round 3

May 13 2012 ALL JAPAN ROAD RACE CHAMPIONSHIP Tsukuba Circuit 第3戦 筑波サーキット (茨城県)
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SCHEDULE

  • レース情報
  • 決勝

JSB1000山口辰也3位表彰台。高橋巧転倒再スタート7位。
J-GP2関口太郎が4位、浦本修充転倒、再スタート14位。
J-GP3長島哲太優勝。ST600渡辺一馬が6位。

2012年5月13日(日)・決勝 会場:茨城県筑波サーキット  天候:曇り  気温:20℃  観客:1万4200人

竜巻の被害を受けた地域に近い筑波サーキットでは、ブリヂストンのスタッフが中心となり、ライダーたちも協力して募金活動が行われました。集められた寄付金は筑波市に送られました。昨年は東日本大震災の影響で開幕戦に予定されていた筑波はキャンセルされたため、今回が2年ぶりの開催。第2戦鈴鹿2&4はJSB1000のみの戦いだったため、JSB1000は3戦目、他クラスは2戦目となります。

  • 山口辰也(右)山口辰也(右)
  • 山口辰也山口辰也
  • 高橋巧高橋巧
  • 関口太郎関口太郎
  • 長島哲太長島哲太
  • 山田誓己山田誓己
  • 菊池寛幸菊池寛幸

開幕戦もてぎのフリー走行で左大たい骨を骨折してしまった秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)は、順調に回復して4月30日に退院しました。現在は名古屋と浜松を中心に復帰に向けたトレーニングを開始していますが、大事を取るために筑波戦はキャンセルすることになり、今回もゼッケン1不在のレースとなりました。

金曜日に行われたフリー走行は、夕立のような豪雨が降るなど不穏な空模様でしたが、土曜日の予選は暑さを感じるほどの日差しに加え、強風が吹くコンディションとなりました。JSB1000は、午後に1時間1本の走行でタイムアップした高橋巧(MuSASHi RT ハルクプロ)が56秒122で首位に立ちますが、中須賀克行(ヤマハ)が55秒916と55秒台に入れたことでトップが入れ替わります。ラスト1分30秒を残して加賀山就臣(スズキ)が第2ヘアピンで転倒、赤旗が提示され、予選は終了となってしまいます。ポールポジション(PP) は中須賀、2番手に高橋、3番手にはプライベートマシンで奮闘する山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)が付け、フロントローを確保しました。

決勝は晴天に恵まれて穏やかな気候の中でスタート。ウオームアップランでは最終ラップに高橋が中須賀のタイムを超え、トップタイムを記録。ホールショットを奪ったのは加賀山ですが、1コーナー出口で高橋が首位に立ち、以降のレースをリードしました。2番手加賀山は1コーナー出口でハイサイド気味にマシンが振られますが、立て直して復帰、高橋、中須賀、加賀山、山口、芹沢太麻樹(カワサキ)、柳川明(カワサキ)のオーダーで周回を重ねます。高橋と中須賀は56秒台前半のタイムで周回、3ラップ目には高橋がファステストラップとなる56秒170を記録、主導権を握ります。高橋を追う中須賀とのギャップはコンマ差の接戦で、3番手以下を引き離し一騎打ちの戦いを繰り広げました。

10ラップ目に中須賀がコントロールラインで並び、1コーナーのインに飛び込んでトップに浮上。1、2番手が入れ替わりましたが、高橋は中須賀をピタリとマークし、その差は変わらずのテール・トゥ・ノーズ。15ラップ目あたりから周回遅れが出現し、それをかわしながらのトップ争いが続きます。ですが、18ラップ目の2ヘアピンで高橋が転倒。すぐに再スタートしてレースに復帰しますが、その間に中須賀が独走態勢を築き、そのままチェッカーを受けて優勝しました。2位は加賀山と山口で争われ、山口は加賀山のテールに食らいつき、捕らえるチャンスを伺いますが届かず、2位加賀山、3位山口となりました。

J-GP2は、PP中本郡(ヤマハ)、2番手渡辺一樹(カワサキ)、3番手浦本修充(MuSASHi RT ハルクプロ)、4番手関口太郎(Team TARO PLUS ONE)、5番手野左根航汰(ヤマハ)までがレコードを更新。6番手は岩田悟(CLUB PLUS ONE)。決勝ホールショットは中本が決め、オープニングラップは中本、野左根、渡辺のオーダー。浦本は5番手に付けて追い上げを計ります。

4ラップ目に浦本が野左根を捕らえてトップ争いに迫りますが、5ラップ目1コーナーで浦本が痛恨の転倒、再スタートしますが最後尾からの追い上げとなります。トップ争いは中本、渡辺で争われ、渡辺が僅差で制して全日本初優勝、2位に中本。関口は野左根と激しい3位争いを繰り広げましたが、野左根が先にチェッカー、3位野左根、4位関口、5位に岩田が入りました。浦本はトップ争いと同等のタイムを記録しながら追い上げ、14位でレースを終えました。

J-GP3は長島哲太(Projectμ7C HARC)がPP。決勝でもホールショットを奪った長島が59秒台に入れ独走態勢に持ち込みます。2番手山田誓己(TEAM PLUS ONE & ENDUANCE)も59秒台に入れ追撃を図りますが、その差はジワジワと広がり単独2位。3位争いは、10台にも膨れ上がる激戦となりました。仲城英幸(Projectμ7C HARC)がリードしながらも、目まぐるしく順位を変えながら周回を重ねます。

長島、山田のオーダーは変わらず、長島はその差を広げ15ラップ目には約4秒のアドバンテージとします。山田は2番手、そこから約15秒後方で3番手争いが繰り広げられます。16ラップ目に國峰啄磨(JARIRacing+ENDURANCE)が3番手に浮上、予選11番手から追い上げた菊池寛幸(Kohara Racing)が4番手浮上、その背後に7台のマシンが数珠つなぎとなり周回を重ねました。24ラップ目に菊池が國峰を捕らえ3番手浮上、食らいつく國峰でしたがアジアコーナーで痛恨の転倒を喫しました。長島は優勝を飾ったと同時に、今大会から設けられた富沢祥也賞を受賞しました。2位山田、3位菊池が表彰台に登壇。菊池は開幕前の事前テストで負傷し開幕戦をキャンセルしており、復帰戦である筑波で表彰台を獲得しました。

ST600は38台がエントリー、予選通過は30台。J-GP2同様、予選でレコードラッシュとなり、PP津田拓也(スズキ)、2番手井筒仁康(カワサキ)。3番手岩崎哲朗(カワサキ)、4番手チャロンポン・ポラマイ(ヤマハ)、5番手渡辺一馬(Kohara Racing)の上位5台がレコードを更新しました。決勝ホールショットは津田。それを井筒、小林龍太(MuSASHi RT ハルクプロ)が追う展開。首位を走る津田に2位争いから抜け出したポラマイが迫ります。4ラップ目の最終コーナーでポラマイは津田を捕らえトップ浮上、ポラマイ、津田はトップ争いを繰り広げながら3番手以降を引き離します。3位争いは8台にも膨れ上がり、井筒が主導権を握りますが岩崎が8ラップ目に井筒を捕らえ浮上。さらに11ラップ目にはデチャ・クライサルト(ヤマハ)が3番手に浮上しました。トップ争いは、18ラップ目に津田が再び浮上し、そのままポラマイを突き放して初優勝。2位にポラマイ、3位はクライサルトとなりました。6位には渡辺が入り、7位には小林が入りました。

コメント

山口辰也(JSB1000 3位)「上位集団とは、もっとタイム差がつくだろうと予想していましが、思ったよりも差をつけることなく走ることができました。レースウイークを通して上位で走ることができ、調子を上げることができました。ブレーキングの安定性なら、僕のマシンが1番安定していたと思います。サスペンションをもてぎから変えたことでブレーキングが向上したことが、そのままタイムや走りに出ているのだと思います。今回のマシンのセットやタイヤをやわからめでいこうと決めたのも自分なので、加賀山選手を捕らえることができなかったのは、自分の判断が甘かったのだと反省しています。僕の乗っているマシンは、誰もが購入できます。Hondaのマシンは本当に性能がいいので、他のクラスからも、このマシンを購入してJSB1000に参戦してもらいたいと思っています。そのためにも、次のオートポリスでは、さらに上を目指してがんばりたいです」

高橋巧(JSB1000 7位)「スタートはよく、トップに立つことができました。序盤は前に出たのですが、30ラップの長いレースなので、中須賀さんの後ろについて様子を見ながら終盤の勝負に賭けようと考えていました。朝のフリーでマシンの方向性もつかめ、56秒台のタイムも無理のない範囲でした。焦りもありませんでしたし、無理もありませんでした。。後半にはペースアップする余力を残しての周回だったのですが、転倒してしまいました。自分としては、驚いているというのが正直な気持ちです。原因を探し、同じようなことがないように備えたいと思います。応援してくれたファンやスポンサー、チームスタッフをがっかりさせてしまって申し訳ありません。まだまだ、ばん回できますし、ばん回します」

関口太郎(J-GP2 4位)「昨年の最終戦で肩をケガしてしまい、そのケガの影響がまだ残っていて、自分の走りができる状況にまだないということを感じます。前に出たくても抜く手がなく、いっぱいいっぱいでした。残り3ラップで勝負に出ようと、途中で走り方を変えたりしながらペースを守り、後ろまで迫ることができたのですが、身体が思うように動かなくなってしまいました。この状況の中で精一杯やりましたが、無理がきかなかったのが悔しいです。次までには、しっかりと肩を治して挑みます」

浦本修充(J-GP2 14位)「スタートがうまくいかず、焦っていたのだと反省しています。金曜日にも転倒してしまったりとリズムを作れなかったのだと思います。想定していたタイムより、1秒くらい遅いので、自分の走りができていませんでした。その走りはできるはずですし、しなくてはいけないと思っています。全戦全勝を目指していたので、その目標が、2戦目で途絶えてしまったので悔しいです。今日は悔やむだけ悔やんで、思いっきり泣いて次に進みます。今後のレース、全部勝てばチャンピオンになれると思うので、そこを目指します」

長島哲太(J-GP3 優勝)「開幕戦はトップ争い中に転倒してしまい、ものすごく悔しい思いをしたので、ここは絶対に勝たなければならないと思っていました。スタートは思うようにはいかず、1コーナーで刺されそうになったのですが、ここは絶対に抜かされるわけにはいなかいと抑えました。1ラップ目で2位以下を離すことができないと自分のペースで走りきることができないと思ったからです。後ろとの差を確認しながら確実に勝つことを考えて走りきりました。レース中にレコード更新を狙っていたのですが、それはできなかったのが残念です。ですが、最終ラップまでタイヤを持たせるという課題はクリアでき、マシンのセットアップも、自分の走り方にも自信が持てたのは収穫です。GPは周回数が多いので、今後対応できるようにしていきたいです」

山田誓巳(J-GP3 2位)「長島選手との差を詰めようとがんばったのですが、届かなかったので悔しいです。後ろとの差は気にせず、前を追いかけることだけに集中して走りきりました。今回のレースはアベレージも悪くなく、いいペースで走ることができたとは思うので、次は、長島選手に負けないようにしっかり走りたいと思います」

菊池寛幸(J-GP3 3位)「開幕戦の事前テストでケガをしてしまい治療に専念していました。マシンの確認など、やらなければならないことが多く大変な部分もありましたが、チームがうまくまとめてくれ決勝を走りきることができました。3位争いは激しく、ここの前に立とうと抜くポイントを見極めながら前に出ました。争っていた國峰はSRS(鈴鹿レーシングスクール)の生徒なので、負けるわけにはいかないとがんばりました。骨折した部分にワイヤーが入っているのですが、そこに痛みが残っているので、早く治して万全の状態で走りたいと思っています」

渡辺一馬(ST600 6位)「レースウイークの流れもよかったと思いますし、レコードも更新できました。スタートも悪くなかったのですが、1コーナーで接触を避けようとしたことで位置取りがうまくいかず、順位を落としてしまいました。ペースも悪くなかったと思うのですが、3位争いの中で、自分のペースを作ることができず、仕掛けられませんでした。現状の中では精一杯に走ったと思いますが、このままでは勝てないという事実を受け止めて、1歩でも2歩でも前進できるようにがんばっていきたいと思います」

小林龍太(ST600 7位)「予選グリッドが悪い状況でスタートはうまくいったのですが、タイヤのマネージメントが思うようにいかず、ペースを落とさなければチェッカーを受けることが難しくなってしまいました。それでも、レースをコントロールするためのヒントをつかむことができたので収穫があったレースだと思います。きっちり走り込んで、今回のレースで見つけたヒントを自分のものにし、次に生かしたいと思います」

決勝

JSB1000

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 21 中須賀克行 ヤマハ 28:19.943
2 71 加賀山就臣 スズキ +10.522
3 104 山口辰也 Honda +13.687
4 87 柳川明 カワサキ +24.943
5 01 芹沢太麻樹 カワサキ +35.236
6 32 今野由寛 スズキ +38.699

ST600

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 15 津田拓也 スズキ 24:28.051
2 65 C.ポラマイ ヤマハ +1.482
3 30 D.クライサルト ヤマハ +9.031
4 9 岩崎哲朗 カワサキ +9.563
5 43 中冨伸一 ヤマハ +10.167
6 3 渡辺一馬 Honda +15.499

J-GP2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 26 渡辺一樹 カワサキ 24:17.923
2 16 中本郡 ヤマハ +0.311
3 31 野左根航汰 ヤマハ +7.824
4 2 関口太郎 TSR +8.779
5 34 岩田悟 Honda +22.486
6 14 大木崇行 Honda +22.486

J-GP3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 45 長島哲太 Honda 25:04.868
2 5 山田誓己 Honda +4.387
3 6 菊池寛幸 Honda +21.836
4 3 仲城英幸 Honda +23.107
5 634 徳留真紀 Honda +23.174
6 4 山本剛大 Honda +23.269

ポイントスタンディング

JSB1000

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 中須賀克行 ヤマハ 72
2 高橋巧 Honda 61
3 加賀山就臣 スズキ 60
4 柳川明 カワサキ 56
5 山口辰也 Honda 52
6 須貝義行 ドゥカティ 36

ST600

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 C.ポラマイ ヤマハ 47
2 D.クライサルト ヤマハ 42
3 津田拓也 スズキ 36
4 渡辺一馬 Honda 33
5 岩崎哲朗 カワサキ 33
6 國川浩道 Honda 31

J-GP2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 渡辺一樹 カワサキ 47
2 関口太郎 TSR 38
3 岩田悟 Honda 34
4 浦本修充 Honda 33
5 中本郡 ヤマハ 33
6 野田弘樹 TSR 28

J-GP3

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 山本剛大 Honda 40
2 徳留真紀 Honda 38
3 亀井雄大 Honda 32
4 森俊也 Honda 27
5 長島哲太 Honda 25
6 渥美心 Honda 23