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インディカー・シリーズ

round 12

SCHEDULE

July 12 2014, RACE Iowa Corn Indy 300

アメリカアイオワ

終盤の大逆転でライアン・ハンターレイが今季3勝目、ジョセフ・ニューガーデンが2位
Hondaは今シーズン4度目の1-2フィニッシュでシーズン6勝目
佐藤琢磨はアクシデントに巻き込まれてリタイア

2014年7月12日(土)・決勝  会場:アイオワ・スピードウェイ  天候:曇り、ときどき雨  気温:21〜27℃

アイオワ州の州都デモインから40マイルほど西にある全長0.894マイルのショートオーバルであるアイオワ・スピードウェイで、インディカーの2014年シーズン第12戦「アイオワ・コーン・インディ300」が開催されました。

  • ライアン・ハンターレイライアン・ハンターレイ
  • ライアン・ハンターレイライアン・ハンターレイ
  • ライアン・ハンターレイライアン・ハンターレイ
  • ジョセフ・ニューガーデンジョセフ・ニューガーデン
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨

今年で8回目を迎えるアイオワでのレースは、周回数が50周増やされて300周、262.5マイルで争われました。レース序盤の小雨により26分間の赤旗中断が発生しましたが、リスタートが切られたあとはゴールまでハイスピードのレースが繰り広げられました。

ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)は、コーナーに14度と急なバンクがつけられたアイオワスピードウェイで2012年に優勝しており、今年の予選結果は13番手でしたが、レースに向けたマシンの仕上がりには自信を持っていました。彼はグリーンフラッグが振り下ろされると、1ラップ目だけで5台をパス。マシンのよさを確信して全力での走りを続けました。

レース終盤、残り周回数が30周を切ってから出されたフルコースコーション中の284周目、先頭集団がコース上にステイアウトしたのを見たハンターレイは、ピットロードへと滑り込み、ニュータイヤに交換しました。フレッシュなタイヤの高いグリップを武器として、ゴール前のバトルで勝負を仕掛けようという作戦に出たのです。

最後のリスタートが切られたのは291周目。ゴールまで10周の戦いに、9番手でハンターレイはレースに復帰しました。猛ダッシュをかけた彼は1周目だけで6番手に浮上し、次の周にさらに2台をパスすることに成功。294周目にトップ3入りし、297周目に2番手に上がりました。そして、ゴールまで2周の298周目、ついにトップに躍り出ました。チームの作戦力を味方につけ、ハンターレイは今季3勝目に一番乗りを果たし、ビクトリーレーンでトロフィーを高々と掲げました。

ジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)も284周目にピットでニュータイヤを装着しました。彼は11番手で最後のリスタートを迎え、9台も抜き去ってキャリアベストに並ぶ2位でゴール、今季初めて表彰台に立ちました。アイオワで、Hondaエンジンユーザーは1-2フィニッシュを飾ったのです。

そのほかにもすばらしい奮闘をみせたHondaドライバーたちがいました。昨年のアイオワで優勝しているジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)は、予選14番手から6位でフィニッシュし、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)も予選15番手から7位でのゴールを達成しました。

佐藤琢磨(A.J.Foyt Racing)は予選16番手で、グリッド8列目から決勝レースに臨みました。予選のあとに大きなセッティング変更を施したマシンで、佐藤はレース序盤を慎重に戦い、長いレースの最後にトップグループで競い合うレースを行おうと考えていたのですが、赤旗のあとのリスタートで前方を走っていたマシンがスピンし、佐藤の目の前に白煙とともに飛び出してきたために避けきれず、47周でアクシデントによるリタイアを喫しました。

コメント

ライアン・ハンターレイ(優勝)
「すごいナイトレースになりました。自分たちが優勝できたなんて、今でもまだ信じることができません。序盤にいくつか順位を上げることのできたレースでしたが、私たちのマシンはハンドリングが苦しいときが続き、7〜8番手からポジションを上げられずに苦しんでいました。しかし、レース終盤にチームオーナーのマイケル・アンドレッティが、タイヤ交換という大胆な作戦に出ました。それは大きなギャンブルだと感じましたが、リスタートからのバトルは本当に楽しめました。多くの周回をこなしたタイヤで走るライバルたちを、フレッシュタイヤを履く我々は右から左から次々とパスしていくことができたのです。トップまで手が届くかはギリギリでしたが、チームがベストの作戦を採用してくれ、ドライバーである私は全力で優勝を目指しました。そして、最高の結果を手に入れることができました」

佐藤琢磨(22位)
「こんなアクシデントに遭うなんて信じられないですね。スタートのあとに少し順位は落としましたが、今日は300周という長いレースでしたから、マシンの調子を確認しながらピットストップで徐々にセッティングをよくしていく計画でした。序盤のマシンはハンドリングがよくなかったものの、雨による赤旗が出されたことでリードラップに残り続けることができ、『さぁ、これから順位を上げていくぞ』と考えていたところでした。リスタートで1台のマシンに並びかけたとき、そのさらにイン側から突然、白煙とともにマシンがスピンしながら飛び出してきました。全く避けようがありませんでした。不運続きでクルーたちもモチベーションを保つのが大変だと思いますが、チーム全体で集中力を保ち、持てる力を投入し続けようと話し合いました。来週のトロントではなんとしても好成績を残したいと思います」

マーク・サワーズ|HPD シニア・マネジャー/チーフ・エンジニア プロダクション&コマーシャル・ディビジョン
「今晩のレースでは、人生と同じように、粘り強さが大きな意味と価値を持っていることを教えてくれました。ゴール前の10周という時点になって、タイヤを交換する作戦が突如として浮上しました。オーバーテイクの難しいレースとなっており、多くのほかのレースと同じように、予選順位と大きく変わらない順位での戦いが続いていましたが、Hondaエンジンを使ういくつかのチームがリスクを承知でタイヤを交換する作戦に出て、それが大きな効果を発揮しました。ライアン・ハンターレイ、そしてAndretti Autosportに『おめでとう』と言いたいと思います。また、ジョセフ・ニューガーデンとSarah Fisher Hartman Racingも最後まであきらめずに戦っており、見事な作戦力を発揮したことで2位フィニッシュを達成しました」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
128ライアン・ハンターレイHonda3002:01'58.8160
267ジョセフ・ニューガーデンHonda300+0.5814
310T.カナーンシボレー300+1.0676
49S.ディクソンシボレー300+2.7606
520E.カーペンターシボレー300+4.9819
627ジェームズ・ヒンチクリフHonda300+5.0135
715グレアム・レイホールHonda300+6.7976
83H.カストロネベスシボレー300+7.1408
98R.ブリスコーシボレー300+7.1896
1083C.キンボールシボレー300+7.6098
 
1177シモン・パジェノーHonda300+7.7794
1234カルロス・ムニョスHonda300+7.8190
1319ジャスティン・ウィルソンHonda300+11.2612
1598ジャック・ホークスワースHonda296+4Laps
1825マルコ・アンドレッティHonda229+71Laps
2018カルロス・ウエルタスHonda78+222Laps
217ミハイル・アレシンHonda47+253Laps
2214佐藤琢磨Honda47+253Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
13H.カストロネベスシボレー471
212W.パワーシボレー462
328ライアン・ハンターレイHonda439
477シモン・パジェノーHonda421
52J.P.モントーヤシボレー405
634カルロス・ムニョスHonda358
725マルコ・アンドレッティHonda337
89S.ディクソンシボレー331
98R.ブリスコーシボレー307
1010T.カナーンシボレー305
 
1127ジェームズ・ヒンチクリフHonda294
137ミハイル・アレシンHonda272
1419ジャスティン・ウィルソンHonda270
1567ジョセフ・ニューガーデンHonda260
1798ジャック・ホークスワースHonda242
1818カルロス・ウエルタスHonda234
1915グレアム・レイホールHonda228
2114佐藤琢磨Honda197
2416オリオール・セルビアHonda88
2526カート・ブッシュHonda80
295ジャック・ヴィルヌーヴHonda29
3068アレックス・タグリアーニHonda28
3116ルカ・フィリッピHonda24
3363ピッパ・マンHonda21
3441マーティン・プロウマンHonda18
3634フランク・モンタニーHonda8