モータースポーツ > 全日本スーパーフォーミュラ選手権 2017 > OVERTAKE > 第1部 2016年GP2王者 ピエール・ガスリー
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OVERTAKE

第1部2016年GP2王者

ピエール・ガスリー

「シーズン前半の結果については、まったく満足していない」と語るピエール・ガスリー選手。
初めての日本、初めてのスーパーフォーミュラに戸惑いながらも、初戦、2戦と着実に表彰台への距離を縮めつつある2016シーズンのGP2チャンピオンが目指すのは、この地でのタイトル獲得。そしてその先に見据えた、F1参戦への熱意と自信。

“未知のレース、スーパーフォーミュラ”

―― 開幕2連戦が終わり、第3戦を迎えようとしています。これまでスーパーフォーミュラで得られた手応えについてお聞かせください。

ピエール・ガスリー(以下、PG):シーズン前に行ったテストはとても順調で、素晴らしい結果が得られました。そこで大きな期待を抱いて開幕戦の鈴鹿大会に臨みましたが、このときは小さな問題があったせいで思うような結果を残せませんでした。これはタイヤと温度が特定の関係になったときに起きるもので、第2戦岡山国際大会ではいくぶん改善されたものの、まだ完全に解決したとはいえません。第2戦から第3戦富士大会までは1ヶ月半ほどのインターバルがあったので、この間にチームが問題を解決してくれたことを期待しています。

―― 日本のレースを戦ってどんな印象を持ちましたか?

PG:シーズン当初は、スーパーフォーミュラというレースシリーズやこれまで走ったことのないサーキット、日本という未知の国で生活するなど、学ばなければいけないことがたくさんあり、苦労した部分もありましたが、いまは少しずつ進歩して、徐々によくなってきています。

―― 特に難しかったのは、どのようなことですか?

PG:コミュニケーションですね。やはり英語と日本語という言葉の問題があるので、とても難しかったと思います。そこでチームと僕の間でコミュニケーションを改善する方法を考えました。おかげで、鈴鹿と岡山の間にもずいぶんよくなりました。とはいえ、ヨーロッパのチームとヨーロッパのレースを戦っているようには、なかなかいきませんね。

  • コミュニケーションは改善されつつある

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  • 富士では5位入賞を果たす

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“将来に繋がる経験”

―― スーパーフォーミュラのマシンについては、どんな印象をお持ちですか?

PG:とても走らせがいのあるマシンで、特に高速コーナーでのポテンシャルは非常に高いと思います。おかげでコーナリング中にドライバーが受ける横Gはとても大きく、ドライバーは身体をしっかりと鍛えていなければいけません。もっとも、僕は日本にくる以前にGP2に参戦していたころからトレーニングに励んできましたし、いまも毎日トレーニングしています。将来F1にステップアップするためにも、身体を鍛えることはとても重要だと考えていますが、いまのところまったく問題はありません。

―― スーパーフォーミュラのレースフォーマットに関しては、どのように捉えていますか?

PG:とてもいいと思います。特に、予選がF1と同じQ1、Q2、Q3の3段階に分かれていることが大切です。1時間を越えるレースの長さもとてもいいと思います。これはGP2より長く、F1に近いものです。いずれも、僕の将来にきっと役立ってくれるはずです。

―― 昨年まで戦っていたGP2とは、どんな違いがありますか?

PG:スーパーフォーミュラはタイヤのデグラデーション(周回を重ねることで起きる性能の低下)がとても小さいので、レースではスタートからフィニッシュまでずっとプッシュできます。たとえば岡山では、僕は15周を過ぎてからファステストラップを記録していますが、これはデグラデーションの大きなGP2では絶対に起こりえないことです。このためGP2ではレース中にタイヤをセーブすること、つまりタイヤ・マネージメントがとても重要になります。

―― 毎周プッシュして走り続けられることは、将来のF1参戦の際にも役に立つのではありませんか?

PG:そういう側面もあるとは思いますが、完全に一致しているとはいえません。なぜなら、F1ではハードにプッシュすることもできますが、タイヤ・マネージメントもある程度、必要になるからです。スーパーフォーミュラはずっと全開で走れますが、GP2はタイヤ・デグラデーションが極端に大きい。F1はその中間に位置しています。いずれにしても、ここでの経験が役に立つことは間違いありません。

  • F1に近い環境でのレース

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  • タイヤ性能は全くの別物と語る

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“ライバルは全員”

―― 昨年、スーパーフォーミュラに参戦したストフェル・バンドーン選手とガスリー選手は、GP2に参戦する以前から同じ時期に同じレースシリーズを戦っていたレース仲間と聞いています。バンドーン選手からスーパーフォーミュラについてなにか話を聞いたことはありますか?

PG:はい、彼にはいろいろなことを教えてもらいました。彼もスーパーフォーミュラは好きだと言っていましたが、クルマの特性がややトリッキーで、自分がいまなぜ速いのか、もしくはなぜ遅いのかが把握できないことがあるといっていました。あとは正しくセッティングするのが難しく、コミュニケーションのスタイルがヨーロッパとは少し異なるけれど、とにかく全力で戦えば大丈夫なはずと励ましてもらいました。

―― いま、ガスリー選手にとってのライバルは誰ですか?

PG:19人のドライバー全員ですね(笑)。スーパーフォーミュラにはとてもいい選手がたくさん揃っています。ただし、まずはいま自分が抱えている問題を解消することに集中したいと思います。自分がトップに立てたら、その次にライバルについて考えることにします。

―― チームメイトの山本尚貴選手については、どのような印象を持っていますか?

PG:経験が豊富で、とてもいいドライバーだと思います。彼のようなドライバーが間近にいてくれることは、僕にとってとても重要です。しかも、山本選手はとても速い。僕たちは一緒に仕事をしているので、彼がセッティングの正しい方向性を見つけて、僕たちがよりコンペティティブになることを期待しています。

  • マシンをベストな状態に導く

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  • 速い選手が揃うスーパーフォーミュラ

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“誰にも負けないドライバーに”

―― シーズン後半戦に向けての意気込みを聞かせてください。

PG:繰り返しになりますが、まずは自分自身の問題を解決してコンペティティブになりたい。富士は、これまでホンダがあまり得意としてこなかったサーキットですが、ここでも最高の結果を残せるように最大限、努力します。これに続くツインリンクもてぎとスポーツランドSUGOは、チャレンジングでとても興味深いサーキットで、これまでホンダが優勢を保ってきたサーキットともいえます。いずれにしても、1戦1戦を全力で戦い、早い段階でいい成績を残したいと思っています。シーズン前半の結果については、まったく満足していませんので。

―― 最後に、ガスリー選手のドライバーとしての目標を教えてください。

PG:誰にも負けないドライバーになりたい。それが目標です。この目標に向けて、毎日一生懸命努力しています。ドライバーとしての長期的な目標は、やはりF1でワールドチャンピオンに輝くことですね。でも、いまはスーパーフォーミュラに集中しています。そのために1戦1戦を大切に戦っていますし、レースウィークにはまずプラクティス、次に公式予選、続いて決勝レースとひとつひとつ気持ちを切り替えながら戦いに挑んでいます。今後も、自分がよりよい形でシリーズを戦えるよう、ひとつひとつ積み重ねながら努力を続けていくつもりです。

  • 1戦1戦を全力で

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  • 目標はF1でワールドチャンピオン

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7月7日 富士スピードウェイにて

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