モータースポーツ  > ロードレース世界選手権  > 第11戦 チェコGP  > 1日目フリー走行

MotoGP

Round

SCHEDULE

August 14 2015, PRACTICE MotoGP bwin Grand Prix České republiky

チェコGP チェコGP

マルケス2番手、ペドロサ4番手で初日を終える。厳しい暑さの中、Repsol Honda Teamの両選手が貴重なデータを獲得

2015年8月14日(金)・1日目フリー走行  会場:オートモトドラム・ブルノ・サーキット  天候:晴れ
気温:33℃  コースコンディション:ドライ

インディアナポリスGPから2連戦となった第11戦チェコGPのフリー走行は、最高気温33℃という厳しい暑さの中で行われました。ブルノは森に囲まれたサーキットで、体感温度は実際の気温よりもかなり高くなります。ピットでの計測では、気温は40℃近くまで上昇。ライダーにとっても、タイヤにとっても厳しい一日となりました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • カル・クラッチローカル・クラッチロー
  • スコット・レディングスコット・レディング

その厳しい条件の中で、転倒者も多くなりました。ドイツGP、インディアナポリスGPに続き、3連勝を狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、午前中のセッションでは7コーナーで、午後のセッションでは9コーナーで転倒を喫しました。しかし、ベストタイムもアベレージも更新することに成功し、2番手で初日を終えました。

この日のベストタイムはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が午前中にマークしたタイムでした。コンディションが厳しくなった午後のセッションでは、マルケスがベストタイムを更新してセッションのトップタイムをマーク。総合2番手は変わりませんでしたが、土曜日に向けて大きなステップを刻みました。

ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、午前中にマークしたベストタイムで4番手につけました。ペドロサは、午後のセッション3周目の14コーナーで転倒を喫します。原因はフロントフォークからオイルが漏れ、それがリアタイヤに付着したためで、不運の転倒となりました。ペドロサは、このアクシデントで左足を強く打ちましたが、幸いにも骨折はありませんでした。転倒により午後のセッションを無駄にしてしまったペドロサですが、気持ちを切り替えて土曜日のフリー走行と予選に挑みます。

カル・クラッチロー(CWM LCR Honda)は、トップから1秒差に10台という接戦の中で10番手。2日目はフリー走行と予選でタイムを短縮して、ポジションを上げていく意気込みでいます。スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、トップから1.361秒差の15番手でした。

Hondaのオープン車で出場のジャック・ミラー(CWM LCR Honda)は17番手、ニッキー・ヘイデン(Aspar Team MotoGP)は18番手、ユージン・ラバティ(Aspar MotoGP Team)は20番手、左足の負傷で4戦ぶりに復帰のカレル・アブラハム(AB Motoracing)は25番手で初日を終えました。

Moto2クラスは、総合3位のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、厳しいコンディションの中で2分2秒714をマークしてトップタイム。以下、2分2秒台の好タイムで、総合4位につけるトーマス・ルティ(Derendinger Racing Interwetten)が2番手、シモーネ・コルシ(Athina Forward Racing)が3番手、総合首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が4番手と続きました。

総合5位のサム・ロース(Speed Up Racing)は7番手。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)はトップから0.961秒差の11番手。アズラン・シャー・カマルザマン(IDEMITSU Honda Team Asia)は、午後のセッションでタイムを更新できず23番手。中上とカマルザマンは、2日目のポジションアップに挑みます。

Moto3クラスは、総合首位のダニー・ケント(LEOPARD Racing)がトップタイムをマーク。雨のために大荒れのレースとなりノーポイントに終わった前戦インディアナポリスGPの悪い流れを断ち切りました。

以下、Honda勢は、ニッコロ・アントネッリ(Ongetta‐Rivacold)が3番手、エフレン・バスケス(LEOPARD Racing)が4番手、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が6番手、総合2位のエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Team Moto3)が8番手と続きました。尾野弘樹(LEOPARD Racing)は、午前中のセッションで転倒しましたが、午後のセッションではしっかり走って12番手。予選ではシングルグリッドを目標に戦います。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「今日はとてもポジティブな一日でした。このサーキットは簡単ではないのですが、多くの貴重なデータを得ることができました。今日は1周のラップタイムはよかったのですが、それをキープするのがとても難しかったです。FP2ではトップタイムをマークできたし、連続周回でアベレージを上げることにも成功しました。(ホルヘ・)ロレンソが速いタイムで周回しているので、それはとても重要なことでした。午後の走行では、ロレンソのペースに近づくことができました。明日はさらにペースを上げて、その差を縮めたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)
「フロントフォークにトラブルがあり、そのトラブルで出たオイルがリアタイヤにかかって、転倒してしまいました。この転倒で左足を強く打ちました。左足首のレントゲンを撮ってチェックしましたが、幸いなことに骨折はありませんでした。ただ、打撲がひどいので、しっかり処置し、明朝に状態を見てみます」

カル・クラッチロー(MotoGP 10番手)
「今日は路面コンディションが厳しく、難しい一日でした。いくつかのコーナーでブレーキングが決まらなかったので、明日に向けて、この部分を改善しなくてはいけません。加えて、フロントタイヤのフィーリングもあまりよくありませんでした。しかし、午後のセッションに関しては、よかったと思います。明日は、午前中のフリー走行でセットアップを進めて、決勝レースに向けて準備したいです」

スコット・レディング(MotoGP 15番手)
「午後の路面コンディションはとても滑りやすかったです。問題は、ソフトよりもハードコンパウンドの方でタイムが出たことです。普通なら、ソフトの方がグリップがよいはずなので、とても不思議な感じでした。セッション終盤にかけて、ソフトのリアとハードコンパウンドのフロントの組み合わせで走りましたが、あまりよくありませんでした。今日は正しいセットアップの方向性を見出すことを念頭に置いて走りました。明日も、ハードコンパウンドのリアタイヤを使ってセッティングを進めます。今日は、コーナーの進入と出口でグリップをうまく引き出せず苦労しました。その部分を改善できれば、ラップタイムにつながると思います」

ジャック・ミラー(MotoGP 17番手)
「午前中のセッションはうまく走れませんでしたが、午後に向けて大きく改善できました。午前中よりグリップレベルは下がり、転倒者も多かったので心配していました。依然としてフィーリングはよくないですし、ブレーキングでは、路面がバンピーなのでコントロールが難しいです。そのような状態でしたが、Hondaのオープンではトップでした。この点に関しては、とてもよかったと思いますが、それが自分の目標ではないので、明日も引き続きがんばります」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 18番手)
「今日はよいフィーリングでスタートできたのですが、午後は気温が上がり、状況が大きく変化しました。フロントにハードタイヤをチョイスして走ったのですが、あまりよい結果にはつながりませんでした。ブルノはとてもバンピーなので、なかなかグリップを見い出せず、スライドも大きかったです。それを改善しようとがんばったのですが、うまくバランスを見つけられませんでした」

ユージン・ラバティ(MotoGP 20番手)
「午後のセッションは、難しいコンディションでしたが、バイクのフィーリングは悪くありませんでした。先週のインディアナポリスGPと同じように、気持ちよく乗れているので、明日も引き続き、セットアップを進めていきたいです。チームは、インディアナポリス同様、すばらしい仕事をしてくれています。シーズン前半戦に比べるとよい状態になっているのでうれしいです。新しいタイヤを入れた後に転倒するミスを犯したのは残念でした。明日は、今日の失敗を取り返したいです」

ティト・ラバト(Moto2 1番手)
「今日は非常に暑い一日で、厳しいコンディションになりました。しかし、暑いのは嫌いではありません。もっと暑いスペインでトレーニングを積んでいるので、体力的にも精神的にも問題はありませんでした。今日はトップタイムで終われて、とてもうれしいです。しかし、バイクのセットアップは完全ではないので、明日も引き続き、改善に努めます」

トーマス・ルティ(Moto2 2番手)
「とても暑い一日でしたが、状態は悪くありませんでした。今日は、気温も路面温度も高かったので、タイヤのセットアップに重点を置きました。特に午後のセッションでは、セットアップがうまく進みました。明日、明後日と天候がどう変わるか分かりませんが、天候にあわせて、しっかりセットアップしていきたいです。明日もこの調子をキープしたいです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 4番手)
「インディアナポリスに比べてよいスタートを切れました。バイクの状態もフィーリングもよかったです。午後のセッションは、ユーズドタイヤでロングランを行い、いくつか興味深い情報を得られました。明日以降の天候は、どうなるかは分かりませんが、天候にあわせて落ち着いて走りたいです」

中上貴晶(Moto2 11番手))
「インディアナポリスと比較して、やや苦戦した一日でした。午前から午後にかけて気温も路面温度も上がり、グリップが一気に落ちてしまい、セットアップに苦労しました。午前中はハード、午後はミディアムを使いました。最近の傾向として、気温や路面温度が上がったからといってハードがよいとは一概に言えず、今回も午後のセッションではミディアムの方がフィーリングはよかったです。タイヤに関しては明日もう一度チェックしなければなりません。バイクのセッティングでは、ブレーキングからコーナーの進入、そしてコーナーの出口でリアのグリップがうまく出せないので、明日はその部分を改善したいです。トップから0.5秒以内で初日を終えようと思っていたので、その部分では目標を達成できず残念でした」

ダニー・ケント(Moto3 1番手)
「先週のインディアナポリスGPはとても残念な結果でしたが、気持ちを切り替えて、今週の大会に挑んでいます。初日はトップタイムをマークできたし、とてもよいスタートが切れました。いくつかのコーナーではとてもうまく走れたので、明日は高速コーナーでしっかりラインをキープできるようにしたいです。来年のことをいろいろ聞かれていますが、今はチャンピオンシップに集中したいです」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 3番手)
「今日は大変な一日でしが、明日に向けて前進できました。明日の予選では、みんなタイムを上げてくると思うので、がんばらないといけません。今日は全体的にフィーリングは悪くありませんでしたが、まだ改善が必要です。タイヤに関しては、いろいろテストしていて、明日も引き続き、タイヤテストをしなければなりません」

尾野弘樹(Moto3 12番手)
「初めて走るサーキットですが、下見をした時点で好きなコースだと感じました。実際に走行してみたら、思っていたとおり、快適に走ることができました。ただ、フロントの接地感が弱く、その部分に関しては午後の走行でも改善できなかったので、明日も引き続き、セットアップをしていきます。予選ではシングルを狙っていきたいです」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
1 99 J.ロレンソ ヤマハ F 1'56.589
2 93 マルク・マルケス Honda F +0.014
3 29 A.イアンノーネ ドゥカティ F +0.251
4 26 ダニ・ペドロサ Honda F +0.285
5 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ F +0.322
6 46 V.ロッシ ヤマハ F +0.539
7 44 P.エスパルガロ ヤマハ F +0.579
8 38 B.スミス ヤマハ F +0.638
9 41 A.エスパルガロ スズキ F +0.703
10 35 カル・クラッチロー Honda F +0.730
11 68 Y.ヘルナンデス ドゥカティ F +1.045
12 9 D.ペトルッチ ドゥカティ F +1.076
13 25 M.ビニャーレス スズキ F +1.108
14 8 H.バルベラ ドゥカティ O +1.219
15 45 スコット・レディング Honda F +1.361
16 6 S.ブラドル アプリリア F +1.985
17 43 ジャック・ミラー Honda O +2.013
18 69 ニッキー・ヘイデン Honda O +2.050
19 63 M.ディ・ミリオ ドゥカティ O +2.090
20 50 ユージン・ラバティ Honda O +2.157
21 19 A.バウティスタ アプリリア F +2.170
22 76 L.バズ YAMAHA FORWARD O +2.179
23 15 A.デ・アンジェリス ART F +3.181
24 71 C.コルティ YAMAHA FORWARD O +3.575
25 17 カレル・アブラハム Honda O +4.762

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 ティト・ラバト KALEX 2'02.714
2 12 トーマス・ルティ KALEX +0.097
3 3 シモーネ・コルシ KALEX +0.167
4 5 ヨハン・ザルコ KALEX +0.260
5 11 サンドロ・コルテセ KALEX +0.319
6 94 ジョナス・フォルガー KALEX +0.633
7 22 サム・ロース SPEED UP +0.659
8 60 フリアン・シモン SPEED UP +0.856
9 77 ドミニク・エージャーター KALEX +0.943
10 39 ルイス・サロム KALEX +0.956
11 30 中上貴晶 KALEX +0.961
12 73 アレックス・マルケス KALEX +1.003
13 40 アレックス・リンス KALEX +1.014
14 7 ロレンソ・バルダッサーリ KALEX +1.091
15 55 ハフィズ・シャーリン KALEX +1.163
16 49 アクセル・ポンス KALEX +1.186
17 19 ザビエル・シメオン KALEX +1.204
18 36 ミカ・カリオ KALEX +1.246
19 4 ランディ・クルメンナッハ KALEX +1.375
20 21 フランコ・モルビデリ KALEX +1.429
21 96 ルイス・ロッシ TECH 3 +1.611
22 95 アンソニー・ウエスト SPEED UP +1.694
23 25 アズラン・シャー・カマルザマン KALEX +1.768
24 23 マルセル・シュローター TECH 3 +1.793
25 70 ロビン・マルホウザー KALEX +1.861
26 57 エドガー・ポンス KALEX +2.545
27 10 ティティポン・ワロコーン KALEX +2.707
28 88 リカルド・カルダス SUTER +2.709
29 97 チャビ・ビエルゲ TECH 3 +2.916
30 66 フロリアン・アルト SUTER +3.503
31 2 イェスコ・ラフィン KALEX +3.683

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 52 ダニー・ケント Honda 2'08.483
2 41 B.バインダー KTM +0.167
3 23 ニッコロ・アントネッリ Honda +0.181
4 7 エフレン・バスケス Honda +0.217
5 5 R.フェナティ KTM +0.425
6 9 ホルヘ・ナバロ Honda +0.430
7 44 M.オリベイラ KTM +0.434
8 33 エネア・バスティアニーニ Honda +0.799
9 32 I.ビニャーレス KTM +0.894
10 65 P.エッテル KTM +0.985
11 31 N.アジョ KTM +0.994
12 76 尾野弘樹 Honda +1.061
13 19 A.トヌッチ マヒンドラ +1.110
14 98 K.ハニカ KTM +1.139
15 24 鈴木竜生 マヒンドラ +1.197
16 2 R.ガードナー マヒンドラ +1.232
17 88 J.マルティン マヒンドラ +1.359
18 17 ジョン・マクフィー Honda +1.399
19 20 ファビオ・クアルタラロ Honda +1.447
20 95 ジュール・ダニーロ Honda +1.611
21 10 アレックス・マスボー Honda +1.647
22 84 J.コーンフェール KTM +1.677
23 16 A.ミニョ KTM +1.693
24 58 J.ゲバラ マヒンドラ +1.700
25 55 アンドレア・ロカテリ Honda +1.718
26 40 D.ビンダー マヒンドラ +1.773
27 11 リビオ・ロイ Honda +1.843
28 63 Z.カイルディン KTM +1.854
29 21 F.バグナイア マヒンドラ +1.888
30 48 L.ダラ・ポルタ ハスクバーナ +2.406
31 91 G.ロドリゴ KTM +2.416
32 6 M.エレーラ ハスクバーナ +2.580
33 29 S.マンジ マヒンドラ +2.719
34 12 M.フェラーリ マヒンドラ +2.988
35 97 マキシミリアン・カプラー FTR Honda +3.895
36 86 ケビン・ハヌス Honda +5.608