全日本ロードレース選手権第2戦は二輪と四輪の国内最高峰レースが同時開催される鈴鹿2&4レースで、JSB1000のみの大会となる。エントリー台数は70台、走行台数は66台に上り予選はA、B組の2組に分けられて行われた。
フリー走行はドライで行われたが、強い風が縦横無尽に吹き荒れ、満開の桜が大きく揺れるコンディションとなった。午前、午後の走行が行われ、総合で中須賀克行選手(ヤマハ)が2分10秒053でトップタイムの1位。2番手に山口辰也選手(ホンダドリームカストロールRT)で2分10秒090、3番手に秋吉耕佑(スズキ)選手、4番手に渡辺篤選手(スズキ)でスズキ勢が続いた。5番手小西良輝選手(team HARC-PRO.)で、ここまでが10秒台。以下、6番手徳留和樹選手(ホンダドリーム無限RT)、7番手出口修選手(DyDo MIU Racing)、8番手辻村猛選手(F.C.C.TSR)、9番手亀谷長純選手(Team 桜井ホンダ)、10番手柳川明選手(カワサキ)となった。昨年度チャンピオンの伊藤真一選手(KEIHIN Kohara R.T.)は12番手となった。
予選は天気予報通りに雨となり、ウエットコンディションとなった。午前中は強い雨であったが、午後には降ったり止んだりの天候となった。A、B組でコンディションが違うため、頭取で決勝グリッドが決められることになった。ポールポジションは秋吉選手で、雨量が少なくなり、乾き始めた路面コンディションとなったときにタイヤ交換する作戦が功を奏し、A組トップとなる1分23秒233でポールポジションを獲得。2番手はオフのケガも癒え始めた辻村選手がB組トップタイムを叩きだした。3番手に渡辺選手、4番手に小西選手でフロントロー、5番手に亀谷選手、6番手徳留選手、7番手伊藤選手、8番手出口選手、9番手柳川選手、10番手には山口選手となった。決勝の天気予報は午後から晴れというもの。スタートは12時50分、午前の雨の状況で路面コンディションが読めない。ライダーの技量、チームの対応力、タイヤ選択と、様々な要素が絡み合うサバイバルレースとなると思われていた。
決勝朝のウオームアップランは、昨夜からの雨は上がったが、路面は濡れたままのウエットコンディションで行われた。トップは秋吉選手、2番手には出口選手が浮上、3番手は徳留選手が2分25秒台で、4番手山口選手、5番手亀谷選手、6番手に伊藤選手が続いた。小西選手は9番手、辻村選手は10番手となった。
決勝スタート時には路面が乾き、ドライコンディションとなる。シグナルグリーンと同時に小西選手が絶妙なスタートを見せるが、ホールショットは渡辺選手。それに秋吉選手、辻村選手が続いた。スタート直後の1コーナーで2台が転倒し波乱の幕開け。秋吉選手がトップでファーストラップを通過してレースをリードしようとするが、S字で染み出た水に乗り転倒、その横をトップグループが通過するが、直後に同じ場所で手島雄介選手(F.C.C.TSR)が転倒。さらに、そこに2台が突っ込む多重クラッシュとなり赤旗中断となる。
レースは全17ラップのまま再スタート。小西選手が飛び出し、ホールショットは渡辺選手、徳留選手、辻村選手、伊藤選手が数珠繋ぎとなって続いた。渡辺選手がトップでレースを引っ張るが、5番手から伊藤選手がグイグイとペースを上げ、3ラップ目には渡辺選手の背後に迫る。5ラップ目にその差は1秒を切り、6ラップ目にはシケインで渡辺選手を抜きトップを奪う。首位に立った伊藤選手はそのまま逃げようとするが、メインストレートで渡辺選手に並ばれて、1コーナーで首位を明け渡す。そのふたりの攻防に秋吉選手が追いついてきて、3台のし烈なトップ争いとなる。得意のシケインで伊藤選手が渡辺選手を捕らえた。再びストレートで抜かれてしまうが、12ラップ目にはトップに立った後は、渡辺選手との差を広げていった。
伊藤選手は、そのままリードを広げ、逃げ切りの優勝。2位には渡辺選手、3位にはスタートの出遅れからばん回し、後半のスパートで秋吉選手を捕らえた山口選手が入り、伊藤選手、渡辺選手、山口選手が表彰台に上った。以下、4位秋吉選手、5位中須賀選手、6位出口選手、7位亀谷選手、8位柳川選手、9位小西選手、10位に徳留選手、11位に辻村選手の順となった。
|