Round05日本HSR九州大会

IA1 決勝

2018年6月10日(日)

HSR九州(熊本県)
天候:曇り一時雨
気温:27度
コースコンディション:ドライ一時ウエット
観客:5800人

Team HRCの山本鯨が待望の今季初優勝&両ヒート制覇

開幕戦の地を再訪した全日本モトクロス第5戦はホンダセーフティ&ライディング・プラザ九州が主催する、HSR九州大会として実施されました。梅雨入りに加えて、台風の接近による荒天が心配された週末となり、土曜は快晴、日曜は概して曇り空で、強い雨が降る時間帯もありました。

HSR九州のモトクロスコースには、路面整備の一環として新たに3種類のサンド(山砂、川砂、海砂)が運び込まれました。サンドが追加された路面は、金曜までの降雨で水分量が増えたため、土曜はコース前半のハイスピードセクションを温存し、後半のテクニカルセクション部分のみでプラクティスやレースが行われました。日曜にはフルコースが解禁となり、Honda勢による全クラス制覇(IA1/IA2/IB OPEN/LADIES)という快挙が実現されました。

●ヒート1
スタートとほぼ同時に雨が降り始め、徐々に路面状況と視界が変化する中でレースが進行。田中雅己(TEAM ナカキホンダ)がホールショットを奪い、これに山本鯨(Team HRC)、新井宏彰(カワサキ)、小方誠(カワサキ)、大塚豪太(T.E.SPORT)、ポイントリーダーの成田亮(Team HRC)が続くと、山本と新井が田中を抜いて1周目をクリアしました。

2周目、田中は小方の先行を許して4番手に後退。その後方には、大塚と成田が続きました。山本と新井と小方は、それぞれ3~4秒ほど間隔を開けて、縦に長いトップグループを形成。4周目の段階で、田中は小方から約8秒遅れ、大塚は8番手まで後退。田中のすぐ後ろには成田が続きました。そして7周目、田中を僅差で追っていた成田が逆転に成功しました。

この7周目の段階でも依然として、トップグループの3台は3~4秒ほどの間隔でしたが、翌周から2番手を走る新井がペースダウン。9周目に小方が新井を抜くまでの間に、山本はリードを約6.5秒に拡大しました。雨が激しくなったレース終盤、山本はリードをキープ。16周でレースはチェッカーとなり、山本が今季初優勝を挙げました。成田は、先行を許した深谷広一(スズキ)をラスト2周で抜き返し、4位でゴールしました。

●ヒート2
ホールショットを決めた山本に、田中や小島庸平(Bells Racing with MORIWAKI)らが続くと、田中と小島はやや順位を下げ、1周目を山本、新井、小方、田中、成田、小島の順でクリア。2周目、田中は小島に次ぐ6番手にポジションを落とし、山本と新井と小方と成田が、後続を少し引き離してトップグループを形成しました。

3周目以降、成田は先頭集団から少しずつ遅れ、4周目に小方が新井を抜くと、山本と小方と新井のトップ争いは接近戦となりました。コース後半のリズムセクションでは小方や新井が優勢で、ダイナミックなレイアウトのコース前半では互角の戦い。6周目には、山本が小方の先行を許しましたが、翌周にはすぐ再逆転しました。

その後、一度はトップグループの間隔が微妙に開きましたが、10周目あたりから再び三つ巴のバトルが勃発。すると12周目、トップの山本が突如として前の周より3秒近くラップタイムを上げました。このペースチェンジでまずは新井が遅れ、優勝争いは山本と小方のマッチレース。最後まで山本が順位を守り、再び勝利を収めました。成田はレース後半にタイムを落とし、最終ラップに小島が逆転。小島が4位、成田が5位となりました。

コメント

山本鯨(IA1・優勝/優勝)
山本鯨「決勝を走る前から、今回こそ勝てるという自信を持って臨める状態だったのですが、レースは天候の変化やアクシデントを含め、予想できないことが多くあるので、気負わず、集中して決勝に臨みました。ヒート1は、序盤から自分が思い描いた通りの展開に持ち込めましたし、ツキもあったと思います。ヒート2は小方選手とのトップ争いとなり、小方選手のほうが速いセクションがあったので、そこで抜かれても逃げられないようすぐ抜き返すという状態でした。レース前半、フープス直後のダブルジャンプを自分は跳ばずにいました。ここは路面が滑りやすいためリスクが大きく、跳ばずにほかのセクションでどうにかならないかと試行錯誤していたのですが、小方選手と新井選手が速かったので、最終的には自分も跳ぶ決断をしました」

成田亮(IA1・4位/5位)
成田亮「ヒート1は序盤からペースが上がらず、前を走っていたライダーにペースを狂わされたような部分もありました。スタートと同時に雨が強くなり、途中で捨てレンズがなくなってしまったのですが、最後までゴーグルは外さないように心がけて完走しました。ヒート2は、途中で足を痛めたことでトップ集団から遅れてしまいました。ここはHondaのホームコースではあるのですが、自分はあまり得意ではなく、それでも昔からゲンのよいコース。そう考えると今回は、たまたまゲンが悪かったと言えるかもしれません。これでしばらくインターバルがあるので、個人的なトレーニングで石垣島、チームの乗り込みで北海道を訪ねる予定です。今回は山本選手と能塚選手が両ヒート優勝を決め、チーム全体がいい雰囲気になっているので、全員で勝利を目指していきたいと思います」

芹沢勝樹(Team HRC監督)
「IA1では、山本が今季初勝利を挙げました。開幕戦から前戦まで、山本のポテンシャルをしっかり発揮できるマシンに仕上げることができず、申し訳ない気持ちでいたのですが、スタッフや開発チームのおかげでマシンの状態がまとまってきました。同時に山本が自身の力をすべて出しきったことで、両ヒート優勝という結果につながったと思っています。成田は、予選で実は手首を痛めてしまったのですが、この厳しい状況でも大きくポイントを取りこぼすことなく決勝を走りきりました。今回に関してはこれで十分な内容だったと思っています。IA2の能塚は、今季初の両ヒート制覇を達成しました。現時点では、満足できる結果だと思います。ただし、100点ということではありません。もっともっと、果てしなくレベルを上げてほしいと願っています。再び世界選手権に挑戦できる器のライダーになったとき、初めて全日本で100点という評価になると思っています」

リザルト

ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山本鯨Honda1634'11.637
22小方誠カワサキ16+00'06.830
3331新井宏彰カワサキ16+00'24.629
4982成田亮Honda16+00'54.216
57深谷広一スズキ16+00'57.260
68星野裕カワサキ16+00'59.687
7113田中雅己Honda16+01'06.430
8155大塚豪太Honda16+01'12.739
9793池谷優太KTM16+01'31.342
10777H.ナイトKTM16+01'35.682
1115小野千成Honda16+02'04.939
1219馬場大貴Honda16+02'06.789
 
1575道脇白龍Honda15+1Lap
RT 14長門健一Honda3DNF
RT 44小島庸平Honda1DNF

ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山本鯨Honda1532'09.944
22小方誠カワサキ15+00'01.196
3331新井宏彰カワサキ15+00'13.986
444小島庸平Honda15+00'41.564
5982成田亮Honda15+00'42.538
68星野裕カワサキ15+00'45.219
77深谷広一スズキ15+00'54.975
8113田中雅己Honda15+00'58.935
9155大塚豪太Honda15+01'02.030
10793池谷優太KTM15+01'43.301
 
1219馬場大貴Honda14+1Lap
1475道脇白龍Honda14+1Lap
1815小野千成Honda14+1Lap

ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1982成田亮Honda219
21山本鯨Honda204
3331新井宏彰カワサキ199
42小方誠カワサキ194
5166星野優位ヤマハ140
68星野裕カワサキ128
7155大塚豪太Honda127
844小島庸平Honda115
9113田中雅己Honda104
10793池谷優太KTM96
1419馬場大貴Honda66
1814長門健一Honda46
1915小野千成Honda40
2275道脇白龍Honda19

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