2012年8月5日(日)・決勝 会場:ミッドオハイオ・スポーツカー・コース 天候:晴れ 気温:24〜25℃
2012年IZODインディカー・シリーズ第12戦Hondaインディ200が、オハイオ州のミッドオハイオ・スポーツカー・コースで開催されました。全長2.258マイルのサーキットは、高速から低速までさまざまなコーナーを備えています。そのコースを85周してレースは争われました。
決勝日、朝のウオームアップは雨に見舞われ、レースも雨の影響を受ける可能性がありました。しかし、ドライコンディションでスタートは切られ、ゴールまでついに雨が降ることはありませんでした。
エドモントンに続いてフルコースコーションが一度も出されなかったレースは、ハイペースの接近戦となりました。燃費セーブが重要となる、インディカーならではの見応えあるバトルとなりました。
スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、4番手スタートでしたが、序盤の燃費セーブを成功させ、1回目のピットストップを終えた時点で2番手へと浮上。ポールポジションからトップを守り続けていたウィル・パワー(Team Penske/シボレー)を追いかけました。そして、57周目に行った2回目のピットストップで、パワーをパスしてトップに躍り出ると、一気に差を広げ、今季2勝目、ミッドオハイオでの2年連続、通算4回目の勝利を達成しました。
予選3番手から3位でゴール、今シーズン3回目の表彰台に上ったのは、ルーキーのシモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)でした。今年のHondaインディ200では、2人のHondaドライバーが表彰台に上りました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)にとって今年のミッドオハイオは厳しいレースとなってしまいました。予選からマシンバランスに苦しみましたが、それは決勝でも解消されませんでした。それでも佐藤はポジションを入れ替えながら、粘りの走行を続けて13位完走を果たしています。
ポイントリーダーとして第12戦を迎えたライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport/シボレー)がマシントラブルにより24位に終わったため、パワーがポイントトップに返り咲きました。しかし、ポイントランキング4位につけるディクソンまでが28点という小さな差にひしめいています。チャンピオン候補はどうやらこの4人に絞り込まれたようですが、まだまだ順位変動は十分に可能な状況。残る3レースでは激しいポイント争いが行われることとなります。
スコットディクソン(優勝)「ミッドオハイオでまた勝つことができました。ここは私が大好きなコースですが、速く走れる理由はChip Ganassi Racingにあると思います。私たちのチームは、このコースでずっと好成績を挙げ続けているんです。どんなマシンに仕上げることが必要なのか、それを深く理解しているのだと思います。今日は2回目のピットストップで2番手からトップにポジションを上げ、そこからは一気にリードを広げてゴールを切りました。ピットアウト直後、あまりにすんなりとリードを広げることができたので、自分は燃費セーブの数字を間違えているのではないかと心配になったほどでした。ピットストップでウイングの角度変更やタイヤの空気圧調整を行ったことで、マシンは完ぺきな状態に仕上がっていました。仮に2番手のままピットアウトしていたとしても、私たちは逆転勝利を飾れていたと思います。今日のレースによってチャンピオン争いがさらにし烈になりましたね。トップ4が28点差の中にいるのですから、残る3戦はファンにとって本当にエキサイティングになると思います」
佐藤琢磨(13位)「厳しいレースでした。クルーはハードワークをこなしてくれましたが、残念ながら私たちのマシンには、あと一歩のスピードがありませんでした。マシンのバランスがいい状態でスタートしても、途中からそれが崩れ出していました。スイートスポットが非常に小さいマシンとなっていて、周回を重ねるとグリップが失われていきました。今日は何台かをオーバーテイクできましたが、逆に何台かにパスを許しもしました。レース終盤にいくつかポジションを上げられたのはよかったのですが、それだけではまだ十分ではありません。来週、カリフォルニア州ソノマで行うテストを楽しみにしています。そこでロードコース用セッティングについての理解度を深め、第13戦に臨みたいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター「ミッドオハイオ・スポーツカー・コースにおいて、スコット・ディクソンとChip Ganassi Racingがすばらしい勝利を達成してくれました。今週は私たちHondaにとって、もうこれ以上ないという最高の週末となりました。メインイベントであるインディカーのHondaインディ200で優勝できただけでなく、ミッドオハイオで開催されたサポートレースにおいても出場したすべてのクラス、そしてレースで勝利を飾ることができたのです。サーキットの近くにあるHondaファクトリーで働く大勢の人々がサーキットまで応援に来てくれたおかげだと思います。Hondaインディ200は燃料管理が厳しいレースとなっていましたが、私たちのシングルターボ・エンジンを使うディクソンと彼のチームは、非常にスマートに戦っていました。彼らは最後のピットストップでトップに躍り出るや、2位を全く寄せつけずに優勝のゴールへと飛び込んでくれたのです。ルーキーのシモン・パジェノーも見事に燃費セーブとスピードの両立を果たし、今季3度目の表彰台に上りました。残るレースは3戦、チャンピオン争いはポイント差が縮まり、さらにし烈になっています。最終戦まで気を抜くことのできない激しい戦いが続くことでしょう」
順位 | No. | ドライバー | チーム | エンジン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | Honda | 01:39:48.5083 |
2 | 12 | W.パワー | Team Penske | シボレー | +3.4619 |
3 | 77 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | Honda | +4.5402 |
4 | 7 | S.ブルデー | Dragon Racing | シボレー | +5.5822 |
5 | 27 | J.ヒンチクリフ | Andretti Autosport | シボレー | +7.5663 |
6 | 11 | T.カナーン | KV Racing Technology | シボレー | +12.3280 |
7 | 2 | R.ブリスコー | Team Penske | シボレー | +27.9601 |
8 | 26 | M.アンドレッティ | Andretti Autosport | シボレー | +28.1691 |
9 | 4 | J.R.ヒルデブランド | Panther Racing | シボレー | +29.2325 |
10 | 98 | アレックス・タグリアーニ | Bryan Herta Autosport | Honda | +31.1722 |
11 | 38 | グレアム・レイホール | Chip Ganassi Racing | Honda | +31.4387 |
12 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | Honda | +32.0754 |
13 | 15 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | +32.4073 |
14 | 83 | ジョルジオ・パンターノ | Chip Ganassi Racing | Honda | +33.9166 |
17 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | Honda | +36.9834 |
18 | 18 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | Honda | +42.0974 |
19 | 19 | ジェームズ・ジェイクス | Dale Coyne Racing | Honda | +46.4304 |
21 | 14 | マイク・コンウェイ | A.J. Foyt Enterprises | Honda | +46.9535 |
順位 | ドライバー | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | W.パワー | Team Penske | 379 |
2 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | 374 |
3 | H.カストロネベス | Team Penske | 353 |
4 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 351 |
5 | J.ヒンチクリフ | Andretti Autosport | 316 |
6 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | 311 |
7 | T.カナーン | KV Racing Technology | 307 |
8 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | 271 |
9 | R.ブリスコー | Team Penske | 267 |
10 | グレアム・レイホール | Chip Ganassi Racing | 256 |
11 | O.セルビア | Panther DRR Racing | 237 |
12 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | 234 |
13 | J.R.ヒルデブランド | Panther Racing | 233 |
14 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman Lanigan Racing | 233 |
15 | M.アンドレッティ | Andretti Autosport | 227 |
16 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | 216 |
17 | R.バリチェロ | KV Racing Technology | 215 |
18 | アレックス・タグリアーニ | Bryan Herta Autosport | 214 |
19 | マイク・コンウェイ | A.J. Foyt Enterprises | 203 |
20 | E.J.ヴィソ | KV Racing Technology | 198 |
21 | E.カーペンター | Ed Carpenter Racing | 187 |
22 | ジェームズ・ジェイクス | Dale Coyne Racing | 184 |
23 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | 174 |
24 | S.ブルデー | Dragon Racing | 149 |
25 | S.デ・シルベストロ | HVM Racing | 147 |
26 | K.レッグ | Dragon Racing | 103 |
27 | A.ベアトリス | Andretti/Conquest Racing | 28 |
28 | タウンゼント・ベル | Schmidt Hamilton Racing | 26 |
29 | ミシェル・ジョルダイン | Rahal Letterman Lanigan | 16 |
30 | ジョルジオ・パンターノ | Chip Ganassi Racing | 16 |
31 | S.サーベドラ | Andretti Autosport | 14 |
32 | J.アレジ | Fan Force United | 13 |
33 | ブライアン・クラウソン | Sarah Fisher Hartman Racing | 13 |
34 | ウェイド・カニンガム | A.J. Foyt Enterprises | 13 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 96 |
2 | Honda | 84 |
3 | ロータス | 48 |