2012年6月29日(金)、30日(土)・フリー走行、予選 会場:モーターランド・アラゴン 天候:晴れ
気温:29日/37℃、30日/34℃ コースコンディション:ドライ
後半戦のスタートとなる第8戦スペイン大会が、モーターランド・アラゴンで開幕し、6月29日、30日の2日間、フリー走行と予選が行われました。同時期の開催ですが、昨年は雲が多く、それほど気温は上がりませんでした。しかし、今年は雲ひとつない快晴が続き、フリー走行、予選ともに、厳しい条件となりました。初日の予選は最高気温が37℃を記録、路面温度が60℃まで上昇するという厳しさ。2日目の予選は、やや気温が下がって34℃でしたが、タイヤはもちろんのこと、マシンにもライダーにも厳しい気象条件となりました。
今大会は23台が出場。昨年、ケガのためにスペイン大会を欠場しているジョナサン・レイ(Honda World Superbike Team)は、モーターランド・アラゴン初体験となりました。そのため、初日の予選は14番手でしたが、2日目2回目の予選では、約2秒もの大幅なタイム短縮を果たし、11番手でスーパーポール進出を果たしました。そして16台が出場したSP1では9番手、12台で行われたSP2では7番手、8台で繰り広げられたSP3では6番手に浮上。コース攻略を果たすにつれて、タイムもポジションも上げる2日間となりました。
ライバル勢は、今大会の直前に、モーターランド・アラゴンで事前テストを実施して、レースに挑んでいます。Honda World Superbike Teamは、前戦サンマリノ大会のあと、チームの本拠地であり、データが豊富にあるオランダのアッセンでテストを行い、後半戦のスタートに挑みました。初日の走行を終えた時に、レイは「昨年までのデータがあまり役に立たなかった」と語っていましたが、7戦を終えて総合2位、チャンピオン争いをするレイのこの2日間のデータは、チームにとっても、とても有意義なものになりました。
チームメートの青山博一は、MotoGPで経験のあるサーキットですが、今季は車体のセットアップに苦戦、今大会も思うようにタイムを上げることができませんでした。1回目の予選では18番手で、2日目の予選は、レイと同様に約2秒タイムを短縮しましたが、全体的にタイムが上がったために18番手は変わりませんでした。今大会もスーパーポール進出を逃して18番グリッドが確定し、決勝では追い上げのレースに挑みます。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、アメリカ大会がカレンダーに組み込まれていないため、今大会が7戦目となり、30台が出場しました。スーパーバイク同様、厳しい気象条件の中でフリー走行と予選が行われ、第4戦イタリアで初優勝、第5戦イギリス大会で3位、第6戦サンマリノ大会で2位と、3戦連続で表彰台に立って好調なジュール・クルーゼル(PTR Honda)が、2戦ぶり2回目のポールポジションを獲得しました。
以下、今季4度のPPを獲得しているサム・ロース(Bogdanka PTR Honda)が5番手、ブロック・パークス(Ten Kate Racing Products)が6番手と、2列目を確保しました。前戦サンマリノ大会で、転倒再スタートを切って18位と悔しいレースに終わっているロースは、今大会、その雪辱に燃えています。パークスも開幕戦オーストラリア大会で表彰台に立って以来、フラストレーションのたまるレースが続いているだけに、追い上げのレースに挑みます。
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 6番手) 「ここは初めて走るサーキットなので、こうして6番手までポジションを上げられてうれしいです。昨日の予選では、少しトラブルがあって、セッションの半分くらいを無駄にしましたが、その問題も解決することができてよかったです。SP3に進出するのが今回の自分の目標でした。1コーナーが左コーナーなので、6番手というグリッドの位置も悪くないです。マシンの状態はいいです。昨年のセットアップデータがあまり役に立たず、ギアボックスも合っていませんでしたが、だんだんよくなって、今はかなり快適になりました。セットアップもいいですし、みんな本当に一生懸命仕事をしています。今年は、サーキットが変わっても、それほど変えなくていい、ベースのセッティングがあります。そのおかげで、セットアップに追われずにコースを学ぶことができています。まだロングランはやっていないので、レースはどうなるかわかりません。気温はこの2日間より下がるようですが、僕のレースタイヤは対応できると思いますし、今夜は心配しないでぐっすり寝られそうです。今日の目標は達成できました。明日の長く、暑いレースで全力を尽くしたいです」
青山博一(スーパーバイク 18番手) 「午前中の予選は、最後の数分までスーパーポールに進出できるポジションにいました。最終的に、ポジションを落としてしまって残念でした。昨日の午後はタイムを更新することができませんでしたが、今日の午前中はかなり速く走ることができました。これは、気温が低かったせいもあります。また、天候に合わせたアジャストも役に立ちました。まだフロントの安定感が足りないので、もうちょっとという攻めの走りができなかった。午後はその部分の改善に取り組んだのですが、気温が再び上昇したので、よくすることができませんでした。明日のウオームアップでは、フロントのフィーリングの改善に取り組みたいです」
ジュール・クールゼル(スーパースポーツ ポールポジション) 「フリー走行と予選でマシンをよくすることができて、とてもうれしいです。一番大きな問題だったブレーキングが改善されましたし、一歩前進することができました。ポールポジションはすばらしいですが、明日のレースはもっと重要なので全力を尽くしたいです。今大会も表彰台に立てるようにチャレンジしたいです」
サム・ロース(スーパースポーツ 5番手) 「マシンとセットアップに満足しています。明日のレースが楽しみです。今日は、予選タイヤが1本残っていたのに転倒してしまいました。ちゃんとしたアタックができないまま予選を終えてしまいました。でも、レースペースはよかったですし、決勝では表彰台を目標にがんばりたいです」
ブロック・パークス(スーパースポーツ 6番手) 「今日は少しフラストレーションがたまりました。フロントローに並べると思ったのですが、渋滞につかまってしまいました。マシンの状態はいいです。でも、それを証明できるチャンスがありませんでした。明日の決勝が楽しみです。まだ、何カ所かよくできるところがあります。明日は少し気温が下がるはずなので、レースタイヤの選択が難しくなります。みんなにとって少し賭けになるかもしれません。でも、どちらのオプションでもいいペースがあるので楽しみです」
順位 | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|
1 | T.サイクス | カワサキ | 1:56.552 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:57.260 |
3 | E.ラバティ | アプリリア | 1:57.592 |
4 | L.ハスラム | BMW | 1:57.710 |
5 | M.メランドリ | BMW | 1:57.784 |
6 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:58.033 |
18 | 青山博一 | Honda | 1:59.686 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ジュール・クルーゼル | Honda | 2:02.624 |
2 | S.モライス | カワサキ | +0.041 |
3 | K.ソフォーグル | カワサキ | +0.180 |
4 | F.フォーレ | カワサキ | +0.258 |
5 | サム・ロース | Honda | +0.268 |
6 | ブロック・パークス | Honda | +0.271 |
10 | マシュー・ショルツ | Honda | +1.149 |
11 | ローナン・クォーンビー | Honda | +1.195 |
13 | バレンタン・ドゥビーズ | Honda | +1.403 |
15 | ロバート・タンブリーニ | Honda | +1.596 |
16 | ガボール・タルマクシ | Honda | +1.631 |
18 | イムレ・トース | Honda | +1.856 |
19 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.996 |
23 | バラージュ・ネメス | Honda | +2.776 |
24 | パウェル・スコペック | Honda | +2.784 |
26 | マーティン・ジェソップ | Honda | +4.064 |
28 | ロベルト・アナスタシア | Honda | +5.418 |