モータースポーツ > インディカー・シリーズ > インディカー・シリーズ 新時代の幕開け 2015シーズンプレビュー > テストレポート

インディカー・シリーズ

2015年インディカー オープンテスト レポート

新エアロキットを装着しての2日間の合同テストで
グレアム・レイホールが7番手、佐藤琢磨が10番手につける

2015年3月16日(月)、17日(火)
会場:バーバー・モータースポーツ・パーク(全長2.3マイル)
天候:快晴 気温:18〜28℃

今年もインディカー・シリーズは2015年シーズン開幕目前の合同テストを開催しました。場所はアメリカ南部のアラバマ州のバーミンガムにたたずむ美しいロードコース、バーバー・モータースポーツ・パーク。アップダウンに富むチャレンジングな高速ロードコースに9チーム・23台のインディカーが集結し、熱気に満ちた2日間のテストが行なわれました。

今シーズンからインディカーは空力性能を大きく向上させるエアロキットを装着しての戦いになるため、全く新しいものになったマシンのデータを少しでも多く集めようと、各チームとも全長2.3マイルのコースでさまざまなトライを重ねました。1日につき与えられる走行時間は7時間にも及び、集まった23台が重ねたラップ数は、2日間でトータル2832周にも及びました。

今年のテストは2日間とも快晴で、日中の大半は半袖で過ごすことさえ可能なほどの暖かさに恵まれました。おかげで参加チームはどこも着実にテストプログラムをこなすことができ、21人のドライバーが、2014年シーズンにバーバー・モータースポーツ・パークで行なわれた予選で記録されたポールポジションタイムを上回りました。

Hondaチームは6チーム、11台がテストに参加し、1分07秒6203のベストラップを2日目の走行時間終了間際にマークしたグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が全プラクティス総合での7番手につけました。

佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)はインディカー・シリーズ参戦5年目を迎えます。A.J. Foyt Racing からの出場は3シーズン目とあって、クルーたちとの息もぴったり合っています。テスト2日目の午前中までデータ収集に努め、2日目午後のプラクティスセッションでマシンセッティングを大きく向上させ、1分07秒6638のベストでセッション7番手、2日間総合の10番手につけました。

魅力的なエアロキットを作り出したのはインディカー・シリーズに参戦するエンジン・マニュファクチャラー2社です。今シーズンもエンジンは2ブランドが存在するのですが、異なるマシンを使う状況でも、トップタイムから1秒の中に21人のドライバーがひしめく結果となりました。3月29日に決勝が行われる開幕戦セント・ピーターズバーグから、インディカー・シリーズはより速く、そしてさらに激しいバトルが繰り広げられることになるでしょう。

コメント

グレアム・レイホール(総合7番手)
「2日目の最終プラクティスで5番手に食い込むタイムを出すことができ、とても喜んでいます。バーバー・モータースポーツ・パークは私たちが苦手にしていたコースですが、今回のテストでは2日間の総合でも7番手につけることができ、手応えを感じています。チームのクルーたちが力を発揮してくれました。彼らのがんばりを誇りに思います。テストではできる限り多くの項目を試し、新しいエアロキットを装着したマシンについてより多くを学び取りたいと考えていました。そして、その狙い通りに私たちは大きな成果を挙げることができたと感じています」

佐藤琢磨(総合10番手)
「2日間のテストを行い、トップ10入りするタイムを出せたことはうれしいですね。私たちはこのテストの直前にニューオリンズの新しいコースで新しいエアロキットをまとったマシンのシェイクダウンを行いました。バーバー・モータースポーツ・パークは何度もレースをしてきたコースですから、昨年までの走行データとの比較も行いながらマシンのセットアップを進めていきました。空力性能が大幅に変わったマシンのため、スピードアップには多くの時間が必要でした。しかし、1日半をかけて集めたデータによって、2日目の午後には走り込んだタイヤでも好感触が得られ、速いラップタイムを刻めるようになりました。今年からチームメートがいて、より多くのテスト項目をこなしてデータ収集を行えた結果です。テストの最後には新品タイヤを続けて装着し、比較テストを行うこともできました。来週に入ってからもう1回、今度はストリートコース用のテストを行って開幕戦のセント・ピーターズバーグに向かいます」

アレン・ミラー:HPDレースチームリーダー
「今年のインディカー・シリーズで使用されるマシンは、2014年までのものとは大きく異なっています。Hondaエアロキットを装着した上に、エンジン自体も大幅な進歩が実現されているからです。新しい空力と新しいエンジンの組み合わせで走る初めてのチャンスとなった今回のテスト、2日間で私たちは本当に多くのことを学びました。しかし、まだまだ学ぶべきことはたくさんありますから、来週にはフロリダ州セブリングとルイジアナ州ニューオリンズ、ふたつのコースでテストを行うことにしています。それらを終えることで、私たちはセント・ピーターズバーグでの開幕戦を迎える前に、自分たちのマシンに関する理解度をより一層深めることができるでしょう」

スティーブン・エリクセン:HPD副社長 チーフオペレーティングオフィサー
「2日間のテストでHondaエンジン、そして新しいエアロキット、いずれにもトラブルは一切ありませんでした。とても充実した、収穫の多いテストでした。その上、Hondaドライバー、そしてHondaチームがすばらしいパフォーマンスを発揮してくれました。新しいエアロキットを装着しての走行は、どのチームもまだ始めたばかりですが、だれもが多くを学び取り、2日間でマシンの性能を飛躍的に向上させていました。最終セッションの終了間際、多くのチームがベストラップを更新していましたが、最終的にHondaドライバーのトップは、そのセッションでのトップと0.2秒少しの差に迫っていました。パフォーマンスの差は充分に逆転が可能だと感じられるものでした。この後に2〜3日間テストをするともう開幕戦です。時間的余裕がほとんどないタイトなスケジュールで戦いは始まります。しかし、今回のテストでHondaチームが目覚しい進歩を見せてくれ、2015年シーズンに向けて、大いに勇気づけられました」