Honda社内のクラブ活動を行っている「緑陽会」のオートバイ部によって結成されたチーム。ロードレース部門は1987年に発足しました。震災の影響で4月の選考レースには出られず、望みをかけた選考会ファイナルでは北折淳選手の猛烈な追い上げによって8耐出場権を獲得。改造範囲が少ないSSTクラスで上位を狙います。
◆現在の状況
「出るからにはいつも通りの状況に持っていき挑みたい」大山 翼
大山 翼: 「今年はSSTクラス2年目。2人とはマシンの仕様もセットアップも昨年より高いレベルにしたいと話してきました。SSTでできるだけ上位を狙いたいので、マシンのセットアップを再優先にテストしてきました。日に日に乗りやすくなっています。いい感じで進んでいますね」
井上拓海: 「8耐トライアウトなどでの経験を生かし、マシンは昨年よりずっと乗りやすくなっています。長い時間走れたので、セッティングを大きく振って試すことができ、引き出しが増えました。メカニックとのコミュニケーションもうまくいき、セットアップは順調に進んでいます」
北折 淳:「昨年は初めてのSSTクラスで、出るのが精一杯でした。今年は完成度を高めるために、知恵を絞りレギュレーションが許す限り大幅な仕様変更をしました。その結果、全員が昨年よりタイムアップしています。仕様変更の一番大きな点はガソリンタンクの形状です。身長、体格差を解消するため、できるだけコンパクト化しました。かなり工夫したので見るからに変わっていますよ」
◆チームの強み
「高いチーム力で完走し、結果を残す」井上拓海
大山:「少人数で、個人個人がやれることを精一杯やっています。みんなにスキルがあることが強みですね」
井上: 「社内チームなので、自分でマシンを触るのが基本。みんなバイクを理解しいて対応が早いことですね」
北折:「社内チームはライダーが自分でマシンを整備するのが前提。唯一のメカニックとライダー3人で分担しながらやっています。他人に任せきりにならないことが強みです」
◆SSTのマシン作りについて
北折:「SSTは改造範囲が狭く、ほとんどノーマルでやらなければいけません。エンジンも改造範囲が狭いのでメンテナンスを重視しています。特にレギュレーションはしっかりチェックしないとですね。和訳もみますが、その後にFIMの英文と見比べ、一つひとつ確認しながらアイディアを練っています」
◆決勝に際して思うこと
「SSTでもここまでやれるんだというところを見せます」北折淳
大山:「選考会ファイナルで2人ががんばって出場権を取ってくれました。それから社内で出させてあげようという体制になりました。出るからにはいつも通りの状況に持っていくために、自分たちにできることは全部やろうという意気込みです。熊本にいる人も僕らも、それぞれの立場でできることを100%やっていることに変わりないですから。個人的には体力に注意し、マシンをコントロールし続けることが課題ですね」
井上: 「会社の各事業所の支援もあり、レースをしやすい環境にしてくれたことに感謝しています。熊本の代表としてみられることもあるので、完走して結果を残したいです。8時間は長くてなにがあるか分かりません。しかし自分たちは、ほかの社内チームよりも強いと思うので、走っていればいいところまで行けると考えています。完走したときに得られる充実感は8耐でしか味わえないもの。今年は満喫したいです」
北折:「被災している中、トライアウトに出ることも大変でした。でも自分たちにとってレースはライフワーク。なんとか8耐出場を決めましたが、皆さんからの温かい声が聞こえてきたのがうれしかったです。レースではSSTでもここまでやれるんだというところをみせたいですね。8耐は準備期間が長く関わる人数も多いです。やることは多いんですが、みんなで成長できるところが8耐の魅力です」