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August 29 2014, QUALIFYING MAVTV 500
フォンタナ
2014年8月29日(金)・予選 会場:フォンタナ・オートクラブスピードウェイ 天候:快晴 気温:36℃
2014年のインディカー・シリーズ全18戦は、5カ月という短い時間の中に収まるタイトスケジュールのため、今週末に最終戦を迎えます。今年もシーズンフィナーレの舞台は、カリフォルニア州ロサンゼルスから内陸に50マイルほど入ったフォンタナ・オートクラブスピードウェイです。このサーキットはコーナーに最大14度のバンク(傾斜)がつけられた全長2マイルのスーパースピードウェイです。フォンタナを走るインディカーの最高速度は220mphに達するため、予選では徹底的に空気抵抗を減らしたマシンを限界ギリギリに保って操るスキルが試され、レースではインディカーならではの超高速接近戦が繰り広げられます。
まだ夏真っ盛りの南カリフォルニア。今週末のロサンゼルス近郊は気温が高く、午前10時にプラクティスが始まる時点ですでに30℃を越えていました。雲一つない空から太陽が照りつけ、午後2時15分からの予選では気温が36℃にも達しました。空気は乾燥しており、まさに肌を焦がすような暑さの中で、出場全ドライバーが単独走行による2周連続アタックを行いました。
朝から熱せられ続けたコースでは、タイヤのグリップを2周にわたって十分に発揮させ続けるのが難しく、マシンを大きくスライドさせてタイムロスするドライバーが続出しました。その中から17番目にコースインしたジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)が2周平均で217.600mphをマークして予選3番手、フロントロー外側のグリッドを獲得しました。ニューガーデンはピットからウォームアップする1周のスピードをコントロールし、アタック1周目に216.856mphを記録。2周目にはそれを218.349mphに上げました。1台体制のチームで走るニューガーデンですが、フロントローグリッド獲得は今シーズン4度目となりました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、午前中のプラクティスではマシンが不安定な挙動を示していましたが、予選に向けてエンジニアとともにセットアップを再検討し、大幅な変更を施す決断を下しました。それが見事に的中し、佐藤は1周目に217.904mphを記録。2周目も216.745mphとスピードダウンを小さく抑えて走りきることに成功しました。2周の平均速度は217.323mphで、佐藤は予選4番手。フロントローこそ惜しくも逃しましたが、2列目イン側という好位置にグリッドを確保しました。
このほかにもHondaドライバーたちは、8番手にルーキーのミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)、9番手に2011年にフォンタナで優勝しているライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)がつけてグリッド3列目に並び、10番手は先週のソノマでトップを快走したグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)、11番手はジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)と、グリッド4列目にもHondaドライバーの2人がつけました。
ジョセフ・ニューガーデン(3番手)
「私たちのチームは、コンスタントに予選で上位につけられるようになっています。しかし、まだ頂点であるポールポジションに手が届いていません。今日はその大きなチャンスでした。非常に暑いコンディションとなり、どのラインがベストなのかをだれも知らない状況になっていたからです。コーナーの高い位置を走るドライバーもいれば、低いラインにトライするドライバーもいました。真ん中を走るドライバーさえ見られ、走りながらラインを変えるケースまでありました。私たちは2周目が1周目より断然、速かったのですが、私が1周目からターン1とターン2でいいラインを選べていたら、タイヤのグリップも高い状態だったので、もっと速く走ることができていたでしょう。走り終わっているから言えることですが、今日の私たちには本当にポールポジションを獲得するチャンスがあり、それを逃してしまったと感じています。クルーたちがすばらしいマシンを作り上げてくれていただけに、とても悔しい思いです」
佐藤琢磨(4番手)
「予選で4番手になったことを、とても喜んでいます。しかし、正直なところ、本当に難しいアタックでした。先に走ったドライバーたちがコースコンディションに相当、手を焼いていました。フォンタナ恒例の強い風が時折り吹きつけていたのと、今日は気温が本当に高くなっていたからです。タイヤのグリップをいかに管理するかが今日の予選では重要になっていました。私たちは朝のプラクティスで予選用セットアップを試したのですが、マシンがボトミングし、大きくスライドするドライビングの非常に難しい状態になっていました。そこでエンジニアと走行データをもう一度よく見直し、予選には大きくセットアップを変えて臨みました。クルーたちが最高のマシンを作り上げてくれたおかげで、予選ではドライビングが本当にしやすくなっており、自信を持ってアタックができました。計測1周目は限界ギリギリを保っての走りができ、2周目では少しだけマシンが暴れました。それでラップタイムが少し下がりましたが、よいスピードを保ってアタックを終えることができました。グリッド2列目は期待をしていた以上のスターティンググリッドです。今日のファイナルプラクティスで決勝用マシンのセットアップもよいものに仕上げたいと思います」
アート・セントシアー|HPD社長
「ジョセフ・ニューガーデン、そしてSarah Fisher Hartman Racingがすばらしい予選を、またしても戦ってくれました。彼らは戦闘力を高め、4戦続けて予選でのHonda勢トップとなりました。彼らのパフォーマンスに拍手を送りたいと思います。佐藤琢磨とA.J. Foyt Racingも予選4番手の好位置につけました。朝のプラクティスでは苦戦をしていましたが、予選ではアタック1周目に暫定ポールポジションにつく見事なラップタイムを記録しました。2周目のスピードが少し下がりましたが、4番手はすばらしい結果です。明日は500マイルの長いレースです。昨年と同様に、エンジンにクリーンエアを供給し続けることが勝利のカギとなるでしょう。HPDとしては対応策もいくつか施していますので、暑さの中での過酷な戦いとなるでしょうが、全チーム、全ドライバーが活躍をしてくれるものと期待しています」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 1'05.8918 |
2 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 1'06.1700 |
3 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 1'06.1765 |
4 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 1'06.2607 |
5 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 1'06.3420 |
6 | 83 | C.キンボール | シボレー | 1'06.3544 |
7 | 10 | T.カナーン | シボレー | 1'06.4032 |
8 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 1'06.4432 |
9 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 1'06.5726 |
10 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 1'06.5746 |
11 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 1'06.6983 |
13 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 1'06.7433 |
16 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 1'07.1371 |
17 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 1'07.2354 |
18 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 1'07.2556 |
19 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 1'07.2926 |
22 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 1'11.1749 |