5月16日(日) ・決勝
サーキット:ル・マン・サーキット 観客:7万5560人(3日間13万6645人) 天候:快晴 気温:24℃ コースコンディション:ドライ
第3戦フランスGPの決勝は3年ぶりの快晴となり、すべての決勝レースがドライコンディションで行われた。MotoGPクラスは、PPスタートのセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が前戦スペインGPから2連勝を達成。3位にはマックス・ビアッジ(Camel Honda)が入り、優勝したジベルノーとともに3戦連続表彰台に立つ快進撃となった。5位コーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)、7位アレックス・バロス(Repsol Honda Team)、9位玉田誠(Camel Honda)とHonda勢5人がトップ10入りを果たし、コースアウトで遅れたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も、最後は11位でフィニッシュした。
3年ぶりのドライコンディション。過去2年間、雨にたたられたル・マンだったが、今年は雲ひとつない青空の絶好のコンディション。最高気温もレースウィークを通じて最高の24℃を記録した。コース上の戦いも、予想通り白熱したものとなり、スタンドを埋め尽くした7万5000人のファンを喜ばせた。その中で、今大会もレースの主導権を握ったのは、予選から好調な走りを見せたHondaのライダーたちだった。
ホールショットを奪ったのは、予選2番手のカルロス・チェカ(ヤマハ)。昨年の南アフリカGP以来、約1年ぶりのPPスタートとなったジベルノーは、スタートこそやや出遅れたが、1コーナーでは早くも2番手につけた。その後方にビアッジ、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と続き、この3戦、MotoGPクラスで接戦を演じてきたライバルたちが、スタートから熱い火花を散らすこととなった。
オープニングラップは、チェカがトップ、2番手にジベルノー。その後方では、ロッシがビアッジを交わし3番手に浮上した。1周目から激しいポジション争いとなったが、パッシングポイントの少ないル・マンだけに、2周目以降は、こう着状態が続くことになった。
その中で、チェカとジベルノーが、じわじわと後続を引き離す。そして2人の戦いになった12周目、ヘアピンからの立ち上がりでジベルノーがチェカを交わしトップに浮上。予選から素晴らしい走りを見せていたジベルノーが、中盤になってもレースの主導権を握る快走を披露した。以後、一度もトップの座を譲ることなく、28周のレースでジベルノーは真っ先にチェッカーを受けた。これでフランスGPでの2連勝と、自身初となるシリーズ2連勝の同時達成といううれしい優勝となった。
その後方では、2番手を走るチェカをビアッジとロッシが追い上げる。終盤は、3台による2位争いへと発展するが、周回遅れがからむ難しいレースの中でチェカが2位でフィニッシュ。ロッシの追撃を振り切ったビアッジが3位を獲得した。Honda勢は、2戦連続表彰台独占こそ果たせなかったが、優勝、3位という素晴らしい成績で第3戦を締めくくった。
トップグループ4台の後方では、エドワーズとマルコ・メランドリ(ヤマハ)が激しくポジションを入れ替える熱い戦いを演じ、終盤にペースを上げたエドワーズが5位でフィニッシュ。序盤で大きく出遅れたバロスは、激しい追い上げを見せて7位でゴール。また、玉田誠も9位と、5台のHonda勢がトップ10でチェッカーを受けた。ヘイデンは9番手前後を走行していたが、中盤に痛恨のコースアウトを喫し、その影響で11位に終わった。しかし、Honda勢は表彰台に2人の選手が立ち、6人全員が完走と、ル・マンに集まったファンを喜ばせた。
250ccクラスは、PPスタートのダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)が好スタートを切って、ポール・トゥ・ウィン。ペドロサは、開幕南アフリカGPで250ccクラス史上最年少優勝記録を打ち立てているが、今回は2位に約8秒の大差をつける独走優勝。昨年の125cc優勝に続き、フランスGPでの2連勝を達成した。予選から復調を感じさせていたトニー・エリアス(Fortuna Honda)は、今季初表彰台となる3位を獲得。そのエリアスと激しく戦った青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)が今季最高位の4位と、250ccクラスもHonda勢が素晴らしい走りを見せた。
125ccクラスは、R.ロカテリ(アプリリア)とのマッチレースを制したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が、PPスタートから今季2勝目を飾った。ドヴィッツィオーゾは弱冠18歳。開幕戦南アフリカGPで初優勝を飾り、その勢いに乗って早くも2勝目を達成した。
これでHonda勢は、昨年のオーストラリアGP以来、4戦ぶりに3クラス制覇を果たした。
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