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June 7 2014, RACE Firestone 600
テキサス
2014年6月7日(土)・決勝 会場:テキサス・モーター・スピードウェイ 天候:快晴 気温:31〜34℃
2014年シーズンの第8戦は、今季2戦目のオーバルレースです。全長1.5マイル、バンク角24度という急傾斜のバンクを持つテキサス・モーター・スピードウェイで、夜の8時前にスタートが切られるナイトレースが開催されました。アメリカ大陸の南部、メキシコ湾に面したテキサス州は6月ですでに真夏のような暑さで、夕涼みをしながらのレース観戦がファンの間には定着しています。今年もスタート前の夜7時30分の時点で気温がまだ30℃を超しており、陽が落ちて気温がゆっくりと下がっていく中、550qから600qにレース距離が伸ばされ、昨年より21周多い248周の長きにわたる高速バトルが繰り広げられました。
テキサス・モーター・スピードウェイでのレースの魅力は、そのハイスピードぶりにあります。時速210マイル以上を保って繰り広げられる一触即発の接近戦は、インディカー以外では味わえないものです。ジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)は昨年のテキサス戦で8位フィニッシュをしており、今年の予選では2番手でフロントロースタートを切りました。
決勝レースで大きな躍進をみせたのは、予選6番手のシモン・パジェノー(Schmidt Peterson Motorsports)でした。1回目のピットストップのあとに3番手までポジションを上げると、ゴールを目前に控えて出されたフルコースコーションの直後には5番手を走っていました。ここでチームは彼をピットへ呼び込むと、新しいタイヤを装着。残り2周でのリスタートから、パジェノーは猛チャージをみせ、4位でゴールしました。今シーズン5度目のトップ5フィニッシュを達成し、パジェノーと彼のチームは今年、さらに安定感を増しています。
昨年のレースではレギュレーションによってダウンフォースが大きく抑制されたため、タイヤの消耗が危険なほど激しくなっていましたが、今年はレギュレーションが改めて変更されたことにより、マシンは安定感を増し、タイヤの消耗度も抑え込まれていました。それでもタイヤの使い方が勝敗を分ける大きなポイントである点は変わっておらず、マシンセッティングが少しでも悪かったり、ドライビングが荒ければ、周回を重ねるにつれてラップタイムの落ちる度合いが大きくなっていました。さらに今大会では昨年よりレース距離が伸びたことにより、3回の給油でスタートからゴールまでを走りきることはほぼ不可能で、5回から7回のピットストップを行う難しいレースとなりましたが、それを戦い抜いたルーキーのミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)は7位でフィニッシュ。これはもちろんルーキー最上位で、彼はデトロイトでのレース2に続いてベストルーキーとなりました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、16番グリッドからのスタート。ハンドリングの決まっていないマシンで苦しい走りを強いられましたが、粘り強い戦いを続けていました。しかし、ゴールを目前にしてマシンにトラブルが発生したために完走はならず、結果は18位となりました。
次戦、シリーズ第9戦は6月28日(土)に開催されます。テキサス州での連戦となりますが、ヒューストンは今年もダブルヘッダーで、6月29日(日)にはシリーズ第10戦が開催されます。
シモン・パジェノー(4位)
「最後のフルコースコーションが出された際に、ピットが決めた作戦が最高だったと思います。また、彼らは私のドライビングスタイルに合ったマシンを用意してくれていましたから、レースを通して安心して走り続けることができました。クルーたちのピットストップも速かったですし、チーム全体がフルに力を発揮してくれたレースだったと言えます。強力なHondaエンジンを武器に、私はレースを通してフルアタックを続けていました。ゴールシーンはとてもエキサイティングでしたね。ファンの皆さんも大いにインディカーのレースを楽しんでくれたものと思います」
佐藤琢磨(18位)
「今晩のレースは苦しい戦いでした。夕日が沈んでレースのスタートが切られ、そのころはまだ気温も路面温度も高かったのですが、それが時間の経過とともに下がり、マシンのバランスも変化していきました。私たちはコンディションに合わせてマシンを変更し、ポジションを少しずつ上げていきました。今年からの新ルールによってダウンフォースは大きくされたのですが、私たちのタイヤの摩耗は激しく、スティント後半の走りは大変厳しいものになっていました。ピットクルーの作業も素早く確実でしたが、最後にはトラブルが発生し、マシンに火災も起こってしまい、リタイアを余儀なくされました。今日のレースではまた多くのことを学べましたから、今後のレースにそれらを生かしたいと思います。次戦はチームのホームタウンであるテキサス州ヒューストンですので、いいレースを戦えることを楽しみにしています」
マーク・サワーズ|HPD シニア・マネージャー/チーフ・エンジニア プロダクション&コマーシャル・ディビジョン
「Hondaがレースを戦う理由の一つとして、レースから学ぶというものがあります。今日のレースを終え、私たちはその機会を手にすることになったと思います。メカニカルトラブルの発生は常に残念なものですが、幸いにも次のレースがヒューストンで開催されるまでには普段より少し長めの期間があります。その時間を活用し、今日のレースで起きたトラブルの原因を徹底解明し、再発防止のための対策を施したいと思います。今晩のレースではSchmidt Peterson Motorsportsが、またしてもファンタスティックな戦いぶりをみせてくれました。シモン・パジェノーが4位でフィニッシュしただけでなく、チームメートでルーキーのミハイル・アレシンも7位という印象的なフィニッシュを達成しました。彼らの活躍をたたえたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 20 | E.カーペンター | シボレー | 248 | 02:01'25.5758 | |
2 | 12 | W.パワー | シボレー | 248 | +0.5247 | |
3 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 248 | +0.5771 | |
4 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 248 | +1.1514 | |
5 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 248 | +2.1510 | |
6 | 10 | T.カナーン | シボレー | 248 | +2.4464 | |
7 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 247 | +1Lap | |
8 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 247 | +1Lap | |
9 | 8 | R.ブリスコー | シボレー | 247 | +1Lap | |
10 | 83 | C.キンボール | シボレー | 247 | +1Lap | |
11 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 247 | +1Lap | |
12 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 246 | +2Laps | |
13 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 245 | +3Laps | |
14 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 244 | +4Laps | |
15 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 244 | +4Laps | |
16 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 244 | +4Laps | |
18 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 238 | +10Laps | |
19 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 136 | +112Laps | |
21 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 118 | +130Laps | |
22 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 3 | +245Laps |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | W.パワー | シボレー | 370 |
2 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 331 |
3 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 310 |
4 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 279 |
5 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 235 |
6 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 227 |
7 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 223 |
8 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 214 |
9 | 10 | T.カナーン | シボレー | 189 |
10 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 182 |
11 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 181 |
15 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 163 |
16 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 156 |
17 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 151 |
18 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 151 |
19 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 147 |
20 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 146 |
24 | 16 | オリオール・セルビア | Honda | 88 |
29 | 5 | ジャック・ヴィルヌーヴ | Honda | 29 |
30 | 68 | アレックス・タグリアーニ | Honda | 28 |
32 | 63 | ピッパ・マン | Honda | 21 |
33 | 41 | マーティン・プロウマン | Honda | 18 |
35 | 26 | フランク・モンタニー | Honda | 8 |