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全日本トライアル選手権

round 06

SCHEDULE

October 12 2014, RACE All Japan Trial Championship Kyosei Driver Land

キョウセイドライバーランドキョウセイドライバーランド

小川友幸が堅実な走りで2位表彰台を獲得
2年連続となる全日本タイトルをほぼ手中に

2014年10月12日(日)・決勝  会場:愛知県・キョウセイドライバーランド
天候:曇り  気温:25℃  観客:2400人  セクション:土、岩

2013年、ライバルの黒山健一(ヤマハ)との大接戦の末に、3度目の全日本タイトルを獲得した小川友幸(Honda)。2014年は、ライバルに明確な差をつけて、初めての連覇に向けて、順調にシーズンを送っています。全日本選手権第6戦は中部大会。三重県四日市市出身の小川友幸にとって、地元と言えるステージでの戦いです。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸(中央)小川友幸(中央)

今回は難度の高い12セクションが2ラップと、ダイナミックなスペシャルセクション(SS)が2セクション。合わせて26セクションで競われました。小川友幸の出足は、決して万全とは言えませんでした。第1セクションをクリーンしたあと、第2セクションで5点。序盤から、ライバルを追う展開となってしまいました。一方、ライバルの黒山と、今回は小川毅士(ベータ)も好調の様子でした。

それでも、減点を最小限に抑えてセクションを進める小川友幸と対照的に、ライバルが減点し始めます。小川友幸は第2セクション以降は5点の減点がゼロ。対して黒山は、第8セクションと第9セクションと連続で5点を取り、小川毅士もまた、第7、第8セクションで5点の減点を取ってしまいます。第3戦九州大会で勝利した野崎史高(ヤマハ)は、第1セクションで5点となったほか、第6セクションでも5点となっていました。こうして、1ラップ目の終わりには、小川友幸は黒山に3点、野崎に7点、小川毅士には9点の差をつけてトップに立っていました。

しかし、トライアルの勝負は、ほんのちょっとしたコンディションの変化、あるいは気持ちの動揺など、波乱を呼ぶ要素が至るところに存在しています。2ラップ目、第2セクションでゲートマーカーに触れて5点となった小川友幸は、第6、第7セクションと続けて5点となり、さらに第10セクションでも5点となってしまいます。ゲートマーカーに触れる、セクションテープの外に飛び出すなど、いずれも小川友幸らしからぬミスライディングでした。

ところが、ミスを続けたのは小川友幸だけではありませんでした。黒山もまた、2ラップ目に4つの5点を取っていました。そんな中、好調な走りをみせたのが小川毅士でした。タイトル争いのプレッシャーのかかる小川友幸らを尻目に、小川毅士は実力を発揮していきます。

12セクション2ラップが終わって、トップは小川毅士で28点。2位は野崎の32点で、その差は4点です。あとには、2セクションのSSが残っていたため、まだ順位が入れ替わる可能性がありました。なお、小川友幸は野崎を2点差で追走。小川友幸と小川毅士の点差は6点で、こちらにも逆転の可能性が残っていました。

1つ目のSSは、上り下りをしたあとの濡れた岩が勝負どころ。最後には巨大な水タンクへの体当たりが待っています。ここで小川毅士が1点。小川友幸はクリーンで、その差が5点に縮まりました。最後のSSで小川毅士が5点、小川友幸がクリーンなら、2人は同点に。その場合に勝敗の決め手となる「クリーン数」は同数となるため、次点の要因である「1点の数」を数えると、小川友幸が上位につけることになる状況でした。つまり、最後のセクションの結果によっては、小川友幸にも勝利の可能性がありました。とは言え、小川毅士と野崎がともにクリーンすれば、小川友幸は3位となる劣勢です。

SSのトライはスタート順と同じく、前大会までのランキング下位の選手からでした。最後を走る小川友幸に先がけてトライした小川毅士は、ここをクリーン。これで小川毅士の優勝が決まりました。続いて野崎がトライ。しかし野崎は最後の1メートル70センチの直角ブロックを登れずに失敗。小川友幸に優勝のチャンスはなくなりましたが、SS最終セクションを3点以内で抑えれば2位入賞となります。

はたして、小川友幸の最後のトライはクリーン。優勝こそ逃したものの、シーズン3度目の2位入賞となりました。これで今シーズンの小川は6戦3勝。勝てなかった3戦でも、確実に2位に入る安定した強さを披露しています。

最終戦に向けて、小川が黒山と野崎に対して築いたポイント差は16点。最終戦では完走さえすれば2連覇が決まります。

コメント

小川友幸(優勝)
「カードを飛ばしたりテープを飛び出したりと、いつもならしないミスが続きました。常に、そういったことに配慮しながら走っていますが、今回は不十分でした。それだけ、ほかのことに意識が向いているということだと思います。(最終戦で完走すれば)38歳にして、初めての2連覇です。主にメンタルの問題ですが、予期せぬ事態が起こってきます。おそらく、最終戦でも予期せぬ状況になると思いますので、できることをやり、2連覇を勝利で飾れるよう、がんばります」

決勝リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 4 小川毅士   ベータ  0 29 15
2 1 小川友幸   Honda  0 34 14
3 3 野崎史高  ヤマハ 0 37 10
4 2 黒山健一   ヤマハ 0 41 13
5 6 柴田暁     Honda    0 62 9
6 5 田中善弘   ベータ  0 76 6
 
8 10 斎藤晶夫 Honda 0 110 1

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 小川友幸 Honda 111
2 黒山健一 ヤマハ 95
3 野崎史高 ヤマハ 95
4 小川毅士 ベータ 89
5 柴田暁 Honda 65
6 田中善弘 ベータ 56
     
9 斎藤晶夫 Honda 47