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2016.02.27-28 スーパーバイク世界選手権 開幕戦 オーストラリア オーストラリア

[WSB]ファン・デル・マーク、2レース連続で表彰台獲得。ヘイデンも9位/4位と表彰台獲得に迫る

[WSS]ジェイコブセンが5位でフィニッシュ

2016年2月27日(土)〜28日(日)  会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:27日/曇り、28日/曇りのち晴れ  気温:27日/22℃、28日/22℃
コースコンディション:27日/ドライ、28日/ドライ  観客:3万1312人

WSB レポート

2016年のスーパーバイク世界選手権が、オーストラリアのメルボルン近郊にあるフィリップアイランドで開催されました。雲が多く、一日に何度も小雨が降る不安定な天候でしたが、ほぼドライコンディションで行われました。

スーパーバイク世界選手権には、Honda World Superbike Teamから2年目のシーズンを迎えるマイケル・ファン・デル・マークに、MotoGPの06年チャンピオンのニッキー・ヘイデンが加わり、強力な布陣となりました。今年は、開幕前に行われた公式テストで、ファン・デル・マークとヘイデンが、ともに好調な走りを見せ、開幕Vの期待が寄せられました。

その期待は、金曜日のフリー走行を終えた時点で現実味を帯びてきました。ファン・デル・マークが2番手でスーパーポールに進出して、6番グリッドを獲得。6番手でスーパーポールに進出したヘイデンも7番グリッドを獲得。ともに優勝を狙える位置から決勝に挑むことになりました。

マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク

マイケル・ファン・デル・マーク(左)マイケル・ファン・デル・マーク(左)

今年から、土曜日にスーパーポールと第1レース、日曜日に第2レースが行われます。そして迎えた第1レースでは、カワサキ勢のトム・サイクス、ジョナサン・レイ、ドゥカティ勢のダビデ・ジュリアーノ、チャズ・デイビス、ヤマハ勢のシルバン・ギュントーリ、アレックス・ロウズの6人にHonda World Superbike Teamの2人が加わり、8台がトップグループを形成し、し烈な戦いとなりました。

ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

終盤には、トップ集団から抜け出したレイ、ジュリアーノ、デイビス、そしてファン・デル・マークが新たなトップ集団を形成。レイ、デイビス、ファン・デル・マークの順で僅差でフィニッシュしました。ヘイデンは、後半になってタイヤの消耗に苦しんで9位でした。

日曜日の第2レースも、第1レースの集団からロウズを除いた7人がトップグループを形成し、し烈な戦いを繰り広げました。後半はファン・デル・マークがトップに立って終盤を引っ張る形となりましたが、終盤にレイにかわされて2位でフィニッシュ。惜しくも初優勝を逃すも、2レース連続で表彰台に立ちました。ヘイデンは、ジュリアーノと最終ラップに激しいバトルを繰り広げ4位。惜しくも、スーパーバイクデビューの表彰台を逃しました。

WSS レポート

スーパースポーツ世界選手権は、今年から予選がスーパーポール方式となりました。決勝はこれまで通り日曜日に行われます。開幕戦は5チーム9台のCBR600RRが出場し、スーパースポーツ世界選手権デビュー戦となるフェデリコ・カリカスロ(Bardahl Evan Bros Honda)が、4番グリッドからトップグループに加わり、2位でフィニッシュ。デビュー戦で表彰台を獲得しました。カリカスロは、過去2年、スーパーストック600に出場していました。レース終盤に小雨が降る難しいコンディションでしたが、積極的な走りで表彰台に立ちました。

パトリック・ジェイコブセンパトリック・ジェイコブセン

パトリック・ジェイコブセンパトリック・ジェイコブセン

2番グリッドから前半トップを走った、優勝候補の一角であるパトリック・ジェイコブセン(Honda World Supersport Team)は、中盤は大混戦の中での激しい抜き合いでリズムを崩し、後半はグリップ不足にも苦戦して5位でフィニッシュしました。開幕戦での表彰台は逃しましたが、今年の優勝候補筆頭のひとりだけに、着実にポイントを獲得。まずまずのスタートとなりました。

今大会がデビュー戦となる大久保光(CIA Landlords Insurance Honda)は、19番グリッドから決勝に挑みましたが、3周目に転倒し、リタイアとなりました。

WSB コメント

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク 3位/2位)

「いいスタートが切れて、トム(サイクス)とジョニー(ジョナサン・レイ)の後ろにつけることができました。序盤はタイヤを温存しようと心がけ、ポジションをキープすることに集中しました。そのうちトムがミスをしたので、結果的に2番手にポジションが上がり、さらに、最終コーナーからストレートにかけてジョニーのスリップストリームに入ってしまい、追い越してしまいました。タイヤの温存のためにもトップには立ちたくなかったのですが、集団が7台と大きかったので、それなら少しちぎろうとペースを上げました。それがうまくいって集団を減らすことに成功しました。しかし、終盤はとても難しい戦いになるだろうと思っていましたし、ジョニーとチャズ(デイビス)が追い越していきました。チャズは一度はジョニーを抜くのですがミスをして後退。それからはジョニーをピタリとマークしようとしたのですが、ミスをしてしまい離されてしまいました。しかし、今日も2位になることができました。マシンはすごくよくなっています。こんなに、すばらしいシーズンのスタートを切ったことがありません」

ニッキー・ヘイデン(スーパーバイク 9位/4位)

「今日はマシンの状態がとてもよかったです。チームに感謝しなければなりません。昨日のレースでは、タイムを安定させるために何をしなければいけないのかということを学べましたし、そのデータを今日は生かすことができました。昨日よりペースはよかったですし、これからに向けて手応えあるレースになりました。今日はレースを楽しむことができました。しかし、トップグループで戦うためには、もう少しスピードが必要でした。最終ラップは(ダビデ)ジュリアーノに抜かれないようにブロックしましたが、10コーナーと11コーナーでミスをして先に行かれてしまいました。抜き返そうとしましたがトラクションコントロールが効いてしまい抜き返すことができませんでした。ラスト2周でトラクションコントロールをオフにしておくべきでした。表彰台に立てず、ちょっとガッカリしています。デビュー戦で表彰台に立てていたら本当によかったのにと思います。今回は本当に多くのことを学びました。次のタイがとても楽しみです」

WSS コメント

フェデリコ・カリカスロ(スーパースポーツ 3位)
「スーパースポーツを走るのは初めてだったので、レースがとても長く感じました。そして、厳しいレースでした。今日はトップグループがすごい集団になり、激しいバトルになりました。最後は全力でプッシュしましたし、100%の力で走りました。表彰台に立てると思っていなかったので、とてもうれしいです」

パトリック・ジェイコブセン(スーパースポーツ 5位)
「いいスタートを切ることができましたし、序盤からフィーリングもよく、(ジュール)クルーゼル(MVアグスタ)といいバトルができました。最初は2人だけの戦いになっていると思ったのですが、後ろに大きなグループができあがっていました。いたるところで接触するという激しいバトルになってしまい、リズムを崩しました。そしてレース後半は、グリップ不足に苦しみました。表彰台に立つことができず本当に残念でした。次のレースに向けてもっといい状態にマシンを改善しなくてはいけないし、それができれば、いい戦いができると確信しています」

大久保光(スーパースポーツ リタイア)
「今回はなにもかもが初めて経験することばかりでしたが、転倒しないように着実にメニューをこなしていきました。目標とするタイムは1分34秒台でした。その目標タイムは達成したのですが、そのタイムでは想定していたトップ10には入れず19番グリッドに終わりました。すごい接戦なので、スタートを決めて追い上げようと思ったのですが、最終コーナーで転倒してしまいました。残念な結果ですが全日本では経験したことのないレベルの高い走りがとても新鮮でしたし、大きな刺激になりました。次のタイでは、この悔しさをぶつけたいです」

WSB リザルト
スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11J.レイカワサキ2233'47.823
27C.デイビスドゥカティ22+0.063
360マイケル・ファン・デル・マークHonda22+0.487
434D.ジュリアーノドゥカティ22+0.647
566T.サイクスカワサキ22+3.429
650S.ギュントーリヤマハ22+3.510
969ニッキー・ヘイデンHonda22+15.534
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11J.レイカワサキ22 33'48.377
260マイケル・ファン・デル・マークHonda22+0.831
334D.ジュリアーノドゥカティ22+1.472
469ニッキー・ヘイデンHonda22+1.511
550S.ギュントーリヤマハ22+2.439
666T.サイクスカワサキ22+3.320
WSS リザルト
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
121R.クルメンナッハカワサキ1828'34.745
264フェデリコ・カリカスロHonda18+2.747
313A.ウェストヤマハ18+2.761
411C.ガマリノカワサキ18+2.917
52パトリック・ジェイコブセンHonda18+3.200
625 A.バルドリーニMVアグスタ18+3.545
1268グレン・スコットHonda18+18.334
1448アレックス・フィリスHonda18+38.311
1681ルーク・ステープルフォードHonda18+39.012
2035ステファン・ヒルHonda18+1'14.210
RT78大久保光Honda2+16Laps
RT111カイル・スミスHonda1+17Laps
WSB ポイントランキング
ライダー
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
- 1 1 J.レイカワサキ 50
- 2 60 マイケル・ファン・デル・マークHonda 36
- 3 34 D.ジュリアーノドゥカティ 29
- 4 7 C.デイビスドゥカティ 26
- 5 50 S.ギュントーリヤマハ 21
- 6 66 T.サイクス カワサキ 21
- 7 69 ニッキー・ヘイデンHonda 20

ランキング詳細

マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
-1カワサキ 50
-2Honda 36
-3ドゥカティ 36
-4 ヤマハ 21
-5 BMW 17
-6MVアグスタ 9
-7アプリリア 7

ランキング詳細

WSS ポイントランキング
ライダー(スーパースポーツ)
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-1 21 R.クルメンナッハカワサキ25
-2 64 フェデリコ・カリカスロHonda20
-3 13 A.ウェストヤマハ16
-4 11 C.ガマリノカワサキ13
-5 2 パトリック・ジェイコブセンHonda11
-6 25 A.ルドリーニMVアグスタ10
           
-12 68 グレン・スコットHonda4
-14 48 アレックス・フィリスHonda2

ランキング詳細

マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
-1カワサキ25
-2Honda20
-3ヤマハ16
-4MVアグスタ10

ランキング詳細

WSB

マイケル・ファン・デル・マーク

マイケル・ファン・デル・マーク(左)

ニッキー・ヘイデン

ニッキー・ヘイデン

WSS

パトリック・ジェイコブセン

パトリック・ジェイコブセン