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がまだせ熊本!Honda熊本従業員チームの挑戦

3 あきらめない気持ちよ、届け!
全員が目指したチェッカーフラッグ

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“熊本の元気を届ける”という想いを背負い、鈴鹿8耐に参戦することを決意した「Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞」、「Honda 緑陽会 熊本レーシング with くまモン」、「日本郵便 Honda 熊本レーシング」の3チーム。チーム熊本の共通目標は、なにがあっても必ずチェッカーを受けること。今年の大会は決勝ウイークから転倒が相次ぐ波乱の展開になりました。熊本3チームも決して順風満帆なものとはなりませんでしたが、どのチームも最後まであきらめずに、8時間後に待っているチェッカーフラッグを目指しました。

井村直典

井村直典監督:「今年は8耐の難しさをまた痛感したレースになりました。例年以上に荒れた印象があり、周りのチームもかなり転倒するシーンがありましたね。レースでは、一度転倒してしまうとまず結果を求められない。ですからその瞬間に、『最低限完走しなければ』という方向に大きく考え方を切り替えなければいけません。33号車に関しては序盤に転倒し、時間を失ってしまいました。我々だけでなく、34号車、78号車も合わせて3チームは、必ずチェッカーを受けようというのを共通目標としてやってきました。規定周回数というレギュレーションがありますから、78号車に関してはそれに足りず残念ながら完走扱いにはなりませんでしたが、チェッカーフラッグはみんな受けることができました。最後まであきらめずにライダーとマシンを送り出し、チームの総力でゴールまで自力でたどり着いた。最低限の目標は達成できたのかなと思います」

Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞

Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞

1978年の第1回鈴鹿8耐にも参戦した伝統のチーム「Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞」。チームの目標は、完走はもちろん、しっかりと結果を残すこと。しかし、スタートライダーの森健祐選手が転倒。さらには8耐初参戦の鹿内新平選手も転倒してしまい、マシンの修復に長時間を費やすことになりました。好結果を目指すという目標は途絶えたものの、チームは絶対にあきらめませんでした。マシンをバラバラにし、エンジンのシリンダーヘッドを交換するという大掛かりな修復にかかった時間は5時間以上。スタッフが総力をあげて修復を終えると、その思いに応えるようにライダーたちは奮起しました。最終走者としてバトンを託されたのは、鹿内選手。慣れないナイトセッションをしっかり走りきり、チームが目指したチェッカーフラッグを受けました。

Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞Honda ブルーヘルメット MSC熊本&朝霞

森 健祐:「スタートライダーの僕も、転倒でチームに迷惑をかけてしまいました。すぐにマシンを修復してくれてもう一度コースに復帰できましたが、次の鹿内選手も転倒してしまい、ここでの修理には非常に時間がかかってしまいました。エンジンのシリンダーヘッドを交換するという、かなりの重整備となりましたが、みんなのおかげでもう一度走り出せて……。チェッカーを受けることが一番重要だと思っていたので、最後にチェッカーを受けることができてよかったです。地震で被害を受けた熊本を元気づけるということをテーマに走ってきましたが、がんばればなにかが得られるということを強く思いました。これを地元にも伝えて、みんなで元気を出してがんばっていきたいです」

鹿内新平:「初めての8耐でしたが、暑さにやられてしまいました。こんなにもタイヤがグリップしないのかと、それに気づかないうちに転倒してしまい、5時間以上かけて修理をしてもらうことになってしまって。でも最後まであきらめないという気持ちで走りきれました。熊本地震の影響で、8耐に向けた準備はすごく大変でしたが、フィニッシュまで絶対につなぐんだ、という気持ちがずっとありました。フィニッシュライダーも務めさせてもらえましたが、チェッカーを受けたときは、それを達成できて胸がいっぱいになりましたね」

大塚卓也:「完走扱いにはならなかったのですが、いろいろとトラブルがあった中で最終的にチェッカーフラッグを受けて、ゴールできたのでよかったです。レースは最後まで走りきることが重要で、その中でも“チェッカーフラッグを受ける”というのは最も重要なことなんです。熊本から100人以上の大応援団も来てくれていたので、皆さんが見守ってくれていた中でチェッカーフラッグを受けられてよかったと思います。熊本の皆さんにも元気を届けられたかなと思います」

緑陽会

Honda 緑陽会 熊本レーシング with くまモン

総合31位と、チーム熊本の中で最上位フィニッシュとなった「Honda 緑陽会 熊本レーシング with くまモン」。このチームの鈴鹿8耐への道のりは決して楽なものではありませんでした。震災の影響で4月の選考レースには出られず、出場51台中17位までが出場権を得られる選考会ファイナルにすべてをかけて、見事8耐出場を決めました。レースウイークに入ってからも困難が待ち構えていました。予選で転倒を喫してマシンに大きなダメージを負ってしまいます。チームは予選日の夜遅くまでかけて、なんとかマシンを修復しました。その努力が実を結び、転倒が相次ぎ荒れた決勝レースでは、それぞれのライダーがベストの走りを披露。一度も転倒することなく完走を果たしました。2年目の挑戦となるSSTクラスでも4位という結果も得ることができました。

緑陽会緑陽会

北折 淳:「準備期間からドタバタで、予選日にもいろいろありましたが、決勝では無転倒のパーフェクトな走りができました。最後のナイトセッションは、残り何周か分からなくなるぐらい疲れたので、チェッカーフラッグを受けた瞬間、『やっと終わった』という思いでしたね。非常に疲れたレースウイークでしたが、みんなのおかげでクラス4位にもなれました。完走というお土産を地元に持って帰れますね」

井上拓海:「今回はすごくうまくいったレースになったと思います。ライダー全員がいい仕事をできたと思うし、予選で転倒はありましたがメカニックが夜遅くまでかけてマシンを仕上げてくれました。熊本から来てくれた応援団の力も、ものすごく心に響きました。僕たちの走りで、応援に来てくれた人たちにも、地元にいる皆さんにも力や思いは届けられたんじゃないかと思います」

大山 翼:「個人的に決勝レースでは“無転倒”を目標にしていましたが、それを達成することができましたし、あとの2人がいいペースでがんばってくれました。予選で壊してしまったマシンを完ぺきに直してくれて、ピットワークにも全くミスがなかったチームのみんなにもすごく助けられました。うちのチームは本当に元気で、このエネルギーで8耐に向かって全力で取り組んできました。この元気を熊本に持ち帰って、引き続きがんばっていきたいと思います」

熊レー

日本郵便 Honda 熊本レーシング

2013年は9位、翌年は11位と好成績をあげてきた熊レーこと「日本郵便 Honda 熊本レーシング」。今大会には全日本チャンピオン経験を持つ手島雄介選手をチームに迎え、過去最高位という目標を掲げて挑みましたが、決勝レース中の転倒により上位フィニッシュが難しくなってしまいました。しかし、どんな場面でもあきらめない姿勢を貫き、チームは絶対に完走するという思いで、チェッカーを目指しました。結果は41位フィニッシュ。チームが総力を挙げてつかんだこの結果は、決して満足できるものではありませんでしたが、最後まであきらめずに戦うという想いを熊本に届けてくれました。チームはすでに来年に向けて、シングルフィニッシュという新たな目標を掲げています。

熊レー熊レー

吉田光弘:「僕の最初のスティントで転倒してしまい、レースを台無しにしてしまいましたが、ほかのライダーやメカニックがすごくがんばってくれてチェッカーを受けることができたので、ホっとしました。やはりチェッカーを受けないと、今年の8耐を走りきった、“終えた”という感じがしませんから。そういう意味ではやり遂げたという気持ちもあります。ただ本音を言えば、トップ10に入って熊本の皆さんに喜んでほしかったですね。次に向けてがんばります」

小島一浩:「昨年はトラブルに見舞われて23位と悔しい結果に終わりました。今年はメカニカルトラブルに気をつけながら、チームみんながすごく神経を研ぎ澄ませてきました。走行中にトラブルもありましたが、その対応もスピーディーに終えられて、結果的に完走。最低ラインを超えたという意味ではよかったです。僕個人の走りで言うと、初めてスタートと最終スティントを任されましたが、自分の中では満点をつけてあげられる走りができたかなと思います。熊本は震災の影響で暗いムードになりがちですが、最後まであきらめなかったからこそ完走という結果を得られたと思うので、それを見てもらえたことであきらめないでがんばる気持ちは届けられたんじゃないかなと思います」

手島雄介:「レーサーとしては4年もレースから離れている身にも関わらず、8耐を戦うにあたって声をかけていただいたのはうれしかったですね。僕がテストに加わったのは6月下旬から、実質2回しかありませんでした。ほかのチームに比べたら圧倒的に少ない中で完走という結果を得ましたが、走りながら思ったのは、熊本の皆さんが後ろにいてくれるんだということ。セッション中、脱水症状で辛いときもありましたが、皆さんがいてくれると思うと耐えられました。今回8耐を戦ったことで、昔の気持ちじゃないですが、悔しさも感じられました。この気持ちを来年につなげられるように努力していきたい。Hondaさん、日本郵便さん、そして熊本製作所の皆さんに感謝を言いたいです」

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