GT300クラスには、#16 MUGEN CR-Z GTがTEAM無限から途中参戦し、2戦目でポールポジション(PP)を獲得、3戦目には表彰台登壇と、デビューイヤーとは思えない走りを披露しました。
2012年2月、Hondaは(株)M-TECとの共同プロジェクトのもと、TEAM無限として、レーシングハイブリッドシステムを搭載したCR-Zで、第4戦SUGOよりGT300クラスに参戦することを発表。ドライバーには、インディカー・シリーズやSUPER GTのGT500クラスに参戦経験のある武藤英紀選手と、前年からフォーミュラ・ニッポンに参戦している中嶋大祐選手が起用されました。
#16 MUGEN CR-Z GTのデビュー戦となった第4戦SUGO、予選のQ1でいきなり7番手のタイムをマークして、Q1の上位10台で争われるスーパーラップに進出。決勝では路面温度46℃という過酷な状況にもかかわらず、デビュー戦ながら完走を果たしました。
続く第5戦鈴鹿では、デビュー2戦目にしてそのポテンシャルを存分に発揮します。予選1回目を2番手、予選2回目を4番手と、前戦を上回る速さをみせた#16 MUGEN CR-Z GTは、予選3回目でコースレコードを更新する2分2秒130をマークして2番手につけます。さらに、予選後の裁定により、デビュー2戦目にしてPP獲得という快挙を達成しました。
そして迎えた第6戦富士では、武藤選手の巧みなドライビングで、トップとわずか0.348秒差で3番グリッドを獲得。決勝はスタートから順調に周回を重ね、53周目には先行車両を抜いて2番手に浮上するなど、優勝争いを繰り広げます。最終的に3位でチェッカーを受け、デビュー3戦目、実戦投入からわずか1カ月で表彰台に上がり、強烈な印象を残しました。
第7戦は初めてとなる雨の中でのレースとなりますが、ウエットな路面状況でも堅実な走りをみせます。そして予選よりもポジションを2つ上げてチェッカーを受け、2戦連続でポイントを獲得しました。
前戦と同じくウエットコンディションとなった第8戦でも、#16 MUGEN CR-Z GTは安定したペースで走り続け、5戦連続の完走。途中参戦ながら上位陣に食らいつき、インパクトを残してシーズンを終えました。
なお、#16 MUGEN CR-Z GTは、シーズン終了後に行われたJAFグランプリ富士スプリントカップでも、決勝1日目で2位、2日目は7位に入り総合3位を獲得。来季の飛躍が期待できる結果となりました。
ドライバー
順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 911 | 峰尾恭輔/横溝直輝 | ENDLESS TAISAN 911 | 82 | 15 | 3 | 15 | 6 | 8 | 15 | 20 | |
2 | 33 | 影山正美/藤井誠暢 | HANKOOK PORSCHE | 75 | 6 | 20 | 8 | 6 | 20 | 11 | 4 | |
3 | 66 | 吉本大樹/星野一樹 | triple a vantage GT3 | 73 | 11 | 11 | 25 | 20 | 6 | |||
4 | 3 | 千代勝正 | S Road NDDP GT-R | 53 | 8 | 20 | 18 | 2 | 5 | |||
5 | 0 | 谷口信輝/片岡龍也 | GSR 初音ミク BMW | 52 | 11 | 20 | 4 | 3 | 6 | 8 | ||
6 | 3 | 関口雄飛 | S Road NDDP GT-R | 51 | 8 | 20 | 18 | 5 | ||||
15 | 16 | 武藤英紀/中嶋大祐 | MUGEN CR-Z GT | 12 | 11 | 1 |
チーム
順位 | チーム | 総合 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Team TAISAN ENDLESS | 103 | 18 | 6 | 18 | 9 | 11 | 18 | 23 | |
2 | HANKOOK KTR | 94 | 9 | 23 | 11 | 7 | 23 | 14 | 7 | |
3 | A speed | 89 | 1 | 14 | 14 | 28 | 23 | 9 | ||
4 | GSR&Studie with TeamUKYO | 73 | 14 | 23 | 3 | 7 | 6 | 9 | 11 | |
5 | NDDP RACING | 71 | 1 | 1 | 11 | 23 | 21 | 5 | 1 | 8 |
6 | GAINER | 65 | 23 | 9 | 7 | 8 | 9 | 7 | 1 | 1 |
14 | チーム無限 | 23 | 1 | 1 | 14 | 4 | 3 |
生年月日:1982年10月6日
国籍:日本(東京都出身)
身長:172cm
体重:64kg
血液型:AB型
趣味:テニス、ドライブ、ダーツ
URL:http://www.hidekimutoh.com/
1995年にカートでモータースポーツ活動を開始、中学卒業とともに単身渡英してフォーミュラ・ボクスホール・シリーズに挑みました。2002年に帰国して、フォーミュラドリームに参戦。翌03年にチャンピオンを獲得し、04〜05年は全日本F3選手権を走り、06年はフォーミュラ・ニッポンとSUPER GTで戦いました。
07年に渡米し、インディカー・シリーズへの登竜門カテゴリーであるインディ・プロ・シリーズへの参戦を開始。ルーキーながら優勝2回、ポールポジションも2回獲得、ランキング2位の好成績を収めて、最終戦シカゴランドでは早くもインディカー・シリーズへのデビューを果たしました。08年は日本人最高位(2位)を更新し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。09年、2010年は苦戦を強いられ11位、18位に終わりました。
11年は心機一転、SUPER GTシリーズに復帰。12年は自らが開発を務めるハイブリッドスポーツ「CR-Z」を駆り、SUPER GTシリーズのGT300クラスで、総合15位を獲得しました。
1998 | デビュー戦 |
---|---|
2000 | イギリス・フォーミュラ・フォード 9位 |
2001 | イギリス・フォーミュラ・フォード 9位、 ヨーロッパ・フォーミュラ・フォード 3位 |
2002 | フォーミュラドリーム 2位 |
2003 | フォーミュラドリーム チャンピオン |
2004 | 全日本F3選手権 9位 |
2005 | 全日本F3選手権 3位 |
2006 | SUPER GT GT500 11位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得)、フォーミュラ・ニッポン 14位 |
2007 | インディ・プロ・シリーズ 2位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得) |
2008 | インディカー・シリーズ 10位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得) |
2009 | インディカー・シリーズ 11位 |
2010 | インディカー・シリーズ 18位 |
2011 | SUPER GT GT500 15位 |
2012 | SUPER GT GT300 15位 |
生年月日:1989年1月29日
国籍:日本(愛知県出身)
身長:166cm
体重:58kg
血液型:A型
趣味:運動、写真、食事
URL:http://www.daisuke-nakajima.com/
ジュニアカートを経て、2004年より全日本カート選手権に参戦し、04年はICAクラスランキング6位、05年はICAクラスランキング4位。06年に鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)に入校すると、成績優秀者としてスカラシップを獲得しました。
07年よりフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に参戦。第4戦富士と第9戦鈴鹿、第11戦富士の3戦で優勝し、ランキング5位となりました。08年は全日本F3選手権にステップアップを果たしてランキング9位。09年、10年は英国F3選手権に挑戦し、表彰台を計5回獲得する活躍を見せました。
そして、11年よりNAKAJIMA RACINGからフォーミュラ・ニッポンに参戦し、ランキング13位。12年は、引き続きフォーミュラ・ニッポンに参戦するとともに、ハイブリッドスポーツ「CR-Z」で、SUPER GTシリーズGT300クラスに第4戦から参戦し総合15位。シーズン終了後に終了後に開催されたJAFグランプリ富士スプリントカップの決勝1日目で2位を獲得しました。
2004 | 全日本カート選手権 ICAクラス 6位 |
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2005 | 全日本カート選手権 ICAクラス 4位 |
2006 | 鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F) スカラシップ獲得 |
2007 | フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ) 5位 |
2008 | 全日本F3選手権 9位 |
2009 | 英国F3選手権 7位 |
2010 | 英国F3選手権 11位 |
2011 | フォーミュラ・ニッポン 13位 |
2012 | SUPER GT GT300 15位 |