ | SPEED UP | +0.450 |
9 | 5 | ヨハン・ザルコ | KALEX | +0.484 |
10 | 55 | ハフィズ・シャーリン | KALEX | +0.512 |
11 | 19 | ザビエル・シメオン | KALEX | +0.603 |
12 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +0.623 |
13 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +0.742 |
14 | 3 | シモーネ・コルシ | KALEX | +0.760 |
15 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +0.852 |
16 | 88 | リカルド・カルダス | SUTER | +0.938 |
17 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | KALEX | +0.993 |
18 | 39 | ルイス・サロム | KALEX | +1.214 |
19 | 21 | フランコ・モルビデリ | KALEX | +1.259 |
20 | 60 | フリアン・シモン | SPEED UP | +1.301 |
21 | 96 | ルイス・ロッシ | TECH 3 | +1.518 |
22 | 23 | マルセル・シュローター | TECH 3 | +1.646 |
23 | 2 | イェスコ・ラフィン | KALEX | +1.855 |
24 | 97 | チャビ・ビエルゲ | TECH 3 | +2.167 |
25 | 16 | ジョシュ・フック | KALEX | +2.185 |
26 | 10 | ティティポン・ワロコーン | KALEX | +2.701 |
27 | 1 | ティト・ラバト | KALEX | +3.086 |
28 | 70 | ロビン・マルホウザー | KALEX | +3.682 |
29 | 57 | エドガー・ポンス | KALEX | +3.974 |
30 | 66 | フロリアン・アルト | SUTER | +4.491 |
Moto3
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | M.オリベイラ | KTM | 1'37.209 |
2 | 52 | ダニー・ケント | Honda | +0.210 |
3 | 9 | ホルヘ・ナバロ | Honda | +0.322 |
4 | 41 | B.バインダー | KTM | +0.489 |
5 | 7 | エフレン・バスケス | Honda | +0.667 |
6 | 5 | R.フェナティ | KTM | +0.682 |
7 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | Honda | +0.837 |
8 | 65 | P.エッテル | KTM | +0.967 |
9 | 32 | I.ビニャーレス | KTM | +0.979 |
10 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +1.000 |
11 | 58 | J.ゲバラ | マヒンドラ | +1.097 |
12 | 11 | リビオ・ロイ | Honda | +1.099 |
13 | 21 | F.バグナイア | マヒンドラ | +1.130 |
14 | 33 | エネア・バスティアニーニ | Honda | +1.159 |
15 | 17 | ジョン・マクフィー | Honda | +1.163 |
16 | 98 | K.ハニカ | KTM | +1.174 |
17 | 2 | R.ガードナー | マヒンドラ | +1.247 |
18 | 88 | J.マルティン | マヒンドラ | +1.492 |
19 | 10 | アレックス・マスボー | Honda | +1.527 |
20 | 95 | ジュール・ダニーロ | Honda | +1.725 |
21 | 63 | Z.カイルディン | KTM | +1.801 |
22 | 6 | M.エレーラ | ハスクバーナ | +1.812 |
23 | 36 | ホアン・ミル | Honda | +1.814 |
24 | 48 | L.ダラ・ポルタ | ハスクバーナ | +1.866 |
25 | 40 | D.ビンダー | マヒンドラ | +2.035 |
26 | 22 | A.カラスコ | KTM | +2.112 |
27 | 55 | アンドレア・ロカテリ | Honda | +2.169 |
28 | 16 | A.ミニョ | KTM | +2.188 |
29 | 24 | 鈴木竜生 | マヒンドラ | +2.239 |
30 | 19 | A.トヌッチ | マヒンドラ | +2.281 |
31 | 96 | M.パリャーニ | マヒンドラ | +2.446 |
32 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | Honda | +2.574 |
33 | 29 | S.マンジ | マヒンドラ | +2.587 |
34 | 91 | G.ロドリゴ | KTM | +2.615 |
35 | 35 | O.シンプソン | KTM | +3.005 |
RT | 14 | マット・バートン | FTR | +7.289 |
マルク・マルケス(MotoGP 1番手)
「全体的にいい一日になりました。午前中は、小雨がぱらつく微妙なコンディションでしたので、慎重に走らなければなりませんでした。しかし、速いペースで走ることができました。午後のセッションは、決勝レースに近い時間帯であったこともあり、セットアップに集中して前進することができました。今大会もホルヘ(ロレンソ)がとても速いです。しかし、我々もいい状態になってきたし、ペースも一発のタイムも悪くはありませんでした。今日、最も大事だったのは、セットアップがいい方向に向かっているということでした」
カル・クラッチロー(MotoGP 5番手)
「今日はすべての面において、悪くありませんでした。セットアップにちょっとした問題があるとすれば、それはリヤのグリップが足りず、スピニングがひどいことです。しかし、全体的にはとても満足いくものでした。明日もこの調子で前進したいので、なんとしても晴れてくれることを願っています。今日は本当にいい一日でした。明日の走行が楽しみです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)
「今日は、予選と決勝に向けて、左右非対称のフロントタイヤをテストしながらセットアップに取り組みました。しかし、コンディションが不安定で思ったようにセットアップを進めることができませんでした。午後はいくらかいい状態でしたが、思ったほどグリップせず、セッティングも進みませんでした。明日は天候がよくなりそうなので、引き続きセットアップに取り組みたいです」
ジャック・ミラー(MotoGP 11番手)
「今日はとてもうまくいったし、とてもハッピーな気分です。マシンはよく機能しているし、このサーキットにRC213VーRSは合っていると思います。ニッキー(ヘイデン)と僕は、とてもいい状態になっています。ただ、まだ改善したい部分はあります。しかし、全体的にとても満足できる一日でした」
ニッキー・ヘイデン(MotoGP 12番手)
「午前中のセッションは雨がぱらついて、とても難しいコンディションでした。特に1コーナーと2コーナーは高速コーナーなので、マーシャルの的確なフラッグが、とても助かりました。今日はこれまでのレースと比べても、とてもポジティブな一日になりましたし、大きなステップを刻むことができました。今日は最初からフィーリングがよかったし、小さな調整だけで済んだこともいいことでした。今日は天候が不安定でしたので、明日はタイヤのロングランを行い、フロントタイヤのテストもしようと思っています。今日は本当にいい一日でした。とても気持ちよく走ることができたので、明日を楽しみにしています」
スコット・レディング(MotoGP 17番手)
「難しい一日でした。午後のセッションでは、ハードとエクストラハードのリアタイヤのテストをしましたが、トラクションがかからず、どこでもスピニングするという状態でした。フィリップアイランドのようなコースレイアウトで、このような状態になったら、もうどうにもなりません。今日のデータをじっくり見て、解決の方法を見つけ、明日のセッティングに挑まなければなりません。フロントタイヤもグリップ不足に苦しみましたが、それは解決しました。リヤの問題も解決したいです」
ユージン・ラバティ(MotoGP 18番手)
「コンディションのよかった午後のセッションは、大きな前進を期待していましたが、スピニングがひどくて、思いもしないところでタイムロスしていました。ハンドリングはよかったし、(マーベリック)ビニャーレスの後ろを走ったときは、テクニカルセクションではついていくことができました。しかし、グリップを改善しなければならないと感じました。右コーナーはそれほど悪くはありません。しかし、左コーナーは全体的に不安定な挙動で、アクセルを開けることができませんでした。スピニングがひどいので、ギアボックスも変更が必要です。フラストレーションがたまる一日でした」
アレックス・リンス(Moto2 1番手)
「予想通り、すごい接戦になりましたが、ファステストラップを刻めたし、いいスタートを切れました。マシンの状態もよく、小さな調整だけで自信を持って走ることができました。午後のセッションはコンディションがよくなり、みんなタイムを上げてきましたが、その中でもいい走りができ、とても楽しく走ることができました。明日も引き続きがんばります」
サム・ロース(Moto2 2番手)
「今日は難しいコンディションでしたが、午前中も午後もセッション終盤に向けていい状態にすることができ、とてもいい一日でした。なによりも、コンスタントにタイムを出すことができたことが一番よかったです。明日はさらにアベレージを上げられるようにしたいです。チャンピオンシップも混戦なので、いいレースにしたいです」
ロレンソ・バルダッサーリ(Moto2 3番手)
「すばらしいサーキットで、とても楽しむことができました。タイムを着実に上げることができたし、3番手につけられたことも大きな自信になりました。明日もセットアップを進めて、日曜日はいいレースをしたいです」
中上貴晶(Moto2 4番手)
「FP1は雨が降ってきたり、難しいコンディションでしたが、初日としてはまずまずだったと思います。今日はニュータイヤでタイムを出せませんでしたが、ユーズドタイヤではいいペースで走ることができました。あまりいいコンディションではなかったのですが、昨年の自己ベストを初日に更新できたので、そういう点では悪くはなかったと思います。明日はリヤのグリップを改善させて、さらにタイムを上げていきたいです」
ダニー・ケント(Moto3 2番手)
「FP2はキャンセルしましたが、それでも総合2番手で初日を終えることができました。午前中の走行はクラッチに問題があって、その解決を午後の走行で行いたかったのですが、コンディションが悪すぎたので走行しませんでした。今日は1セッションしか走りませんでしたが、全体的にはフィーリングがよかったし、まだまだ改善できるエリアがあります。明日の走行が楽しみです」
ホルヘ・ナバロ(Moto3 3番手)
「午前中のセッションはいい走りができました。コンディションがあまりよくなかったので、セッションを無駄にするつもりでハードタイヤで走行しました。しかし、結果的にハードタイヤがとても機能することになりました。午後は、ミディアムで走りました。フィーリングはさらによくなりました。午後のセッションはあまり長い時間、走ることができませんでしたが、いいセットアップだったと思います。とてもいい一日でした。明日も、さらによくなるようにがんばります」
エフレン・バスケス(Moto3 5番手)
「午前中のセッションは、走り出しから気持ちよく走ることができました。しかし、午後は雨のため、セッションの半分を無駄にしてしまったので残念でした。明日は、今日できなかったことを行い、さらにいい状態にしたいです」