「我々にとって厳しい一日」
#MexicoGP
アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス、10月30日(日)
本日はMcLaren-Hondaチームにとって、フラストレーションのたまる一日となりました。両ドライバーはクリーンなレースをし、懸命にプッシュするとともに、コース上で順位に直接関係するライバルをオーバーテイクすることに成功した数少ないドライバーでした。
滑りやすいコースでタイヤを最大限に利用し、トラフィックをかわしながら徐々に順位を上げるために、チームはドライバー間で戦略を分けました。その結果、ジェンソン・バトンは1回、フェルナンド・アロンソは2回のピットストップを実施しました。ただ、オーバーテイクが難しいことで知られるサーキットにおいて、両ドライバーが最大限の努力を行い、コース上でハードなバトルを繰り広げたものの、両ドライバーともマシンのペースを十分に生かすことができず、12位および13位で完走しました。
順位 | ゼッケン | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 71 | 1:40'31.402 |
2 | 6 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 71 | +8.354 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 71 | +20.858 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 71 | +21.323 |
5 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 71 | +27.313 |
6 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 71 | +49.376 |
7 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 71 | +58.891 |
8 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 71 | +65.612 |
9 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 71 | +76.206 |
10 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 71 | +76.798 |
11 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 70 | +1Lap |
12 | 22 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 70 | +1Lap |
13 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 70 | +1Lap |
14 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 70 | +1Lap |
15 | 12 | フェリペ・ナスル | Sauber | 70 | +1Lap |
16 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 70 | +1Lap |
17 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Renault | 70 | +1Lap |
18 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 70 | +1Lap |
19 | 21 | エステバン・グティエレス | Haas | 70 | +1Lap |
20 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 70 | +1Lap |
21 | 31 | エステバン・オコン | Manor | 69 | +2Laps |
NC | 94 | パスカル・ウェーレイン | Manor | 0 | DNF |
フェルナンド・アロンソ MP4-31-04
[プライム→バックアップ→プライム]
「今日はもう少しうまく進めることができたのかもしれません。ただ残念ながら、1周目にはいつも間違った場所に間違ったときにいるようです。また、ちょっとした事件もあり、それによって難しいポジションに追いやられました。その後、サインツ選手(Toro Rosso)の後方で40周ほど走行したように、残りのレースではトラフィックに引っかかってしまいました。
さらに、2回目のピットストップでは少し問題が発生し、それも手助けにはなりませんでした。
あるタイヤは非常に長くもつのに対し、もう1種類のタイヤはそれよりもずいぶん短い間しかもたないので、ジェンソンと私はそれぞれ異なる戦略を選択することにしました。ただそれでも、2人ともポイント圏内で完走することができませんでした。
結局のところ、マシンに速さがあれば、すべてのことがより簡単になります。ですから、それこそ我々が焦点を当てるべき部分なのです」
ジェンソン・バトン MP4-31-03
「1ストップ戦略を採用しましたが、我々だけでなく、みんなにとっての問題は、オーバーテイクができないということでした。バックアップタイヤを装着していた(第2)スティントの最初の30周は、ほかのマシンの後方でトラフィックに引っかかり、ずいぶん時間をロスしました。まずはマグヌッセン選手(Renault)、その後はフェルナンド、サインツ選手(Toro Rosso)、そしてパーマー選手(Renault)の後方で引っかかってしまいました。オーバーテイクするのは本当に難しかったのですが、最終的にはそれらすべてのドライバーを追い抜くことができました。そのときは我々のペースは非常によかったですし、できる限りのことをしました。ただ、今日はトラフィックに引っかかっていなくても、10位に入ることはできなかったように思います。
先ほど言ったように、レース中の実際のペースはよかったです。コース上でオーバーテイクをしたり、いいバトルをしたりと楽しむことができました。ただ、ここで追い抜くのは非常に難しいのです。あれだけ長いストレートがあるので、そうは思わないかもしれませんが、最終コーナーから立ち上がったあと、前方のマシンに接近した状態を維持することができないのです。最終的にオーバーテイクすれば、ロスした時間を突然取り戻すことができるものの、1周目でピットストップしたドライバーたちに比べて、オーバーテイクするまでにずいぶん時間をロスしているのです。
我々も1周目でピットストップを行うこともできたのですが、12番手および13番手というと、すばらしいポジションではないものの、ポイントに手が届く可能性があるため、『賭けに出よう』と言えるほど悪いポジションでもないのです。
全体的に、今日は通常とは非常に異なるレースでした。賭けに出ていれば、もっと上の順位で完走できていたと思うと残念ですが、それはあとから言えることです。それでも私にとっては楽しいレースでしたし、今日はマシンの実力を最大限に引き出すことができました。それしか望むことはできないのです」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「昨日の11番手および13番手という予選結果に続いて、今日のレースで、そのスタートポジションを12位および13位という結果にしか結び付けられなかった場合、当然のことながら、大声で語れることはほとんどありません。
ただ、午後のレースは、ざまざまな理由から我々にとっては厳しい内容でした。まず、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは、オーバーテイクが難しいサーキットであり、その結果、我々のドライバーはカルロス選手(Toro Rosso)のマシンの後方で何周にもわたって引っかかってしまいました。2つ目の理由は、レース中にフェルナンドのパワーユニットの出力を下げなければならなかったため、それが彼にとってはある程度のハンディキャップとなったことです。そして3つ目は、フェルナンドの2回目のピットストップの際に遅れが生じ、それによって彼はさらに2〜3秒ロスしたことです。
こういったことは起こるものですし、それがレースです。ただ、実際に起こると、ドライバーやチームにとっては常にフラストレーションがたまるものです。
ここから我々は(次戦が開催される)ブラジルのサンパウロに向かいます。起伏に富んでいることで有名なインテルラゴス・サーキットは、こことはまた違った難題を突き付けてくるでしょう。McLarenはブラジルGPで過去12回の勝利を収めており、これは最多優勝回数です。ですから、今日よりはいいレースができることを願っています。もちろん、今年のブラジルGPで13回目の勝利を手にすることはないでしょうが、ポイント獲得は可能だと思っています」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「メキシコでのレースは、我々にとって大変残念な結果となりました。フェルナンドはスタートで外に押し出されてしまい、ジェンソンもその後ろで両者得意のジャンプアップを図れず。さらには、ピットストップ後のトラフィックにつかまり、ポイント圏内まで追い上げることができませんでした。ロングランのペースは安定していたものの、チームの力を発揮し切れずに71周が終わってしまいました。
レースでは、両者のパワーユニットに少し異常が検知されました。フェルナンドは残り20周あたりでエンジンの出力を絞る必要が生じ、ジェンソンの方はERSの温度が上昇。後半はパフォーマンスを最大限に出せず、攻めきれずに終わってしまった感があり、とても残念です。それぞれの原因は、現在解析中です。アメリカでの長い2連戦が終わり、一度それぞれの本拠地に戻って、ブラジル戦に向けたデータ分析と戦略を考え、チーム全体を引きしめて次戦に臨みたいと思います」