2012年7月22日(日)・決勝 会場:ブルノ・サーキット 天候:雨/晴れ 気温:第1レース(17℃)、第2レース(19℃)
コースコンディション:ウエット/ドライ
第9戦チェコ大会決勝は、予選6番手から決勝に挑んだジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)が、第1レースですばらしい走りを見せましたが、惜しくも転倒、表彰台には、あと一歩届きませんでした。
朝方から断続的に雨が降った決勝日。第1レースは、スタート進行が始まったときはフルウエットでしたが、グリッドについたころから青空がのぞき、路面はどんどん乾いていきました。そのため、ほとんどの選手がスリックタイヤを選択します。ライン上はドライになるも、路面のほとんどがウエットだった序盤。オープニングラップ7番手と慎重なスタートを切ったレイは、トップ集団の中で着実に順位を上げました。
そして、中盤以降は、マルコ・メランドリ(BMW)、トム・サイクス(カワサキ)、カルロス・チェカ(ドゥカティ)と激しくポジションを入れ替えながら、し烈な優勝争いを繰り広げました。しかし、ラスト2周でサイクスをパスして2番手に浮上しようとした際、サイクスとラインが交錯して接触、惜しくも転倒リタイアに終わりました。
第2レースは、気温も路面温度もやや上がり、完全なドライコンディション。第1レースの雪辱に闘志を燃やしたレイでしたが、路面コンディションの変化にセッティングを合わせきれずに苦戦。オープニングラップからペースを上げられず12位でフィニッシュしました。
チームメートの青山博一(Honda World Superbike Team)は、予選18番手から追い上げのレースに自信を見せていました。しかし、第1レースは、17番手を走行していた11周目の1コーナーで、後方で転倒したマシンに接触されるアクシデントで転倒リタイア。第2レースは、5周目の1コーナーでエンジンがストップしてレースを終了しました。不運のレースとなった青山。2日目の予選とフリー走行でマシンのセットアップが進んでいただけに、残念な一日となりました。
今大会、残念な結果に終わったHonda World Superbike Teamの両選手ですが、鈴鹿8時間耐久ロードレース(7月29日決勝)に向けて日本へ。ともに優勝候補のチームから出場するだけに、鈴鹿では世界の走りを見せる意気込みです。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、ドライコンディションで行われ、予選4番手から好スタートを切ったブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が、ケナン・ソフォーグル(カワサキ)とし烈な2位争いを繰り広げて3位でフィニッシュ。前戦スペイン大会から2連勝を狙ったサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)は、序盤にペースを上げられず、それが影響して悔しい4位に終わりました。
予選2番手から今季4回目の表彰台を狙ったジュール・クルゼール(PTR Honda)は、グリップに苦しんで5位。予選7番手のローナン・クォーンビー(PTR Honda)は、14周目に転倒。コース上にマシンとライダーが残ったことからレースは赤旗中断となり、18周のレースは13周で成立しました。クォーンビーのリザルトは6位となりました。
WSSは、8戦を終えて、ロースが総合2位、クルーゼルが4位、パークスが5位。残り5戦で逆転チャンピオンを狙います。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク リタイア/12位)「フラストレーションのたまる週末でした。ここは大好きなサーキットの1つで、いいリザルトを期待していました。しかし、今年は昨年までとはなにもかもが違いました。フリー走行、予選と一生懸命がんばりましたし、第1レースでは、かなりいいところを走ることができました。コンディションがどうなるか最初は予想ができませんでしたが、次第にリズムとペースを見つけ、トップ争いに加わることができました。トム・サイクスがはらみ、彼を抜こうとインサイドに入ったとき、彼が戻ってきて押されてしまいました。表彰台のポジションにいたので残念です。第2レースはスタートからなにかがおかしくて、リアのグリップがありませんでした。タイヤの問題なのか、これからデータを見直して確認しなければなりません。加速するときのエッジグリップが全くなくて苦戦しました。ライディングスタイルを変えてなんとかしようとしましたが、12位に入るのが精一杯でした。思っていたような結果を残せず、非常に残念です。この数戦は優勝できるパッケージがあると感じていたのですが、今週末は明らかに平均点以下でした」
青山博一(スーパーバイク リタイア/リタイア)「いい日曜日にはなりませんでした。第1レースではほかのライダーが僕に当たってきて、一緒に転倒してしまいました。第2レースはコンディションがよかったので、ポジションを上げるために少し試したいことがありました。しかし、4周目を終えて、第1コーナーでマシンがストップしてしまいました。結局、なにもすることができませんでした。残念なレースになりましたが、昨日はポジティブなフィーリングがあったので、今後いい方向になることを願っています。次は鈴鹿8耐にいくので、シルバーストーンに戻ってきたときはもっと強くなっていることを願っています」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 3位)「とてもうれしいです。優勝争いができるマシンを用意してくれたチームのみんなに、まず感謝したいです。今日のようなポジションが自分の望んでいたものでした。しかし、最後のバトルのために少しセーブしていたので、終盤、赤旗が出たことが少し残念です。まだタイヤはとてもいい状態でした。今日は自信が回復しましたし、とてもうれしく感じています。表彰台に上がれたこと、優勝争いができたことは、とても重要です。これからも、この調子でがんばりたいです」
サム・ロース(スーパースポーツ 4位)「少し変なレースでした。スタートがよくなく、そのあとチームメートのクルーゼルとバトルになりました。彼をパスして、トップグループに追いつこうとしたのですが、とても追いつける距離ではありませんでした。なので落ち着いてポイントを獲得することにしました。今回は残念でしたが、チャンピオンシップではまだ2位なので、あきらめずにがんばりたいです。ブルノはあまり得意なサーキットではないので、次のホームレースであるシルバーストーンに気持ちを切り替えたいです。残りのレースは、すべてケナンの前でフィニッシュできるようにがんばりたいです」
ジュール・クルーゼル(スーパースポーツ 5位)「大変なレースでしたが、5位でフィニッシュしてポイントを獲得できてよかったです。スタートから思ったようなグリップがありませんでした。リーダーたちについていくためにベストを尽くしました。5位という順位には満足していませんが、力を出しきったという点では満足しています」
ローナン・クォーンビー(スーパースポーツ 6位)「チームメートたちとのトップ6争いは、とても楽しかったです。しかし、突然転倒してしまいました。どうして転倒したのかわかりませんが、背中を痛めてしまいました。とても痛むので、念のためこれから医者に診てもらうことにしました」
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | M.メランドリ | BMW | 20 | 41:59.808 |
2 | T.サイクス | カワサキ | 20 | +1.360 |
3 | L.バズ | カワサキ | 20 | +1.948 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 20 | +2.494 |
5 | E.ラバティ | アプリリア | 20 | +3.832 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +7.139 |
17 | ヴィクトル・キスパタキ | Honda | 17 | +3Laps |
RT | ジョナサン・レイ | Honda | 18 | +2Laps |
RT | 青山博一 | Honda | 10 | +10Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | M.メランドリ | BMW | 20 | 40:12.837 |
2 | T.サイクス | カワサキ | 20 | +0.140 |
3 | C.チェカ | ドゥカティ | 20 | +6.801 |
4 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +9.840 |
5 | E.ラバティ | アプリリア | 20 | +11.775 |
6 | C.デイビス | アプリリア | 20 | +11.950 |
12 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | +29.254 |
18 | ヴィクトル・キスパタキ | Honda | 20 | +1:41.325 |
RT | 青山博一 | Honda | 4 | +16Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | F.フォーレ | カワサキ | 13 | 27:02.236 |
2 | K.ソフォーグル | カワサキ | 13 | +0.128 |
3 | ブロック・パークス | Honda | 13 | +0.434 |
4 | サム・ロース | Honda | 13 | +4.650 |
5 | ジュール・クルーゼル | Honda | 13 | +7.725 |
6 | ローナン・クォーンビー | Honda | 13 | +11.384 |
12 | ガボール・タルマクシ | Honda | 13 | +19.037 |
14 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 13 | +24.905 |
16 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 13 | +32.401 |
17 | バラージュ・ネメス | Honda | 13 | +32.696 |
19 | イムレ・トース | Honda | 13 | +36.772 |
23 | マーティン・ジェソップ | Honda | 13 | +1:13.516 |
RT | マシュー・ショルツ | Honda | 12 | +1Lap |
RT | ロバート・タンブリーニ | Honda | 9 | +4Laps |
RT | マッシモ・ロッコリ | Honda | 4 | +9Laps |
RT | パウェル・スコペック | Honda | 2 | +11Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | M.ビアッジ | アプリリア | 271.5 |
2 | M.メランドリ | BMW | 250.5 |
3 | T.サイクス | カワサキ | 212.5 |
4 | C.チェカ | ドゥカティ | 204.5 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 187 |
6 | L.ハスラム | BMW | 160 |
17 | 青山博一 | Honda | 37.5 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | BMW | 292 |
2 | アプリリア | 290 |
3 | ドゥカティ | 276.5 |
4 | カワサキ | 218.5 |
5 | Honda | 193 |
6 | スズキ | 72.5 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ソフォーグル | カワサキ | 137 |
2 | サム・ロース | Honda | 114 |
3 | F.フォーレ | カワサキ | 108 |
4 | ジュール・クルーゼル | Honda | 95 |
5 | ブロック・パークス | Honda | 82 |
6 | S.モライス | カワサキ | 62 |
8 | ローナン・クォーンビー | Honda | 54 |
10 | ロバート・タンブリーニ | Honda | 39 |
14 | ロレンソ・ランツィ | Honda | 25 |
16 | マッシモ・ロッコリ | Honda | 18 |
18 | イムレ・トース | Honda | 16 |
20 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 14 |
22 | バラージュ・ネメス | Honda | 13 |
23 | ガボール・タルマクシ | Honda | 12 |
25 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | 10 |
29 | ルーカス・ペセック | Honda | 6 |
30 | トーマス・カイアーニ | Honda | 4 |
32 | パトリック・ジェイコブセン | Honda | 3 |
35 | キーラン・クラーク | Honda | 2 |
36 | マシュー・ショルツ | Honda | 2 |
38 | マーティン・ジェソップ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 176 |
2 | Honda | 172 |
3 | トライアンフ | 83 |
4 | ヤマハ | 66 |
5 | スズキ | 6 |