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May 31 2014, RACE Chevrolet Indy Dual in Detroit Race 1
デトロイト
2014年5月31日(土)・決勝 会場:ベル・アイル・レースウェイ 天候:快晴 気温:24℃
ミシガン州デトロイトは、モーターシティーとも呼ばれるアメリカ自動車産業の中心地。今年もインディカーレースはダブルヘッダーでの開催で、土曜日の今日は最初のレース、シリーズ第6戦が行われました。
町の中心からすぐ北のベル・アイルという島に作られたストリートコースで、22台のインディカーはオープンホイールならではのスリリングなバトルを70周にわたって繰り広げました。
狭くツイスティでマシンコントロールが難しいコースで、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)がすばらしいファイトを披露し、予選9番手から2位でゴール。今年初めての表彰台に上りました。
抜けるような青空と穏やかな風。レース観戦に集まった大勢のファンは、初夏の心地よい日差しとインディカーシリーズならではの凄まじいバトルをエンジョイしていました。レースは午後3時50分にスタート。全長2.35マイルのコースは非常にバンピーで、ドライバーたちは体力を消耗させながらドッグファイトを展開しました。デトロイトのコースは場所によって舗装の素材が異なるため、ドライバーたちは変化するタイヤのグリップにも対処し続けなくてはなりません。体力的に厳しいだけでなく、テクニカルな面も備えたコースなのです。
レイホールが激しいファイトの末に2位でゴールし、その後方では予選19番手のジャスティン・ウィルソン(Dale Coyen Racing)が4位でフィニッシュしました。レース中盤の42周目、フルコースコーション中にピットストップを行ったウィルソンは、そこからゴールまでを無給油で走る作戦に出ました。70周のゴールまで燃料を持たせるのは非常に難しい仕事でしたが、ウィルソンはベテランらしいスマートな走りで見事に成功させたのです。
予選2番手だったジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)は6位、ルーキーのカルロス・ムニョス(Andretti Autosport)は7位、同じくルーキーのカルロス・ウエルタス(Dale Coyne Racing)はキャリアベストとなる8位、マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)が予選18番手から10位と、Hondaドライバー6人がトップ10でのゴールを果たしました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、15番手スタートから上位フィニッシュを狙っていましたが、スタートしてしばらくするとギアボックスに違和感が出始め、それがトラブルへと発展したために11周目にして2度目のピットイン。修理を完了するまでに4周が失われ、レースには復帰したものの、その差を最後まで跳ね返すことができませんでした。それでも、明日の第2レースに向けた情報収集を行うために全力で走行を続けました。結果は18位でしたが、第2レースにつなげるデータを集められ、11周の時点でリタイアするより多くのシリーズポイントを獲得しました。
6月1日(日)には、シリーズ第7戦の予選、決勝が行われます。
グレアム・レイホール(2位)
「勝てると思って走っていました。前をいくライバルと同等の速さを持つマシンに仕上がっているとの自信もありました。最後のチャンスはリスタートにあったのですが、彼はブロックしてきました。私が彼の立場だったら、同じことをしていたでしょう。私たちのチームには多くのチャンピオン獲得経験者が集まっていますから、いい成績を挙げるチームとなるのは時間の問題だと考えてきました。私たちは近い将来にきっと勝ちますよ。それを約束できます。今日の私は自らの仕事に集中していました。自分たちには多くのマシンをパスする力があると確信していたからです。ソフトタイヤでの苦しい走りのあとには13位だった私たちですが、まだレースは終わっていない、と奮起しました。まだまだオーバーテイクを重ねて上位へと上がっていけると信じて走り続けました。ここデトロイトで、ようやく私たちのシーズンが始まったと感じています」
佐藤琢磨(18位)
「本当に厳しいレースでした。レース序盤に駆動系トラブルが出てしまい、ギアボックスの交換を行わねばなりませんでした。幸運にも、私たちはマシンを修理してレースに復帰することができましたが、4ラップの後れを取ってしまいました。明日もデトロイトでレースは行われるため、そこからはテストセッションとして走りました。そして、私たちのマシンは非常に限られたコンディションにおいてのみスピードを発揮していることが分かりました。ハードタイヤでの私たちのマシンは、路面コンディションのいいときには速かったと思います。レース中盤に、一時的にですが、マシンはとてもいいハンドリングになっていました。その点を生かしたマシンとすることで、明日のレースを戦いたいと思います。これからまたデータを研究し直して、明日のレースに備えます」
マーク・クロフォード|HPD インディカー・エンジン・プロジェクト LPL
「今日のレースは本当に僅差のゴールとなりました。私たちは懸命な作戦や、Hondaエンジンの優れた燃費性能により、多くのチームを予選よりも高いポジションでゴールさせることに成功しました。しかし、残念ながら優勝はあと一歩のところで逃しました。グレアム・レイホールがシーズン開幕から続いてきた不振から抜け出し、高い戦闘力を発揮したことをうれしく思います。また、ジャスティン・ウィルソンやジェームズ・ヒンチクリフも力強いレースを戦ってくれたことは、私たちにとって非常に喜ばしいことです。明日、今日と同じように予選と決勝をもう一度戦います。今日より1つ上のポジションでフィニッシュしなければなりませんね」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | W.パワー | シボレー | 70 | 1:49'29.9323 |
2 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 70 | +0.3308 |
3 | 10 | T.カナーン | シボレー | 70 | +5.5096 |
4 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 70 | +8.5951 |
5 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 70 | +10.7365 |
6 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 70 | +11.5074 |
7 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 70 | +14.8813 |
8 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 70 | +26.5965 |
9 | 83 | C.キンボール | シボレー | 70 | +32.5852 |
10 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 70 | +33.1818 |
16 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 69 | +1Lap |
17 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 68 | +2Laps |
18 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 66 | +4Laps |
19 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 65 | +5Laps |
20 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 36 | +34Laps |
22 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 4 | +66Laps |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 286 |
2 | 12 | W.パワー | シボレー | 285 |
3 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 254 |
4 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 219 |
5 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 213 |
6 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 186 |
7 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 170 |
8 | 11 | S.ブルデー | シボレー | 160 |
9 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 155 |
10 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 152 |
13 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 133 |
14 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 125 |
15 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 124 |
16 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 120 |
17 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 119 |
19 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 117 |
21 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 110 |
23 | 16 | オリオール・セルビア | Honda | 88 |
33 | 41 | マーティン・プロウマン | Honda | 18 |
35 | 26 | フランク・モンタニー | Honda | 8 |