round 5

June 19 2010, QUALIFYING:13:55-(local)/21:55-(JST)
MotoGP AIRASIA BRITISH GRAND PRIX
第5戦 イギリスGP

デ・ピュニエ、3年ぶりのフロントロー獲得となる2番手
ペドロサは3番手で4戦連続のフロントロー

第5戦イギリスGPの予選は、今季最高のアタック合戦となり、2日連続で好調な走りを見せたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が2番手につけて、3年ぶりのフロントローを獲得した。そのデ・ピュニエと激しくポールポジション(PP)争いをしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は3番手。その2人に僅差で続いたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が4番手。Honda勢の3選手と激しいアタック合戦を繰り広げたホルへ・ロレンソ(ヤマハ)が、セッション終盤にトップタイムをマークしてPPを獲得した。惜しくもPPを逃したHonda勢だが、今季最高の仕上がりとなった。以下、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)8番手、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)9番手。トップ10に5台のHonda勢が名前を連ねた。

今季初、3年ぶりのフロントローを獲得したデ・ピュニエは、初日の好調を2日目もキープ。フリー走行ではペドロサとトップタイムを競い、予選ではペドロサ、ドヴィツィオーゾ、ロレンソと激しいアタック合戦を繰り広げた。PPを狙ったセッション終盤には、勢いあまって転倒したが、決勝では今季初表彰台、初優勝を狙う。

3番手のペドロサもセッション終盤に転倒を喫し、2戦連続今季3回目のPPを逃した。しかし、これで4戦連続のフロントローを獲得。マシンのセットアップも順調に進み、アベレージもよく、前戦イタリアGPに続いての2連勝の期待が膨らんでいる。転倒の原因は、ブレーキングで荒れた路面に足下をすくわれたためで、PPを逃すも、決勝に向けて路面の状況を学習することができたと気合満点だった。

フロントローには並べなかったが、ドヴィツィオーゾが今季ベストグリッドとなる4番手につけた。初日のフリー走行で3番手。2日目のフリー走行でもセットアップに集中して5番手。予選ではフロントローに並んだ3選手とともに2分3秒台の好タイムをマークした。アベレージもよく、フランス、イタリアに続く3戦連続、今季4回目の表彰台と今季初優勝に期待が高まる。

メランドリも順調にセットアップを進め、今季ベストグリッドとなる8番手につけた。この日のセッションでは、アタックの際に一度もクリアラップが取れず不完全燃焼に終わったが、上り調子を強烈にアピール。フリー走行で転倒を喫し、その影響で予選までマシンのセットアップに追われたシモンチェリも、今季ベストグリッドとなる9番手。ともに今季ベストリザルトに期待が集まっている。

予選12番手の青山博一(Interwetten Honda MotoGP)も、着実にセッティングを進めた。初日のフリー走行は2分9秒台。2日目のフリーは2分7秒台にタイムを短縮。予選では2分5秒台へとタイムを上げたが、周囲もタイムアップし12番手と、トップ10入りを果たせなかった。しかし、確実に前進しているだけに、決勝では、シーズン前半の目標であるシングルフィニッシュに挑む。

初日のフリー走行がウエットコンディションで行われたMoto2クラス。2日目はフリー、予選ともにドライコンディションで走行を行った。PPを獲得したのはクラウディオ・コルティ(Forward Racing)で今季初。2番手にジュール・クルーゼル(Forward Racing)、3番手にスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)とSUTER勢が上位を独占した。初日トップの富沢祥也(Technomag-CIP)は、フリー走行で転倒。マシンの修復に時間がかかり、わずか8ラップの走行となったが、11番手と健闘した。高橋裕紀(Tech 3 Racing)は、コースをはみ出すとタイムがキャンセルされる10コーナーのグリーン地帯に乗り上げたことで、ベストラップが次々に抹消され38番手に後退した。この日、タイムがキャンセルされることが通知されたポイントは2カ所。しかし、チームから高橋に通知されていたのは5コーナーの1カ所だけだった。日本人選手にとっては波乱の予選となったが、ともに追い上げのレースに挑む。

  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • ランディ・デ・ピュニエランディ・デ・ピュニエ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • 青山博一青山博一
  • 青山博一青山博一
コメント

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 2番手)「07年のアッセン以来のフロントローを獲得することができて、とてもうれしい。昨日初めて走ったときに最高のサーキットだと思ったが、今日も楽しむことができた。セッション終盤には、ホルヘ(ロレンソ)に0.5秒くらいリードを広げたのだが、最後に逆転されてしまった。しかし、最後のアタックがうまくいっていたら、さらに逆転できたと思うが、ちょっと行きすぎて転んでしまった。この転倒で右手の親指を切ってしまったが、それほどひどいケガではないし、今日の転倒は自分を落ち着かせるのに役立った。明日は冷静になってレースに挑みたい。バイクの状態はいいが、もう少し制御をうまくセッティングしたい。明日は表彰台のことは考えず、全力を尽くしたい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)「フリー、予選ともにいいラップを刻むことができた。マシンのセットアップも進み、レースに向けていい状態を作ることができた。明日は今日より気温が上がることが予想されるので、明日の天候を見てタイヤをチョイスしたい。予選の転倒は、最後のアタックをしているときで、ブレーキングポイントが悪く、ちょうどバンプに乗り上げてしまった。おそらく、バイクが自分を乗り越えていったときに足に接触して痛みを感じたが、明日の決勝に向けて問題はない。昨日、今日と、周回するごとにコースの状態をいろいろ学んでいるが、フロントローに並ぶことができてよかった。明日はいいレースができると思う」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4番手)「フロントローには並べなかったが、2列目を獲得できてとてもよかった。今日はフリー走行で転倒して2号車で予選に挑んだが、なにも問題はなく、すべてが順調だった。正直、もう少しアベレージを改善したいが、今日の結果にはとても満足している。フリー走行の転倒で、ニューシャシーとこれまで使ってきたシャシーとの比較はできなかったが、予選はニューシャシーで挑み、順調だった。このサーキットはバンピーだが、本当に魅力的だ。明日の決勝も表彰台を目標にベストを尽くしたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 8番手)「今年になって一番いいグリッドを獲得することができた。今回は予選でいいグリッドを得ることが大きな目標だったし、まずは、その目標を果たすことができてよかった。8番手だが、アタックしているときにスロー走行しているバルベラ(ドゥカティ)にひっかかり、タイムをロスしてしまった。それがなければもっといいグリッドを得られたと思うし、それを思えば、この順位は悪くない。昨日、今日とセットアップは進んだ。全体的にいい状態を作り出せたし、あとは決勝に向けてタイヤを選ぶことだけ。明日は今年一番のレースができると思う。楽しみにしている」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 9番手)「フリー走行で転倒したのは、タイヤが冷えていたからだと思う。その影響で予選は、10分から15分くらいロスしてしまった。それで9番手なのだから、そう悪くない予選だった。バイクの状態はまだ完全じゃないし、もう少しセットアップを進めなければならない。明日の決勝では、目標とする5位、6位というリザルトを得るためにベストを尽くしたい」

青山博一(MotoGP 12番手)「昨日よりよくなったけれど、周りも速くなっているので、ポジションはあまり変わらなかった。午前中はソフトタイヤで走ってよかった。午後の予選は気温も路面温度も少し上がったので、ハードの方がよかった。今日はバンプにもだんだん慣れてきたが、ペースを上げていくと、やっぱり激しく振られるので、バンプに苦しめられるという点では、昨日も今日も変わらなかった。今日もちょっとした気温と路面変化でタイヤのフィーリングがすごく違ったので、天候と相談してタイヤチョイスを決めたい」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督「今回は初めてのサーキットということで、ダニもアンドレアも昨日に引き続き、コースの慣熟とセットアップに努めた。しかし、アンドレアは午前中のフリーで、ダニは予選で、ともにバンプに乗り上げて転んでしまった。幸い、2人ともに大きなケガがなくてよかった。レースに向けてまだ完全ではないし、明日のウオームアップでやらなければいけないことはあるが、ほぼ準備は整った。明日は2人ともに完走してもらいたい。そして、2戦連続で両選手そろって表彰台に立ってもらいたい」

クラウディオ・コルティ(Moto2 ポールポジション)「PPを獲得できて本当にうれしい。シルバーストーンは今回使っているレイアウトとは違うが、以前、違うカテゴリーに出場しているときに走ったことがあり、そのときからすごく好きだった。今日は自分でもびっくりするくらい、いいペースで走れた。PPを取るなんて夢みたいだ。明日も、今日のような走りをしていいリザルトを残したい」

富沢祥也(Moto2 11番手)「午前中のフリー走行で転倒して、その修復に時間がかかり、バタバタの状態で予選が始まった。コースインして1周目にフロントブレーキがかかった状態になり、それで転んでしまった。トラブルが直り、走れたのはラスト15分くらい。8周しかできなくて、この順位がやっとだった。フリー、予選とドライでちゃんと走れなかったのが不安だが、とにかく、決勝でベストを尽くすだけ。1つでも上のポジションでフィニッシュしたい」

高橋裕紀(Moto2 38番手)「2分10秒台のベストタイムで15番前後のグリッドを獲得できたのだが、5コーナーと10コーナーのグリーンラインをはみ出すとタイムをキャンセルされるという情報が正確に自分には伝わらず、ベストタイムから3番目くらいまでのタイムがキャンセルされてしまった。それで結局、この順位になってしまった。ドライコンディションでは、昨日のレインよりバイクの状態はいいけれど、このグリッドから決勝に挑むのはかなり厳しい。とにかく完走を目指してがんばりたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ2:03.308
214ランディ・デ・ピュニエHonda+0.126
326ダニ・ペドロサHonda+0.278
44アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.687
569N.ヘイデンドゥカティ+1.024
627C.ストーナードゥカティ+1.086
711B.スピーズヤマハ+1.169
833マルコ・メランドリHonda+1.247
958マルコ・シモンチェリHonda+1.560
105C.エドワーズヤマハ+1.727
1140H.バルベラドゥカティ+2.046
127青山博一Honda+2.404
1341A.エスパルガロドゥカティ+2.440
1465L.カピロッシスズキ+2.513
1519A.バウティスタスズキ+3.299
1636M.カリオドゥカティ+3.672

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
171クラウディオ・コルティSUTER2:09.624
216ジュール・クルーゼルSUTER+0.413
365ステファン・ブラドルSUTER+0.789
460フリアン・シモンSUTER+0.795
568ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+0.851
619ザビエル・シメオンMORIWAKI+0.868
725アレックス・バルドリーニI.C.P.+0.954
841アルネ・トードSUTER+1.010
912トーマス・ルティMORIWAKI+1.030
1010フォンシ・ニエトMORIWAKI+1.044
1148富沢祥也SUTER+1.064
1245スコット・レディングSUTER+1.144
1377ドミニク・エージャーターSUTER+1.149
1417カレル・アブラハムFTR+1.178
153シモーネ・コルシMOTOBI+1.197
1629アンドレア・イアンノーネSPEED UP+1.222
176アレックス・デボンFTR+1.240
1824トニー・エリアスMORIWAKI+1.426
192ガボール・タルマクシSPEED UP+1.553
2080アクセル・ポンスPONS KALEX+1.566
2175マティア・パシーニMOTOBI+1.588
2240セルジオ・ガデアPONS KALEX+1.597
239ケニー・ノイズPROMOHARRIS+1.786
2414ラタパーク・ウィライローBIMOTA+1.797
2552ルーカス・ペセックMORIWAKI+1.833
2659ニッコロ・カネパFORCE GP210+1.837
2744ロベルト・ロルフォSUTER+1.913
2876ベルナト・マルチネスBIMOTA+1.989
2939ロベルティーノ・ピエトリSUTER+2.060
3054ケブ・コフランFTR+2.070
3163マイク・ディ・ミリオSUTER+2.191
3255ヘクトル・ファウベルSUTER+2.324
338アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+2.428
3461ウラジミール・イワノフMORIWAKI+2.543
355ホアン・オリベPROMOHARRIS+2.716
3635ラファエレ・デ・ロサTECH 3+2.736
3796アンソニー・デラレBQR-MOTO2+2.878
3872高橋裕紀TECH 3+2.944
3953バレンティン・ドゥビーズADV+3.482
4021ウラジミール・レオーノフSUTER+3.616
RT15アレックス・デ・アンジェリスFORCE GP210-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ2:14.667
238B.スミスアプリリア+0.299
344P.エスパルガロデルビ+0.445
440N.テロールアプリリア+0.904
514J.ザルコアプリリア+1.541
612E.ラバトアプリリア+1.758
771小山知良アプリリア+1.993
899D.ウェッブアプリリア+2.022
97E.バスケスデルビ+2.047
1035R.クルメンナッハアプリリア+2.251