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SPOTLIGHT ON THE FIGHTERS 「世界につながるJ-GP2クラス」

國峰啄磨選手(くにみね たくま)

目標はぶれません
全日本もアジアタレントカップも
すべては世界へのステップです

2012年、全日本にフル参戦するといきなり開幕戦表彰台に上り、ランキング6位を獲得する。2013年には7戦中、優勝3回、2位3回の圧倒的な強さを示したが、開幕戦のノーポイントが大きく影響し、惜しくもシリーズチャンピオンを逃してしまう。2014年には戦いの舞台をアジアタレントカップとCEV(スペイン選手権)に移したが、思うような結果が残せず不完全燃焼の一年となった。そして2015年、気持ちも新たに全日本ロードレースを主戦場にアジアタレントカップとダブルエントリーして、再び世界へのステップにしようと奮闘している。

■残りすべてを勝ち続けて存在感をアピール

全日本ロードレース第3戦(ツインリンクもてぎ)では、序盤からトップを奪い、そのまま逃げ切る展開に持ち込もうとしたのですが、残り2ラップのV字コーナーで転倒し、勝利を逃してしまいました。前日に行われた予選でポールポジションを奪い、決勝レースでもトップでレースをコントロールしておきながら、マシンセッティングのミスに加え、僕の課題の一つであるメンタルの部分が出てしまったレースでした。悔しくてしかたありません。でも気持ちを切り替えて、次戦以降を戦うしかないです。年間6戦しかない全日本だけに、チャンピオンへの可能性は少し後退しましたが、残りすべてを勝ち続けることで僕の存在感を強烈にアピールしたいです。

■ライバルたちに取り残されないように

今シーズンは全日本ロードレースをメインにしながら、昨年に引き続きアジアタレントカップにも参戦しています。二つの舞台を行き来しながら、MotoGPのワイルドカードや、スペイン選手権などへの参戦も視野に入れて、2015年シーズンを戦っていこうと考えています。昨シーズンは序盤の不完全燃焼が影響し、足踏みしてしまいました。その分を取り返さなければいけませんから、勝ち方にもこだわって、その上で結果も残す。そんなレースを積み重ねていきたいですね。そのためにレースセッティングの詰め方など、レースウイーク全体を想定して組み立てていく技術も学びたいです。あれもこれもと考えすぎかもしれませんが、世界のライバルたちはどんどんステップアップしているので、のんびりなんかしていられません。

■世界を感じる場所から、世界へ行く

今年17歳になりましたが、おかげさまで僕の場合は、早い段階から世界のいろんなサーキットでレースするチャンスを得てきました。結果、レースに臨む姿勢やレースマネジメント、ウイークの過ごし方など、各国のさまざまなライダーから学び取れています。タレントカップ2戦目の第1レースでは優勝できましたが、第2レースではトップ争いをしておきながら、最終ラップに弾き飛ばされてノーポイントに終わりました。でも、それが世界のスタンダードです。当たり前かもしれませんが、こういった経験は行ったものしかわからないこと。言葉も違えば文化や風習も違う。それに順応できることが重要だと思います。全てを整えてから世界にステップアップするやり方もありますが、はじめに自分をその環境に追い込んでみるのもひとつの方法。僕は世界を身近に感じることができる場所から、世界を目指します。

國峰啄磨 國峰啄磨 國峰啄磨 國峰啄磨 國峰啄磨

真崎一輝選手(まさき かずき)

アジアのハングリーさと
全日本ロードレースのクレバーさを身につけて
世界へ大きくジャンプします

福岡県出身の中学3年生。3歳半で始めたポケバイを皮切りに、10歳でミニバイクにステップアップすると、12歳でアジアロード選手権アンダーボーンにスポット参戦。2013年にはアンダーボーンクラス(110cc)にフル参戦して、アジア各国を転戦し、シリーズ5位に入る。翌2014年度はアンダーボーンの130ccクラスで再びシリーズ5位に輝いた。一方、国内では鈴鹿サンデーロードレース(J-GP3)で5戦中4勝の圧倒的強さでシリーズチャンピオンを獲得し、岡山国際サーキットの地方戦(J-GP3)でも、4戦全勝のパーフェクトを達成。見事にシリーズチャンピオンに輝いた。年齢制限のレギュレーションがとけた2015年度は、晴れて全日本ロードレースJ-GP3クラスにエントリー。アジアタレントカップとJ-GP3のダブルエントリーで世界を目指す。

■全日本デビューウインをまぐれと言わせない

今、中学3年生です。2015年8月の誕生日で15歳なので、全日本ロードレースのデビューウインのときは14歳と7か月でした。走りなれた地元・九州のサーキットだったことも、僕に味方してくれたのかもしれません。終盤まで國峰選手とサイドバイサイドのバトルになって、ファイナルラップで逆転されてしまいましたが、地元の応援のおかげか自分でも想定していなかった最終コーナーで身体が勝手に反応し、再逆転できました。結果として全日本ロードレースのデビュー戦でポールトゥウイン。自分でもちょっと出来過ぎだと思っています。2戦目以降が大事ですよね。なんとか3位表彰台に上れましたが、最後までトップ争いには絡めず、セカンドグループでのバトルも制すことができずに悔しい思いをしました。1勝目がまぐれだと言われないように、シーズンを通してトップ争いができるようにならないといけませんね。がんばります。

■アジアのハングリーさと全日本のクレバーさを学んでます

僕にとっての最初の国際規格レースはアジア選手権のアンダーボーンで、いきなりハングリーな世界に放り込まれ、いろんな意味でセンセーショナルでした。速いだけでは勝てない。最速ラインなんてまるで関係ないバトルの中で戦ってきたので、メンタリティーがとても鍛えられたと思います。また、今シーズンから参戦している全日本ロードレースには僕のようなティーンエイジャーのほかに、世界で戦ってきたベテランさんたちが大勢いて、レースマネジメントや駆け引きを学べます。あの最初から最後までガツガツ来る姿勢は、アジアにはないものです。どこでどのポジションについたらいいのかなど、アジアのハングリーさと一緒に自分のものにしておきたいクレバーさです。そのためにも予選の段階から目いっぱいアンテナを広げて走ってます。

■世界へのロードマップは胸の中にあります

全日本ロードレースと並行して、今シーズンから新たに挑戦しているのがアジアタレントカップです。エントリークラスはGP3で、日本のJ-GP3仕様とは少し異なりますが、イコールコンディションの中で戦うスタイルは、昨年までのアンダーボーンと同じ。レーシングスピードが格段に上がっているので、ハングリーさだけでは勝てませんが、サイドバイサイドの展開の中ではみんなガツガツやりあっています。すでに2戦4レースを消化して、最高位は3位ですが、弾き飛ばされて表彰台を逃したレースもあり、メンタル面でもライディング面でも、まだまだスキルアップしなきゃいけないと感じています。キャラクターの違う二つのレースを経験し、スペイン選手権、MotoGPのワイルドカード参戦とステップアップして、最終的にはMotoGPの最高クラスまで上り詰めたいです。そのためのロードマップは自分の中でできあがっていますが、今はまだ胸の中にしまっておきたいです。

真崎一輝 真崎一輝 真崎一輝 真崎一輝 真崎一輝