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July 20 2014, RACE All Japan Trial Championship Wassamu Circuit
わっさむサーキット
2014年7月20日(日)・決勝 会場:北海道・わっさむサーキット 天候:晴れ
気温:29℃ 観客:650人 セクション:土、岩
3連勝を逃して1カ月半の長いインターバルに入った小川友幸(Honda)は、全日本トライアル選手権第4戦、北海道大会で序盤から好調を維持して圧勝。今シーズン3勝目をあげ、全日本タイトル2連覇も、いよいよ具体的になってきました。
例年通り、会場は北海道・わっさむサーキットですが、今回は各セクションが大幅に手を入れられており、高低差あり、大岩あり、ライダーからもダイナミックと好評でした。
今までになかったエリアに新設された第1セクションは、ふかふかのがけを登る難セクションとなりました。今回は持ち時間が少なく、各選手、先を争うようにトライしていきます。しかし最後のがけが難関で、次々に5点になってしまいます。
最後まで待って、じっくりトライをした小川友幸は、ここを見事にクリーン。第1セクションにして、すべてのライバルに5点のアドバンテージをとって試合の流れを作りました。
そのまま小川友幸は第5セクションまでをすべてクリーン。対して黒山健一(ヤマハ)は第2セクションで1点、第5セクションで2点となり、野崎史高(ヤマハ)は第5セクションで2点、小川毅士(ベータ)は第5セクションで5点となるなど、ライバルはそれぞれに減点を重ねていきました。まだまだ点差は僅差ながら、小川友幸の好調が光ります。
小川友幸にとって鬼門となったのは第6セクション。ここもライダーを次々に5点としていった難関でした。黒山が、なんとか3点でここを抜け出たあと、満を持してトライした小川友幸でしたが、バランスをわずかに崩してしまい、5点。しかしここで小川友幸は、このセクションの攻略法を会得しました。
小川友幸はこの後、第9セクションで1点を失うものの、1ラップ目の減点は6点のみ。黒山の12点に対し、半分に近い好調ぶりです。そして小川友幸には、2ラップ目に向けての野望がありました。
2ラップ目、第1をクリーン、第2をクリーンと、次から次へとクリーンを叩き出していきます。1ラップ目に5点となった第6セクション。ここでの走りはこの日の小川友幸を象徴するような、すべてがかみあった会心の走りとなりました。黒山が3点と2点、柴田が5点と1点となった以外は、すべてのライダーが2ラップともに5点となった第6セクション。クリーンを叩き出したのは、小川友幸ただ一人でした。
これで、小川友幸の野望達成が夢ではなくなりました。2ラップ目の10セクションを、すべてクリーンすることです。そして第7セクション。ここは、乾燥質だったこの日のセクションとは唯一異なり、水の出ている沢を上がるところで、やはり難セクションの一つでした。しかし小川友幸は1ラップ目をクリーン。自信を持ってここに挑みました。しかし1点。2ラップ目オールクリーン達成ならずとなりました。
しかし、その後は第8、9、10とすべてのセクションをクリーン。1ラップ目に勝る完ぺきな走りを披露して、10セクション2ラップを終えた小川友幸でした。ここまでの合計が7点。2位の黒山は20点。10セクション2ラップの戦いのあとには、2セクションのSSが用意されているのですが、仮に、この2セクションで小川友幸がともに5点となり、黒山が2つのクリーンをたたき出したとしても、両者の順位は変わらず。SSを待たずに、小川友幸の勝利となりました。
しかし試合の最後に待ち受けるSS第1セクションは、これも難度の高い設定です。日本のトップライダーが次々に5点となる中、黒山がここを1点で通過。その拍手が消えぬ間に、今度は小川友幸がトライ。小川友幸は、この日の試合の集大成と言える、ひとつひとつのポイントを完ぺきに決めて、このセクション唯一のクリーンを叩き出したのでした。
SS第2は、第10セクションを手直しして、さらにトリッキーな設定となっていました。選手たちには、やはり5点のオンパレードです。小川毅士が惜しいところで5点。黒山も5点となりました。最後に走るのが、小川友幸です。
巨大なU字溝の手前にコンクリートブロック。コンクリートブロックに上がってから、宙を飛びながらさらに高いU字溝に飛び上がらなければいけない難関です。小川友幸は、ここでもクリーンを狙います。そして見事U字溝に上ったかに見えたところで右にバランスを崩し、U字溝から落ちてしまいました。残念ながら5点です。しかし、U字溝に上ったのは小川友幸ただ一人。最後まで、小川友幸の好調が際立った一日でした。
5点になった小川友幸は、カードを提出して試合を終えたあと、まだお客さんが残る最後のセクションに戻ってきました。そして今度は、きっちりクリーン。もちろん、これは試合とは関係がありませんが、すべてのセクションをきっちり攻略しきって、小川友幸の勝利の一日は幕を下ろしました。
小川友幸(優勝)
「セクションが新開拓されて、ちょっとした失敗で5点となるところが多かったので、気が抜けない大会となりました。1ラップ目は第6セクションでクリーンを狙って5点となりましたが、あれで2ラップ目にクリーンできる自信になりました。今日は、いい戦いができましたが、心残りは2ラップ目にオールクリーンができなかったことと、最後のSSの2セクション目をクリーンできなかったことです。シリーズの戦いも見据えて、さらに勝ちぐせをつけられるように、がんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 0 | 12 | 18 |
2 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 26 | 12 |
3 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 52 | 8 |
4 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 0 | 56 | 10 |
5 | 6 | 柴田暁 | Honda | 0 | 61 | 5 | 6 | 7 | 野本佳章 | ベータ | 0 | 79 | 4 |
8 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 82 | 2 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | Honda | 77 |
2 | 野崎史高 | ヤマハ | 67 |
3 | 黒山健一 | ヤマハ | 62 |
4 | 小川毅士 | ベータ | 54 |
5 | 柴田暁 | Honda | 43 |
6 | 田中善弘 | ベータ | 37 |
9 | 斎藤晶夫 | Honda | 32 |