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 公式イベントももちろんいいが、インディアナポリスのダウンタウンでは、金曜日と土曜日に、非公式だが大規模なパーティが催されている。人々は、街の南に位置するモニュメント・サークルから、北のメリディアン・ストリートの間を遊歩しながらパーティを楽しむ。派手なカスタムカーや、何百台にもおよぶオートバイ群が、爆音を響かせながら通りを行き交う。多くの人が、何とかして町一番のステーキハウス「セント・エルモス(St. Elmos)」に予約をとって、アメリカ中西部の伝統であるジューシーなサーロインステーキと、カリフォルニアの伝統である極上ワイン「キャビネー・ソルビニョン」にありつこうと奮闘する。ディナーが終れば街の喧騒に戻り、酔いにまかせてまたぶらぶら歩きを楽しむ。
 街は陽気な群集で溢れ、メリディアン・ストリートと隣接した通りを北へ南へとあてもなくぶらぶら歩くと、そこには熱狂的なレースファンが集っている。彼らは、飽きずに何時間でもインディカーの歴史について話し合っている。それを見て、人々は純粋に雰囲気を楽しんでいる。インディ500は、パーティをするにはもってこいの口実なのだ。

 また、人々の熱狂をさらに盛り立てるために、全米各地の会社から派遣された軍団が、エアコンや食品、カーケア製品など、あらゆる製品の宣伝にやってくる。彼らは、自分たちの商品を前と後ろにプリントしたシャツを着て販促活動に勤しむのだが、それでこのイベントを十分楽しんでいるのだ。

 お祭り騒ぎはサーキット内も同じで、食べ物やビールを売る店が、RV車やキャンピングカーで集まった人や、キャンプ場にテントを張って滞在している人たちを相手に、ビジネスを大繁盛させている。サーキットに沿うようにして走るジョージタウン・ロードには大きなテントが張られ、毎年無料でコンサートが開かれる。
 これらのひとつひとつが、パーティを一層盛り上げる。

 死ぬほどレースが好きな人たちは、本戦の行なわれる日曜日を待たなくてもレースが楽しめる。
 レース2日前の金曜日の夜には、今年記念すべき20周年を迎える「Hulman Hoosier Hundred(ハルマン・フージャー 100)」というレースがあるのだ。地元にあるフェア・グランドという1マイルのダートトラックを舞台に、USAC(the United States Auto Club)シルバー・クラウン・スプリントカーが100周で競い合うレースである。このレースには毎年1万5千人もの観衆が集まり、過去にはA.J.フォイトやマイケル・アンドレッティ、トニー・スチュアートといった有名なインディカー・レーサーたちが参加したこともある。
 レース前夜にも2つのレースが催される。ひとつはインディアナポリス・モーター・スピードウェイから西へ約5マイルのところにあるインディアナポリス・レースウェイ・パークの0.68マイル・オーバルコースが舞台。USACミジェット・レースカーが50周を競う「Night Before the 500(Indy 500前夜レース)」。もうひとつはインディアナポリスから北東に30マイルほど行ったアンダーソンという街で催されるレースイベント、通称「The Little 500(ミニIndy 500)」だ。
 この「The Little 500」は、本家のインディ500と同じ数の33台のスプリントカーが0.5マイルのレース・トラックで500周を競うもの。舗装された小さなオーバルコースで、約3時間、腕自慢が自分のマシンをここぞとばかりに右に左にスライドさせながら奮戦する。この「The Little 500」も過去55年間にわたって毎年開催されているインディの佳き伝統である。

 以上のように、インディ500が何ものにも替えがたいレースである一方、5月の後半にインディアナポリスを訪れる人には、インディ500の観戦以外にも、こんなにたくさんの楽しいことが待ち構えているのだ。
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