round 1

February 26 2011,SUPERPOLE
FIM Superbike World Championship Australia
第1戦 オーストラリア

今季の活躍が期待されるレイは痛恨の転倒で12番手
新加入のチャウスはセッティングに苦戦して16番手から決勝に挑む

メルボルン近郊のフィリップアイランドで24日、2011年スーパーバイク世界選手権(WSB)がスタートした。過去2年間は、金曜の午後に走行が開始されていたが、今年からスケジュールが変更されて、従来通りの午前中にフリー走行、午後に予選が行われることになった。

今大会は、金曜、土曜ともに青空が広がる絶好のコンディションとなり、初日から好タイムが続出した。開幕に先立ち、月曜と火曜の2日間にわたり、事前テストが行われたことも大接戦の要因となった。

Honda CBR1000RR勢は、昨年総合15位と苦戦するも実力あるルーベン・チャウスが新加入。昨年4勝を挙げて総合4位のジョナサン・レイとチャウスの2名が、Castrol Honda World Superbike Teamとして、タイトル獲得に全力を尽くすことになる。

今季のチャンピオン候補の筆頭に上げられるレイは、事前テストが行われた火曜に不運のクラッシュを喫し、両手などを負傷した。そのため、万全にはほど遠い状態で開幕を迎えたが、初日のフリー走行で2番手につけて周囲を驚かせた。1回目の予選は9番手。2日目2回目の予選では、トップのカルロス・チェカ(ドゥカティ)から、わずか0.329秒差の5番手。トップから1秒差に15台という大接戦の中で熱走を見せて、スーパーポールに進出した。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ルーベン・チャウスルーベン・チャウス
  • ルーベン・チャウスルーベン・チャウス
  • ファビアン・フォーレファビアン・フォーレ
  • サム・ロースサム・ロース

昨年までは、予選上位20台までがスーパーポールに進出していたが、今年から16台に減らされた。より厳しくなったスーパーポールだが、レイは7番手でSP2に進出。さらにSP3に向けて好走を見せたが、最終コーナーで痛恨の転倒を喫し12番手。最終ステージのSP3進出を逃し、3列目12番グリッドが確定した。しかし、事前テストの負傷も、日を追うごとに回復に向かっており、決勝ではどこまで順位を追い上げるのか、レイの走りに大きな注目が集まっている。

新加入のチャウスは、事前テストから車体のセッティングに苦戦し、厳しい2日間となった。1回目の予選は、19番手と大きく出遅れる。2日目2回目の予選では、14番手へとポジションを上げてスーパーポール進出を果たすも、SP1で16番手に終わり、グリッドが確定した。チャウスは、スーパーバイク世界選手権で通算11勝を挙げているベテラン。Honda移籍後初戦の予選は、思い通りの車体に仕上がらなかったが、決勝レースの巻き返しに期待される。

PPを獲得したのはチェカ。2番手にマックス・ビアッジ(アプリリア)。3番手にシルバン・ギュントーリ(スズキ)。4番手にレオン・ハスラム(BMW)という結果だった。

スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、デヴィッド・サロム(カワサキ)がPPを獲得。2番手にファビアン・フォーレ(Hannspree Ten Kate Honda)、3番手にサム・ロース(Parkalgar Honda)とCBR600RRが続いた。今年は、2002年にCBR600RRでチャンピオンに輝いたフォーレが、9年ぶり2度目のタイトルを狙う。

CBR600RRは、フォーレが初タイトルを獲得して以来、この9年間で8度のタイトルを獲得。今大会はエントリー26台中、CBR600RRが15台と最大勢力を誇っている。昨年スーパースポーツでタイトルを争った上位陣は、それぞれ他のカテゴリーにスイッチ。新しい顔ぶれによってタイトルが争われる。中でも、38歳のベテランのフォーレ、3番手につけたルーキーのロースの走りに大きな注目が集まっている。

コメント

ジョナサン・レイ (スーパーバイク 12番手) 「がっかりしていないといえばウソになるけれど、ケガがなくてよかった。今回のタイヤは、気温がもっと高い方がパフォーマンスを発揮するということが分かった。最初のアタックは、とてもいい調子だった。しかし、遅いライダーにつかまってしまい、最後のコーナーで少し深く入ってしまったことで、路面のギャップに乗ってしまった。それでフロントを失って転倒してしまった。それでも、再び他のマシンでピットを出る十分な時間があったが、きちんとアタックできないまま、終わってしまった。明日に向けて気持ちを切り替えたい。マシンの感触はとてもいいし、これ以上悪くならなかったことに感謝したい。今年最初のレースだから確実にポイントを獲得したい。ここ数日のことは忘れて、明日どうなるか様子を見たい」

ルーベン・チャウス(スーパーバイク 16番手) 「リアの跳ねに苦戦している。そのため太いサイズのタイヤを使えず、グリップを上げようとすると跳ねる症状がひどくなる。この問題を解決するためにセッティングを完全に変えたりしたが、そうすると今度は、フロントに同じ問題が出てしまった。この問題を解決できれば、0.6から0.7秒は速く走れると思うし、ポジションももっと上にいけたと思う。それ以外のことはすばらしい。チームはがんばっているし、低速コーナーでのマシンの感触は本当にすばらしい。問題は高速コーナーだけ。長い時間マシンを寝かせているポイントが厳しかった」

ファビアン・フォーレ(スーパースポーツ 2番手) 「マシンのフィーリングもよく、乗り心地もよかった。しかし、アタックしているときに、他のライダーに自分のラインを邪魔されてしまった。速いタイムを出している周だっただけに、とても残念。しかも、それがチームメートのフローリアンだった。でも、時々こういうことは起きるし仕方ない。PPが取れなかったのは残念だが、フロントローに並べたし、レースに向けて準備はできている。正直言うと、フィリップアイランドでは十分なテストとプラクティスを行ってきた。今年のニューマシンはとても気に入っている。自分のペースもいい。午前中の少し気温が低いときの方がバランスはいいような気がするので、もう少し気温の高いコンディションに合うように調整して、レースに備えたい」

サム・ロース(スーパースポーツ 3番手) 「午前中はとてもいい走りができたので、午後はどんなラップタイムが出せるのか、楽しみにしていた。1分34秒台半ばのペースでかなりの周回数を刻めたし、とてもよかった。でも予選では、一発の速さを身につけないといけない。マシンは、昨日今日と、走れば走るほどよくなった。2回目のフリー走行では、ハードタイヤでいいペースを刻めた。もし、いいスタートが切れたら、誰よりもいいペースで走れる自信がある。明日は、頭を使い、タイヤをうまく使いたい」

予選

スーパーバイク

順位 ライダー マシン タイム
1C.チェカドゥカティ 1:30.882
2M.ビアッジ アプリリア 1:30.895
3S.ギュントーリ ドゥカティ 1:31.293
4L.ハスラム BMW 1:31.429
5 E.ラバティ ヤマハ 1:31.858
6J.シュムルツドゥカティ 1:31.980
    
12 ジョナサン・レイ Honda 1:32.708
16 ルーベン・チャウス Honda 1:32.788

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン タイム/差
1D.サロン カワサキ 1:34.070
2 ファビアン・フォーレ Honda +0.021
3サム・ロースHonda +0.434
4 B.パークス カワサキ +0.478
5 L.スカッサ ヤマハ +0.565
6 M.タンブリーニヤマハ+0.861
    
7 フローリアン・マリーノ Honda +0.924
9 ロビン・ハームス Honda +1.202
10 ジノ・レイ Honda +1.292
11 ジェームス・エリソン Honda +1.410
14ミゲル・プライア Honda +1.883
15 パウェル・スコペック Honda +1.898
16 ウラジミール・イワノフ Honda +1.978
19 オンドレイ・ジェゼク Honda +2.115
20 アレクサンダー・ルンド Honda +2.194
21 バスティン・シェゾー Honda +2.651
22 ミッチェル・ピロッタ Honda +3.530
23 イムレ・トース Honda +3.561
24 バラージュ・ネメス Honda +4.334