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MotoGP

Round

SCHEDULE

August 15 2015, QUALIFYING MotoGP bwin Grand Prix České republiky

チェコGP チェコGP

マルケスが4戦連続でフロントローから決勝に挑む

2015年8月15日(土)・予選  会場:オートモトドラム・ブルノ・サーキット  天候:晴れ
気温:30℃  コースコンディション:ドライ

第11戦チェコGPの予選は、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われ、今シーズン4勝目を狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2番手タイムをマークしてフロントローを獲得しました。初日2番手につけたマルケスは、2日目のフリー走行では、ホルヘ・ロレンソ、バレンティーノ・ロッシ(ともにヤマハ)に続いて3番手。予選では、ロレンソとし烈なポールポジション(PP)争いを繰り広げ、0.074秒差の2番手でした。フリー走行、予選での連続ラップでは、ヤマハ勢の2人とともに1分56秒台の好ラップをマーク。今大会は、ヤマハ勢の2人との厳しい戦いが予想されますが、ドイツ、インディアナポリスに続いての3連勝と今季4勝目に挑みます。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • カル・クラッチローカル・クラッチロー
  • スコット・レディングスコット・レディング

チームメートのダニ・ペドロサは、前日に喫した転倒の影響で思うようにパフォーマンスを発揮することができませんでした。転倒の際に左足首を強打しているペドロサは、シフトチェンジの際に痛みがあり、フリー走行ではトップから0.995秒差の10番手。予選でもトップから0.980秒差の9番手と厳しい走りを強いられました。ブルノを得意とするペドロサ。左足の負傷がなければ、マルケスとともにPP争いに加われたことは間違いなく、フラストレーションのたまる一日となりました。

カル・クラッチロー(CWM LCR Honda)も、腕の状態が悪く、完ぺきなアタックができずに10番手。スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)はセットアップが決まらず14番手でしたが、両選手ともにアベレージは悪くないだけに、追い上げのレースに注目されます。

Hondaのオープンカテゴリーマシン「RC213V-RS」勢は、ユージン・ラバティ(Aspar Team MotoGP)が20番手、チームメートのニッキー・ヘイデンが21番手、フリー走行で転倒を喫したジャック・ミラー(CWM LCR Honda)が22番手、左足を負傷して4戦ぶりに復帰のカレル・アブラハム(AB Motoracing)は、地元ファンの声援に応え、痛みをこらえながらの熱走で25番手でした。

Moto2クラスは、ヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、サーキットベストタイムを更新する快走で今季5度目のPPを獲得。総合3位のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が2番手、前戦インディアナポリスGPでMoto2初優勝を達成し、総合2位のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が3番手に続きました。

以下、トップから1秒差以内に9台という戦いになり、昨年のMoto3チャンピオンのアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が今季ベストの7番グリッドを獲得。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は16番手。チームメートのアズラン・シャー・カマルザマンは25番手から追い上げのレースに挑みます。

Moto3クラスは、ニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)が、昨年の最終戦バレンシアGP以来、通算2度目のPPを獲得しました。以下、1秒差以内に18台という接戦となり、2番手に総合首位のダニー・ケント(LEOPARD Racing)、3番手にホルヘ・ナバーロ(Estrella Galicia 0,0)、4番手にファビオ・クアルタラロ(Estrella Galicia 0,0)、5番手にアレックス・マスボー(Saxoprint-RTG)とHonda勢が上位を独占しました。尾野弘樹(LEOPARD Racing)はトップから1秒差以内の18番手。前戦インディアナポリスGPで初優勝のリビオ・ロイ(RW Racing GP)は29番手でした。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「昨日は、ホルヘとバレンティーノのペースから遅れていましたが、今日はその差を縮められて、とてもうれしいです。予選ではPPを獲れませんでしたが、ホルヘとはすごく接近していますし、ニュータイヤを入れたときのヤマハの2人が強い走りをすることを知っていたので、こうしてフロントローに並ぶことができてよかったです。今日の予選タイムはとてもよかったと思いますが、ホルヘはさらにいいラップを刻みました。決勝に向けてのペースも、ホルヘとバレンティーノの方が少しだけいいので、明日のウォームアップでさらにセットアップを進めたいです。明日は100%の走りをします。スタートからゴールまで限界の走りをしなければならないと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)
「難しい一日でした。できる限りベストを尽くしましたが、シフトチェンジの際に左足がとても痛くて、厳しい走りを強いられました。そういう状況の中でも、自分の走りは決して遅くなかったと思います。しかし、非常に厳しい戦いでした。100分の1秒差で大きくポジションが変わる予選となり、いいグリッドを獲得することができませんでした。明日は、いいスタートを切って、ベストを尽くします」

カル・クラッチロー(MotoGP 10番手)
「今日は難しい予選になりましたが、まさか、10番手に終わるとは思ってもみませんでした。正直、自分のペースは10番手よりもいいと思っています。昨日から腕の調子が悪く、午後は多少よくはなりましたが、昨日より状態は悪いです。今日はマシンの動きが大きく、それを解決しなくてはいけません。明日の決勝に向けて、チームと話し合って、マシンの状態を改善できるようにしたいです」

スコット・レディング(MotoGP 14番手)
「FP4でフロントのセッティングをいろいろ試したのですが、セットアップは進まず、タイムも短縮することはできませんでした。その後に行われた予選では、FP4よりはよくなったし、FP3のベストタイムも超えることができました。今日の予選の目標タイムは1分56秒6でした。しかし、アタックしようと思った周回でチェッカーとなってしまいました。新品のタイヤを入れたときは、コーナリングスピードをキープすることができるのですが、グリップが落ち始めるとコーナーでタイムロスしてしまいます。明日はいいスタートを切って、いいリズムで走れることを願っています」

ユージン・ラバティ(MotoGP 20番手)
「インディアナポリスGPと同じように、いい週末になっています。特にユーズドタイヤでのペースがよく、RC213V-RSではトップタイムをマークすることができました。このサーキットでタイムを上げていくのは、より一層ブレーキングをハードにしなくてはならず、容易ではありません。今日のベストタイムではいくつかミスをしているし、完ぺきなラップではありませんでした」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 21番手)
「昨日より3~4℃気温が低くなったことで、多少、コンディションはよかったと思います。路面温度が55℃を超えると、完全にグリップがなくなります。今日は40℃台で走ることができました。マシンの状態はインディアナポリスよりいいと思います。もし、明日が雨になっても、問題ありません。21番グリッドなので、雨の方がチャンスがあるかもしれません」

ジャック・ミラー(MotoGP 22番手)
「今日は転倒してしまい、いつものような信頼感でマシンに乗ることができませんでした。路面がバンピーでコーナーの進入に苦しんでいます。それが原因の転倒で、予選ではいいタイムを出すことができませんでした。しかし、レース用タイヤでは、それほど悪くありません。しかし、厳しいレースになることは間違いありません。明日のウォームアップで最後の調整をしたいと思います」

カレル・アブラハム(MotoGP 25番手)
「あまりいい状態ではありません。正直、今日は2分を切れないかもしれないと思っていました。しかし、なんとか1分59秒台に入れることができました。左足はまだ完全ではないですし、昨日より今日の方が状態は悪く、痛みもひどくなっています。タイムをキープするのがとても難しい状態なので、明日の決勝レースは厳しいと思います」

ヨハン・ザルコ(Moto2 ポールポジション)
「5度目のPPを獲得できてとてもうれしいです。すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝しています。ブルノは、ペースをキープするのがとても難しいので、リラックスして走れるようにしたいです。明日は、勝つことを目標にしますが、チャンピオンシップを一番に考えてレースをしたいです。アレックスは、Moto2のルーキーですが、インディアナポリスで優勝して勢いがあるので、しっかりマークしたいです。インディアナポリスのような不安定な天候になったときは、落ち着いてしっかり状況を見ていきたいと思います」

ティト・ラバト(Moto2 2番手)
「昨日はマシンの状態があまりよくなかったのですが、昨日の夜に大きな変更をして、それでとてもよくなりました。予選では完ぺきなアタックができませんでしたが、フロントローに並べたのでよかったと思います。昨日も今日も暑くて厳しい一日でした。明日は、チャンピオンシップをリードするヨハンをターゲットに200%の走りで挑みます」

アレックス・リンス(Moto2 3番手)
「昨日から今日にかけて、大きなステップを刻むことができました。明日のレースは、序盤にミスをしないようにして、トップグループで戦うようにしたいです。インディアナポリスGPでは、Moto2初優勝を達成して、すごく自信になっています。今回もファンの前でいいレースをしたいです」

中上貴晶(Moto2 16番手)
「昨日から課題になっているブレーキングからのコーナーの進入がうまくいかず、思うようにタイムを更新できませんでした。フリー走行では2分3秒を切れず、予選ではなんとか2秒台に入れることができたのですが、16番手というグリッドに終わりました。明日のウォームアップで違うセッティングにトライして、よくなることを願っています」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 ポールポジション)
「とても難しい予選でした。スリップストリームを使わないでタイムを出すのが難しいサーキットですが、今日は自己ベストを更新することができました。ブルノはとてもバンピーなので、ミスをしないように走るのが難しいです。明日の決勝では、しっかり集中していいレースをしたいと思います」

ダニー・ケント(Moto3 2番手)
「コース上が混雑していて、クリアラップでアタックすることができませんでした。そういう予選でしたが、フロントローを獲得できたのでうれしいです。今週もマシンのフィーリングはとてもよく、いいレースができると思います。インディアナポリスGPでは、総合2位のバスティアニーニに先行されたので、ポイント差が縮まりました。今回は、チャンピオンシップでまたリードを広げられるようにがんばります」

ホルヘ・ナバーロ(Moto3 3番手)
「難しい予選でした。このサーキットはスリップストリームがとても重要なので、みんなスリップに入ろうとしていて、とても混雑していました。一番好きなコンパウンドではありませんでしたが、ニュータイヤでアタックしました。これがすごくよかったです。2回目のアタックでは、限界を超えそうになりましたが、満足のいくアタックになりました。残念なのは引っ張ってもらうのを待っているライダーがいっぱいいたことで、それを避けながら走行しなければならなかったことです。今大会はセッションごとによくなりましたし、決勝に向けていいペースを作れたのがうれしいです。暑い中で集団になるレースは難しいのですが、明日はいいレースをしたいと思います」

ファビオ・クアルタルロ(Moto3 4番手)
「一番よかったことは、昨日のようにポジションを落とさなかったことです。サスペンションとギアを変更して、とてもいい状態になりました。昨日は2分10秒に入れるのが大変だったのに、今朝のフリー走行では2分7秒に入れるのがとても簡単でした。午後になってもフィーリングはよく、いいラップを刻むことができました。クリアラップが取れなかったにもかかわらず、いいタイムが出せました。明日の決勝に向けていいペースを作り出せたことがとてもよかったです」

尾野弘樹(Moto3 18番手)
「序盤から思うようにペースを上げられず、厳しい予選になりました。昨日からの課題になっているフロントのフィーリングはよくなったのですが、なぜか思いきり攻められませんでした。セッション終盤は時間に追われてのアタックとなり、なんとか18番手までポジションを上げられました。トップから1秒差以内で18番手なので、決勝は予想通り大混戦になると思います。いいスタートを切って、トップ集団でレースをしたいと思います。ブルノは好きなレイアウトなので、シングルグリッドを獲得したいと思っていただけに、残念な結果でした」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン F/O タイム
1 99 J.ロレンソ ヤマハ F 1'54.989
2 93 マルク・マルケス Honda F 1'55.063
3 46 V.ロッシ ヤマハ F 1'55.353
4 29 A.イアンノーネ ドゥカティ F 1'55.390
5 38 B.スミス ヤマハ F 1'55.460
6 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ F 1'55.935
7 25 M.ビニャーレス スズキ F 1'55.954
8 44 P.エスパルガロ ヤマハ F 1'55.955
9 26 ダニ・ペドロサ Honda F 1'55.969
10 35 カル・クラッチロー Honda F 1'56.192
11 8 H.バルベラ ドゥカティ O 1'56.399
12 68 Y.ヘルナンデス ドゥカティ F 1'56.739
13 9 D.ペトルッチ ドゥカティ F 1'56.713
14 45 スコット・レディング Honda F 1'56.765
15 41 A.エスパルガロ スズキ F 1'56.806
16 6 S.ブラドル アプリリア F 1'57.133
17 63 M.ディ・ミリオ ドゥカティ O 1'57.215
18 76 L.バズ YAMAHA FORWARD O 1'57.540
19 19 A.バウティスタ アプリリア F 1'57.552
20 50 ユージン・ラバティ Honda O 1'57.634
21 69 ニッキー・ヘイデン Honda O 1'57.645
22 43 ジャック・ミラー Honda O 1'57.855
23 15 A.デ・アンジェリス ART F 1'58.599
24 71 C.コルティ YAMAHA FORWARD O 1'59.145
25 17 カレル・アブラハム Honda O 1'59.903

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 5 ヨハン・ザルコ KALEX 2'01.614
2 1 ティト・ラバト KALEX +0.259
3 40 アレックス・リンス KALEX +0.287
4 11 サンドロ・コルテセ KALEX +0.376
5 12 トーマス・ルティ KALEX +0.464
6 77 ドミニク・エージャーター KALEX +0.828
7 73 アレックス・マルケス KALEX +0.921
8 21 フランコ・モルビデリ KALEX +0.929
9 49 アクセル・ポンス KALEX +0.997
10 94 ジョナス・フォルガー KALEX +1.020
11 7 ロレンソ・バルダッサーリ KALEX +1.097
12 3 シモーネ・コルシ KALEX +1.114
13 22 サム・ロース SPEED UP +1.241
14 4 ランディ・クルメンナッハ KALEX +1.246
15 39 ルイス・サロム KALEX +1.253
16 30 中上貴晶 KALEX +1.303
17 55 ハフィズ・シャーリン KALEX +1.394
18 36 ミカ・カリオ KALEX +1.397
19 19 ザビエル・シメオン KALEX +1.469
20 96 ルイス・ロッシ TECH 3 +1.809
21 23 マルセル・シュローター TECH 3 +1.826
22 60 フリアン・シモン SPEED UP +1.944
23 95 アンソニー・ウエスト SPEED UP +2.202
24 70 ロビン・マルホウザー KALEX +2.245
25 25 アズラン・シャー・カマルザマン KALEX +2.368
26 10 ティティポン・ワロコーン KALEX +2.459
27 57 エドガー・ポンス KALEX +2.504
28 88 リカルド・カルダス SUTER +2.620
29 66 フロリアン・アルト SUTER +2.695
30 97 チャビ・ビエルゲ TECH 3 +2.821
31 2 イェスコ・ラフィン KALEX +3.314

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 23 ニッコロ・アントネッリ Honda 2'07.667
2 52 ダニー・ケント Honda +0.002
3 9 ホルヘ・ナバロ Honda +0.033
4 20 ファビオ・クアルタラロ Honda +0.148
5 10 アレックス・マスボー Honda +0.219
6 41 B.バインダー KTM +0.448
7 98 K.ハニカ KTM +0.449
8 7 エフレン・バスケス Honda +0.616
9 88 J.マルティン マヒンドラ +0.655
10 17 ジョン・マクフィー Honda +0.753
11 95 ジュール・ダニーロ Honda +0.816
12 44 M.オリベイラ KTM +0.828
13 58 J.ゲバラ マヒンドラ +0.850
14 32 I.ビニャーレス KTM +0.888
15 33 エネア・バスティアニーニ Honda +0.931
16 40 D.ビンダー マヒンドラ +0.949
17 2 R.ガードナー マヒンドラ +0.976
18 76 尾野弘樹 Honda +0.978
19 5 R.フェナティ KTM +1.053
20 84 J.コーンフェール KTM +1.083
21 24 鈴木竜生 マヒンドラ +1.189
22 55 アンドレア・ロカテリ Honda +1.234
23 48 L.ダラ・ポルタ ハスクバーナ +1.283
24 65 P.エッテル KTM +1.286
25 91 G.ロドリゴ KTM +1.394
26 16 A.ミニョ KTM +1.610
27 21 F.バグナイア マヒンドラ +1.766
28 31 N.アジョ KTM +1.766
29 11 リビオ・ロイ Honda +1.806
30 19 A.トヌッチ マヒンドラ +1.916
31 29 S.マンジ マヒンドラ +1.986
32 6 M.エレーラ ハスクバーナ +2.057
33 63 Z.カイルディン KTM +2.651
34 97 マキシミリアン・カプラー FTR Honda +2.759
35 12 M.フェラーリ マヒンドラ +3.028
36 86 ケビン・ハヌス Honda +5.543