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2013年9月7日(土)、8日(日)・決勝 会場:オートポリスサーキット 天候:曇り コースコンディション:ドライ
アジアロードレース選手権第5戦が、全日本ロードレース選手権と併催となり、大分県のオートポリスサーキットで開催されました。MuSASHi Boon Siew Honda Racingの玉田誠は、ケガの回復に努めることになり、レースをキャンセルしました。台風の通過で、心配されていた天気も回復し、ドライコンディションで予選が行われました。ポールポジション(PP)は藤原克昭(カワサキ)となり、2番手にワイルドカード参戦の中冨伸一(ヤマハ)、3番手にアズラン・シャー・カマルザマン(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)という順番でフロントローに並びました。以下は、6番手に小山知良(NTS JAPAN T.Pro. Innovation)、7番手に小林龍太(MuSASHi Boon Siew Honda Racing Malaysia)、8番手に岩田悟(NTS JAPAN T.Pro. Innovation)となりました。
決勝1レース目は土曜日開催。アズランは好スタートを切り、ホールショットを奪います。そのあとすぐに、藤原が首位を奪い、追い上げた小林、アズランが続きますが、小林が藤原をかわしてトップに立ちます。2ラップ目、藤原がトップに返り咲き、アズランも小林をかわして2番手に浮上。そのトップを争う藤原とアズランに、小林をかわした中冨が追いつきます。そこに伊藤勇樹(ヤマハ)も加わり、トップ争いは5台で展開することになりました。激しい攻防が続き、アズランは12ラップ目に中冨に襲いかかり2番手を奪いますが、最終ラップまで続いた激しいバトルの末、藤原、中冨、アズランの順でチェッカーとなりました。6位に小山、7位に岩田、8位に小林が入りました。
2レース目は日曜日に開催されました。ホールショットを奪ったのは中冨ですが、藤原とアズランが続き、アズランがすかさず首位に立ってレースをリードします。しかし、2ラップ目は中冨がトップ、3ラップ目には藤原がトップと、目まぐるしく順位が入れ替わります。アズランは2番手につけ藤原をマーク、その後ろには中冨、ザムリ・ババ(ヤマハ)、伊藤が僅差で追う、5台のトップ争いとなります。5ラップ目には、中冨が2番手を走るアズランの前に出ますが、6ラップ目にアズランが奪還。7ラップ目の1コーナーでアズランがトップに立つも、藤原がすぐに抜き返します。アズランは中冨を抑えつつ、藤原をパスする機会をうかがい、1レース目と同様に、3台によるトップ争いが続きました。最終ラップは藤原と中冨の攻防となり、藤原が抑え、勝利しました。2位に中冨、3位にアズラン、6位に小山、7位小林、10位に岩田となりました。
記者会見では、アズランがMotoGPのMoto2クラスに参戦することにも質問が及びました。アズランは「経験を積んできます」と語り、ライバルの藤原から「アジアの誇りを持って、 戦ってきてほしい」と、エールを送られました。
併催されたアジア・ドリーム・カップでは、ランキングトップの尾野弘樹が、1レース目で勝利すればタイトル決定となる状況でした。1レース目、尾野はホールショットを奪うものの、集団は数珠つなぎのまま、最終ラップまで激しい攻防が続きます。6ラップ目には、2番手を走行していた尾野が、トップのカイルール・イダム・パウィをかわしますが、すぐさま奪い返され、9ラップ目には5番手を走っていたムクラダ・サラプクが、ジャンプアップして首位を激走します。マシンが接触するほどの激闘は、ジェリー・サリムが制しました。2番手にムクラダ、3番手にカナタット・ジェイマンが入りました。3人ともが初登壇という初々しい表彰式となりました。一方、尾野は4位でフィニッシュ。日曜日のレース2で、9ポイントを獲得、つまり7位以上でタイトル決定となる状況で、日曜日のレースを迎えることになりました。なお、黒木玲徳は1レース目の転倒で負傷し、2レース目をキャンセルしました。
2レースが行われた8日(日)は、前夜の雨が残り、曇り空から雨が落ちるコンディションでしたが、決勝前には晴れ、ラインはほぼ乾いた状態でのスタートとなりました。尾野は3番手で1コーナーをクリア、今回も集団は数珠つなぎとなり、尾野は4ラップ目に首位を奪いますが、5ラップ目にはフィトル・アシュラフ・ラザリがトップに。7ラップ目、尾野は再び首位に立ちますが、8ラップ目にはドウィ・サトリアが前に出ます。この激しい攻防の中、トップでチェッカーを受けたのはフィトルでした。尾野は2位、3位にドウィが入りました。尾野は最終戦を待たずにシリーズチャンピオン獲得を決めました。記者会見では、尾野のMotoGPの日本GPへのワイルドカード参戦が発表され、盛大な拍手が起こりました。
アズラン・シャー・カマルザマン(スーパースポーツ600cc 3位/3位)「1レース目は3台によるバトルで3位となり、とても悔しかったです。手ごわい相手だと分かっていましたが、勝ちたかったです。2レース目は、前後のサスペンションを見直して、1レース目よりもマシンはよくなりましたが、前の2人には届かず、やはり悔しい思いをしました。この気持ちを忘れることなく、最終戦はしっかり走って、チャンピオンを目指します」
玉田誠(スーパースポーツ600cc レースキャンセル)「アズランにとって日本ラウンドは、アジア選手権のライダー以外のライバルもいる戦いですので、苦戦するのでは、と心配していましたが、そんな心配は全く必要ありませんでした。堂々とトップ争いをして、力を示してくれたと思います。大きな成長を感じました。この調子で、さらに速さを磨いてほしいと思います。僕も最終戦のカタールまでにはしっかりとケガを治して、アズランのサポートをしたいと思います」
尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 4位/2位)「アジア・ドリーム・カップは、くじ引きでマシンを決めるのですが、今回は自分との相性があまりよくなく、レースウイークを通してセットアップに苦労しました。マシンを詰めながら、それに合わせたライディングを工夫したのですが、逃げきれるマシンまでにはもっていけませんでした。1レース目は、4位で表彰台に上がれませんでしたが、2レース目は2位で、表彰台に上がれました。勝てなかったことはとても悔しいですが、表彰台に上がってチャンピオンを決めることができてよかったです。応援し、支えていただいたすべての人に感謝します。もてぎ(MotoGP)では最善を尽くします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 22:55.198 |
2 | 38 | 中冨伸一 | ヤマハ | +0.062 |
3 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +0.096 |
4 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | +7.575 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | +7.640 |
6 | 71 | 小山知良 | Honda | +13.083 |
7 | 34 | 岩田悟 | Honda | +13.130 |
8 | 634 | 小林龍太 | Honda | +13.314 |
9 | 59 | ラタポン・ウィライロー | Honda | +14.481 |
11 | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | +17.078 |
14 | 91 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | +22.612 |
17 | 66 | 西山尚吾 | Honda | +33.529 |
20 | 83 | 宮嶋佳毅 | Honda | +38.745 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 22:56.852 |
2 | 38 | 中冨伸一 | ヤマハ | +0.404 |
3 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +0.819 |
4 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | +2.984 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | +4.579 |
6 | 71 | 小山知良 | Honda | +6.360 |
7 | 634 | 小林龍太 | Honda | +6.468 |
10 | 34 | 岩田悟 | Honda | +11.881 |
11 | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | +14.058 |
12 | 59 | ラタポン・ウィライロー | Honda | +14.224 |
13 | 91 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | +18.807 |
14 | 66 | 西山正吾 | Honda | +29.184 |
DNF | 83 | 宮嶋佳毅 | Honda | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 11 | ジェリー・サリム | Honda | 16:31.549 |
2 | 19 | ムクラダ・サラプク | Honda | +0.032 |
3 | 4 | カナタット・ジェイマン | Honda | +0.297 |
4 | 1 | 尾野弘樹 | Honda | +0.567 |
5 | 16 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | +0.570 |
6 | 6 | チュアン・アンユー | Honda | +0.677 |
7 | 10 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | +0.680 |
8 | 3 | ドウィ・サトリア | Honda | +0.732 |
9 | 12 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | +2.129 |
10 | 7 | チェン・ユエン・ハン | Honda | +6.733 |
11 | 14 | アルナギリ・プラブ | Honda | +7.585 |
12 | 18 | ニコラス・アーロン・ウォータース | Honda | +10.583 |
13 | 20 | サラス・クマ | Honda | +18.021 |
14 | 17 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +18.239 |
15 | 15 | ネッド・アーネスト・ダニエル | Honda | +1:08.320 |
DNF | 2 | ナカリン・アティラプバパト | Honda | +1Lap |
DNF | 8 | 黒木玲徳 | Honda | +1Lap |
DNF | 9 | ジャジル・ジュライミ | Honda | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 16 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 16:33.374 |
2 | 1 | 尾野弘樹 | Honda | +0.034 |
3 | 3 | ドウィ・サトリア | Honda | +0.076 |
4 | 11 | ジェリー・サリム | Honda | +0.316 |
5 | 6 | チュアン・アンユー | Honda | +0.316 |
6 | 10 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | +0.458 |
7 | 18 | ニコラス・アーロン・ウォータース | Honda | +0.834 |
8 | 19 | ムクラダ・サラプク | Honda | +0.855 |
9 | 4 | カナタット・ジェイマン | Honda | +1.061 |
10 | 2 | ナカリン・アティラプバパト | Honda | +1.192 |
11 | 7 | チェン・ユエン・ハン | Honda | +1.439 |
12 | 9 | ジャジル・ジュライミ | Honda | +1.673 |
13 | 12 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | +10.460 |
14 | 14 | アルナギリ・プラブ | Honda | +10.522 |
15 | 20 | サラス・クマ | Honda | +13.707 |
16 | 17 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +13.786 |
17 | 15 | ネッド・アーネスト・ダニエル | Honda | +1:05.321 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | 178 |
2 | 藤原克昭 | カワサキ | 158.5 |
3 | Z.ババ | ヤマハ | 120.5 |
4 | 玉田誠 | Honda | 88.5 |
5 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 87 |
6 | 小山知良 | Honda | 82.5 |
7 | 小林龍太 | Honda | 82 |
10 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 41 |
12 | ティティポン・ワーロンコン | Honda | 32 |
14 | 岩田悟 | Honda | 30 |
16 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 26 |
17 | ピラワット・ウォンタナノン | Honda | 22.5 |
20 | ディマス・エキー・プラタマ | Honda | 10 |
21 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | 6 |
22 | サシタレン・スクマラン | Honda | 6 |
23 | 國川浩道 | Honda | 4 |
24 | 宮嶋佳毅 | Honda | 4 |
26 | デニー・トリユゴ | Honda | 3 |
28 | 西山正吾 | Honda | 2 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 尾野弘樹 | Honda | 228 |
2 | ジェリー・サリム | Honda | 155 |
3 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 151 |
4 | カイルール・イダム・パウィ | Honda | 112 |
5 | カナタット・ジェイマン | Honda | 87 |
6 | ドウィ・サトリア | Honda | 86 |
7 | チュアン・アンユー | Honda | 80 |
8 | ナカリン・アティラプバパト | Honda | 73 |
9 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | 69 |
10 | ニコラス・アーロン・ウォータース | Honda | 60 |
11 | ムクラダ・サラプク | Honda | 47 |
12 | スミト・ルークス・トッポ | Honda | 39 |
13 | チェン・ユエン・ハン | Honda | 38 |
14 | 黒木玲徳 | Honda | 37 |
15 | ジャジル・ジュライミ | Honda | 31 |
16 | ツー・シェン・ジュン・ジー | Honda | 25 |
17 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | 22 |
18 | アルナギリ・プラブ | Honda | 21 |
19 | ネッド・アーネスト・ダニエル | Honda | 16 |
20 | サラス・クマ | Honda | 8 |