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SUPER GT

round 05

SCHEDULE

August 9 2014, QUALIFYING SUPER GT Round 5

日本富士スピードウェイ

#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)がNSX CONCEPT-GT初のポールポジションを獲得
#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮組)と#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)は2列目グリッドから明日の決勝レースに挑む
GT300クラスでは、#0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)が3番手、#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が4番手を獲得

2014年8月9日(土)・予選  会場:富士スピードウェイ(4.563km)  天候:曇りのち雨  気温:26℃(14:00時点)
路面温度:30℃(14:00時点)  コースコンディション:ドライのちウエット

8月9日(土)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2014 オートバックス SUPER GT第5戦「FUJI GT300km RACE」が開幕し、公式予選が行われました。

  • KEIHIN NSX CONCEPT-GTKEIHIN NSX CONCEPT-GT
  • 塚越広大選手(左)、金石年弘選手(右)塚越広大選手(左)、金石年弘選手(右)
  • ARTA NSX CONCEPT-GTARTA NSX CONCEPT-GT
  • RAYBRIG NSX CONCEPT-GTRAYBRIG NSX CONCEPT-GT
  • ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT
  • Epson NSX CONCEPT-GTEpson NSX CONCEPT-GT
  • MUGEN CR-Z GTMUGEN CR-Z GT
  • ARTA CR-Z GTARTA CR-Z GT

Hondaは第4戦SUGO大会より、冷却性能を向上させた5台のNSX CONCEPT‐GTを投入。この結果、雨が降ったり止んだりの難しいコンディションのもとで行われた同大会で#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)が3位入賞を果たし、NSX CONCEPT‐GTに初の表彰台をもたらしています。

帰省ラッシュのピークとされるこの日、日本列島には台風11号が近づいており、西日本地方を中心に強い雨が降りました。富士スピードウェイのある静岡県東部は昼ごろまで雨が降ることはありませんでしたが、正午ごろからぽつぽつと降り出すあいにくの空模様となりました。

この日のスケジュールは、午前9時から2時間にわたって公式練習を行ったあと、午後2時からノックアウト方式の公式予選をGT300クラス、GT500クラスの順で行いました。

ドライコンディションのもとで行われた公式練習では、セッション開始早々にコースインした#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが1分36秒232を記録して一時トップに立ちます。これに続いて#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)、#32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)もコースイン。10分ほど経過したところで#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮組)も走行を開始しました。

山本選手がステアリングを握る#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは、開始から28分ほどが過ぎたところで1分30秒752を記録。この時点でトップに立ちました。

その後、各チームは決勝レースを見据えた走行などを行ったため、順位に大きな変動は見られませんでしたが、GT500クラスの専有走行とされたセッションの残り10分で、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは1分30秒401を記録し、首位に浮上します。その後もこのタイムを上回るチームが現れなかったため、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTはこのセッションをトップで終えました。さらに、#32 Epson NSX CONCEPT-GTは1分30秒698で5番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは1分30秒746で6番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは8番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは9番手に入り、5台のNSX CONCEPT‐GTがいずれもトップ10に入る健闘をみせました。

午後2時にスタートした公式予選は、まずGT300クラスのセッションを行ったのち、午後2時15分にGT500クラスのQ1が始まりました。昼前後に降った小雨は、このときは上がっていましたが、それから7分ほどが経過して、各チームが走行を開始したところ、GT300クラスの車両の1台がメインストレート上に停止していたため、これを回収するためにセッションは赤旗中断となります。そして5分ほどの中断ののち、午後2時29分から10分間の予定でQ1が再開されることとなりました。

Q1を担当するドライバーは、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが松浦選手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが金石選手、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTがマコヴィッキィ選手、#32 Epson NSX CONCEPT-GTが中嶋選手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが武藤選手です。

セッションが再開されると、マコヴィッキィ選手が1分32秒676をマークしてトップに立ちます。その直後に金石選手も2番手のタイムを記録しますが、各チームが一斉にタイムアタックを行ったため、このあと、順位は目まぐるしく変動していきます。最終的にマコヴィッキィ選手は1分30秒061までタイムをつめたものの、2台のライバルに先行されたため、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTは3番手となりました。そして松浦選手の乗る#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは5番手、金石選手の乗る#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは7番手、武藤選手の乗る#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは8番手となり、Q2進出を決めました。一方、中嶋選手の乗る#32 Epson NSX CONCEPT-GTは11番手だったため、この時点で決勝レースでのスターティンググリッドが確定しました。

続くQ2を担当するドライバーは、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTはリウッツィ選手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは塚越選手、#18 ウイダー モデューロ NSXは山本選手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは小暮選手がそれぞれ務めます。

GT500クラスのQ2は午後3時9分から12分間にわたって実施されました。このときは、その直前に行われたGT300クラスのQ2終盤から降り始めた小雨の影響で、路面は次第に湿っていく展開となります。Q2に進出した8台のGT500クラス車両はいずれもスリックタイヤでコースインしましたが、路面は濡れるいっぽうで、1分50秒台のタイムしかマークできない状況となりました。

このため、山本選手を筆頭に数名のドライバーがピットイン。レインタイヤに交換してタイムアタックを行ったところ、それまでのタイムを大幅に上回る1分30秒台後半をマーク。これを見たライバル陣営も次々とタイヤ交換を行った結果、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTを除く7台がレインタイヤで走行する展開となりました。彼らは1分37秒台の後半でポールポジション(PP)争いを繰り広げましたが、セッションの終了間際に路面がほんの少しだけ乾き始めたとき、スリックタイヤのまま走行を続けていた塚越選手が猛然とアタック。2番手のライバルを0.3秒ほどしのぐ1分37秒306を記録してPPを獲得しました。Hondaが富士スピードウェイでGT500クラスのPPを獲得したのは、公式戦では2012年第2戦以来のこと。特別戦を含めても2013年JAF-GPの第1レース以来のこととなります。

さらに#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが3番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが4番手となり、Hondaはトップ4に3台のNSX CONCEPT‐GTを送り込むことに成功しました。そして#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTも6番グリッドを手に入れ、明日の決勝レースではSUGO大会に続きNSX CONCEPT‐GTの上位入賞に期待がかかります。

一方、GT300クラスに参戦している#0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)と#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は、Q1を#55 ARTA CR-Z GTがトップ、#0 MUGEN CR-Z GTが2番手で突破。Q2では、#0 MUGEN CR-Z GTが3番手、#55 ARTA CR-Z GTが4番手に入り、いずれもセカンドローから翌日の決勝レースに挑むことが決まりました。

10日(日)は午前9時から30分間にわたってフリー走行を行ったあと、午後3時に66周、300kmで競われる決勝レースのスタートが切られます。

コメント

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
「今日はドライで行われた公式練習からNSX CONCEPT‐GTが速かったので、期待をもって予選に臨みました。SUGO大会で投入した冷却対策、そして新しいスペックのエンジンが効果を発揮しているものと考えられます。#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTがポールポジションを獲得できたのは、ウエットコンディションのなか、スリックタイヤで走り続けるようドライバーに指示した金石勝智監督の好判断によるところが大きかったと思います。一方で、#8 ARTA NSX CONCEPT-GT、#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの3台にもポールポジションを獲得できる実力はありましたが、ほんのわずかなタイミングのずれでそのチャンスを逃してしまいました。また、今日の走行でNSX CONCEPT‐GTのストレートスピードが高いことも確認できたので、明日はこのスピードを生かし、優勝を目標にして全力で戦っていくつもりです」

塚越広大(ポールポジション #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「ポールポジションを獲得できてうれしいです。濡れた路面で難しかったですが、この状況で強さを見せられたので、いいチームになったなと思います。Q2ではドライかウエットか難しい選択となりましたが、周りのチームがピットに入っていく中で金石勝智監督が自分を信じてくれて、『このまま(スリックタイヤのまま)でいく』と言ってくれたので、安心して攻めることができました。最後の1周だけ少し路面が乾いてくれたのでプッシュしたのですが、ポールタイムが出てよかったなと思います。明日は雨が強く降りそうですが、今日獲得したトップのポジションを守りきって、NSX CONCEPT-GT初のウイナーになれるようにがんばります」

金石年弘(ポールポジション #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「正直、ポールポジションが取れるとは思っていませんでしたが、塚越選手と金石監督の判断がすばらしく、それが当たったのかと思います。朝の公式練習からマシンの調子がよく、タイムには出ていませんでしたが、いい感触をつかんで予選に挑みました。自分が担当したQ1ではいろいろと問題を抱えたものの、7番手でなんとか突破できました。その問題点は塚越選手にも伝え、あとは任せていました。塚越選手がいい仕事をしてくれましたし、チームに感謝しています。前戦のSUGO大会でもいい形で終わっていますし、ポールポジションからのスタートというアドバンテージを生かし、チーム一丸となってがんばりたいと思います」

ヴィタントニオ・リウッツィ(3番手 #8 ARTA NSX CONCEPT-GT)
「Hondaとチームが開発に取り組んでくれた結果、SUGO大会と比べてもマシンの状態はさらに改善されています。おかげで、とてもいい予選になりました。私もレインタイヤでいくべきか、スリックタイヤでいくべきかで悩みましたが、チームと相談し、レインタイヤに交換してリスクを回避することにしました。ただし、3番グリッドからスタートできるのですから、決して悪い展開ではありません。明日は表彰台、さらには優勝を目指してレースに挑みます」

松浦孝亮(3番手 #8 ARTA NSX CONCEPT-GT)
「3カ月前の第2戦で自分たちが富士で走ったときとは別物のマシンになっていましたし、公式練習からそのポテンシャルは感じていました。自分が担当したQ1では、1回のミスで敗退か上位進出かが変わってしまうくらいタイム差が少ない争いでしたが、その中でうまくタイムが出せてQ2進出を果たせたのは、よかったです。Q2でもトニオ(リウッツィ選手)ががんばってくれて、自分たちとしては上出来だと思いますが、ポールポジションも見えていただけに、悔しさもあります。明日はウエットレースになると思いますが、前戦のSUGO大会では足元をすくわれてトップ争いから脱落しただけに、そのような事が無いように自分たちでレースをコントロールできるようにがんばりたいです。ウエットコンディションはトニオも速いので期待できますし、まずはレースができることを祈って、できるだけの準備をしたいと思います」

小暮卓史(4番手 #100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT)
「マシンのパフォーマンスは高かったですし、ポールポジションが取れてもおかしくなかったのですが、最後の周回で路面が乾いてしまい、マシンのピークとタイミングが合いませんでした。仕方ないですが、悔しいです。明日は雨の予報ですが、スタートからガンガン攻め、優勝を狙ってがんばります」

武藤英紀(4番手 #100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT)
「練習走行時とセットを変えてQ1に臨みましたが、個人的にはフィーリングが合わせづらいマシンとなってしまいました。何とかQ1を突破でき、Q2ではセッティングを微調整して小暮選手がミスなくまとめてくれましたが、このような難しいコンディションでは運もあるので、今日の順位は仕方ないかと思います。明日も雨の予報ですが、セカンドローは雨の影響を考えると悪いポジションではないと思うので、攻めて表彰台を狙いたいと思います」

予選リザルト

GT500
順位 No. マシン ドライバー タイム
1 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越広大/金石年弘 1'37.306
2 23MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/R.クインタレッリ 1'37.636
3 8 ARTA NSX CONCEPT-GT ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮 1'37.822
4 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 小暮卓史/武藤英紀 1'37.857
5 39DENSO KOBELCO SARD RC F 石浦宏明/O.ジャービス 1'38.151
6 18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ 1'38.723
 
11 32 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋大祐/ベルトラン・バゲット 1'30.581
GT300
順位 No. マシン ドライバー タイム
1 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 佐々木孝太/井口卓人 1'38.256
2 31 OGT Panasonic PRIUS 新田守男/嵯峨宏紀 1'38.414
3 0 MUGEN CR-Z GT 中山友貴/野尻智紀 1'38.641
4 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 1'38.733
5 3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹/L.オルドネス 1'38.971
6 30 IWASAKI apr GT-R 岩崎祐貴/影山正美 1'39.136