round 03

July 14 2013 Asia Road Racing Championship India インド

SCHEDULE

玉田誠が初優勝でダブルウイン達成!
アズランは両レース2位でランキングトップを堅持!
アジア・ドリーム・カップは尾野弘樹がダブルウインを飾る

2013年7月14日(日)・決勝  会場:マドラス・モーターレース・トラック  天候:晴れ  コースコンディション:ドライ

2011年以来、2年ぶりのインドでの開催となったアジアロードレース選手権シリーズ第3戦は、マドラス・モーターレース・トラック(全長3.717km)で行われました。会場は、インドの東海岸にある都市チェンナイの郊外にあります。新たなピットレーンができ、やぶも片づけられ、新たなタイヤウオールが設置され、コーナーも修正するという大規模改修が実施され、一新されての開催となりました。

  • 玉田誠(#100)玉田誠(#100)
  • アズラン・シャー・カマルザマン(左)、玉田誠(中央)アズラン・シャー・カマルザマン(左)、玉田誠(中央)
  • 玉田誠玉田誠
  • 玉田誠玉田誠
  • アズラン・シャー・カマルザマン(左)、玉田誠(右)アズラン・シャー・カマルザマン(左)、玉田誠(右)
  • 尾野弘樹尾野弘樹
  • 尾野弘樹尾野弘樹

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走行初日から気温が40℃近くまで上昇し、路面温度も65℃と猛暑の中でのレースとなりました。開催前に降った豪雨で、コースには砂が多く出ているコンディションとなりましたが、このような中でも、2011年に記録されたデチャ・クライサルト(ヤマハ)による1分44秒100というレコードが更新されました。予選では、MuSASHi Boon Siew Honda Racingのアズラン・シャー・カマルザマンが、1分42秒785でポールポジション(PP)を獲得。チームメートの玉田誠は、1分43秒593で2番手につけました。

決勝レース1のスタートで玉田は出遅れますが、3ラップ目にトップを奪い、2番手にアズランがつけます。5ラップ目には、アズランがトップを奪い、玉田は2番手に後退。3番手にはザムリ・ババ(ヤマハ)のオーダー。しかしババは遅れ出し、アズランと玉田のトップ争いとなります。2人の戦いは最終ラップまで続き、最後に玉田が前に出てチェッカーを受けました。

玉田にとってアジアロードレース選手権初優勝であり、2004年のMotoGP日本グランプリ以来、9年ぶりとなる優勝となりました。僅差の2位にアズランが入りました。日本勢は、5位に小山知良(NTS JAPAN T.Pro. Innovation)、6位に伊藤勇樹(ヤマハ)、7位に小林龍太(MuSASHi Boon Siew Honda Racing Malaysia)、9位に藤原克昭(カワサキ)、10位に稲垣誠(ヤマハ)、11位に岩田悟(NTS JAPAN T.Pro. Innovation)、13位に岡村光矩(カワサキ)と続きました。

レース2は、玉田がホールショットを決め、トップに立ちます。アズランは2番手につけ、伊藤、ババと続き、4台のトップ争いとなります。玉田は首位を守りながら周回を重ねました。しかし、10ラップ目に玉田はハイサイドで転倒、コース上にマシンとともに投げ出され、オイルが漏れて赤旗が提示されました。レースはこのまま終了し、9ラップ目の通過順位でポジションが決定。玉田はダブルウインを飾ることになりました。2位にアズランが入り、ババが3位、伊藤が4位、小林が5位、藤原が7位、小山が8位、岩田が10位、稲垣が11位、岡村が12位となりました。

レース2はレース成立の規定周回数に達していなかったため、ハーフポイントが与えられることになりました。それでも玉田はダブルウインを達成したことで、ランキング2位に浮上しました。アズランは変わらずランキングトップを守り、シリーズチャンピオンに向けて前進しました。

併催のアジア・ドリーム・カップは、インドでは初めての開催となります。ライダーたちは、コース確認やセッティングの確認を慎重に重ねながら、レースウイークを過ごしました。尾野弘樹はタイムアップに苦労するも最終的にPPを獲得。3戦連続で1番グリッドからのスタートとなりました。

レース1は尾野がレースをリードしますが、独走することは難しく3台のバトルとなり、最終ラップまで攻防が続きました。それでも尾野は最後までトップを死守し、チェッカーを受けることに成功しました。レース2は1ラップ目の最終コーナーで転倒車が出たため、赤旗となり、8ラップに短縮されてレースを再開。ここでも、レース1同様の混戦となりましたが、尾野は最後までトップを守りきって優勝を飾りました。尾野は開幕戦以来のダブルウインでポイントを大きく加算し、ランキングトップを守りきりました。黒木玲徳は、レース1、2ともに接触転倒でリタイアとなってしまいました。

コメント

玉田誠(スーパースポーツ600cc 優勝/優勝)「難しいコンディションの中で勝てるマシンに仕上げてくれたチーム、そしてチーフメカの中澤君にとても感謝しています。第2レースは運がよかったです。それでもダブルウインを喜びたいと思います。転倒で背中や足や手で痛むところはありますが、骨には異常がなさそうですので、きちんと体調を見直して、鈴鹿8耐までには完ぺきにして、優勝を狙いたいと思います」

アズラン・シャー・カマルザマン(スーパースポーツ600cc 2位/2位)「気温も路面温度も高く、タフなレースになりました。ポールポジションを獲得できるほどマシンは完ぺきだったのですが、玉田さんに負けてしまいました。チームメートとしては、とてもうれしいことです。でも、ライダーとしては悔しいです。後半戦はシリーズチャンピオンになるために、今まで以上に気持ちを引き締めて挑みます。自分の甘い部分を見直して、どんな状況でも勝てるようにがんばります」

小林龍太(スーパースポーツ600cc 7位/5位)「レースウイークに入って、調子よく走ることができていましたので、手応えを感じていました。ですが、1レース目は中盤にミスをしてしまい、セカンドグループから抜け出せずに7位。2ヒート目はいけるだけいこうと気合を入れて挑みました。スタートはよかったのですが5位。今回こそは前に出られると思っていましたので悔しいです。この悔しさを日本ラウンドにぶつけます」

尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)「今回は初めて走るサーキットですので、初日からいつも以上に集中してコース攻略とマシンのセットアップを行いました。決勝は2レースとも逃げたかったのですが、バトルになりました。最終ラップで前にうまく出ることができてダブルウイン。15日が誕生日なので、20歳最後の日にいいレースができてうれしいです。支えてくれる家族、スポンサー、そしてファンの皆さまに感謝します」

黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ リタイア/リタイア)「初めて走行するサーキットで、路面の砂の多さに驚きました。走ってみると、思ったほどではありませんでしたが、決勝では接触して転倒してしまいました。『ぶつけられてしまうようなところを走っている自分がいけないんだ』と悔しい気持ちでいっぱいです。次は日本ラウンドですので、気持ちを切り替えてがんばります」

決勝

スーパースポーツ 600cc(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 100 玉田誠 Honda 27:47.541
2 25 アズラン・シャー・カマルザマン Honda +0.235
3 52 Z.ババ ヤマハ +6.338
4 18 ティティポン・ワーロンコン Honda +12.433
5 71 小山知良 Honda +12.837
6 76 伊藤勇樹 ヤマハ +13.890
         
7 634 小林龍太 Honda +14.687
8 21 ザクゥアン・ザイディ Honda +17.342
11 34 岩田悟 Honda +22.167
12 24 ピラワット・ウォンタナノン Honda +29.510
15 59 ラタポン・ウィライロー Honda +38.750

スーパースポーツ 600cc(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 100 玉田誠 Honda 15:36.927
2 25 アズラン・シャー・カマルザマン Honda +0.291
3 52 Z.ババ ヤマハ +1.239
4 76 伊藤勇樹 ヤマハ +1.501
5 634 小林龍太 Honda +7.440
6 18 ティティポン・ワーロンコン Honda +7.730
         
8 71 小山知良 Honda +8.462
9 24 ピラワット・ウォンタナノン Honda +9.288
10 34 岩田悟 Honda +14.298
16 59 ラタポン・ウィライロー Honda +25.794
20 21 ザクゥアン・ザイディ Honda +1:09.619

アジア・ドリーム・カップ(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 尾野弘樹 Honda 19:33.9
2 3 ドウィ・サトリア Honda +0.172
3 10 カイルール・イダム・パウィ Honda +0.317
4 2 ナカリン・アティラプバパト Honda +9.765
5 5 ジャックリット・サワーンスワット Honda +10.715
6 11 ジェリー・サリム Honda +11.000
7 16 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda +11.138
8 6 チュアン・アンユー Honda +26.362
9 4 カナタット・ジェイマン Honda +26.572
10 12 スミト・ルークス・トッポ Honda +27.028
11 18 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda +27.063
12 14 アルナギリ・プラブ Honda +31.897
13 9 ジャジル・ジュライミ Honda +52.428
14 17 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda +1:00.984
DNF 8 黒木玲徳 Honda -

アジア・ドリーム・カップ(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 尾野弘樹 Honda 15:48.891
2 11 ジェリー・サリム Honda +0.306
3 16 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda +0.749
4 3 ドウィ・サトリア Honda +0.976
5 5 ジャックリット・サワーンスワット Honda +1.425
6 4 カナタット・ジェイマン Honda +2.890
7 6 チュアン・アンユー Honda +2.912
8 10 カイルール・イダム・パウィ Honda +3.054
9 18 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda +3.339
10 12 スミト・ルークス・トッポ Honda +4.966
11 14 アルナギリ・プラブ Honda +7.343
12 9 ジャジル・ジュライミ Honda +22.522
13 17 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda +42.770
DNS 2 ナカリン・アティラプバパト Honda -
DNS 8 黒木玲徳 Honda -

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 アズラン・シャー・カマルザマン Honda 120
2 玉田誠 Honda 88.5
3 Z.ババ ヤマハ 85
4 藤原克昭 カワサキ 80.5
5 F.イマムディン カワサキ 51
6 小山知良 Honda 49
       
8 小林龍太 Honda 45.5
10 ティティポン・ワーロンコン Honda 32
11 ザクゥアン・ザイディ Honda 28
12 ピラワット・ウォンタナノン Honda 21.5
15 ディマス・エキー・プラタマ Honda 10
16 岩田悟 Honda 10
17 ラタポン・ウィライロー Honda 10
19 サシタレン・スクマラン Honda 6
21 デニー・トリユゴ Honda 3

ライダー(アジア・ドリーム・カップ)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 尾野弘樹 Honda 145
2 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda 82
3 ジェリー・サリム Honda 81
4 カイルール・イダム・パウィ Honda 79
5 ジャックリット・サワーンスワット Honda 69
6 ドウィ・サトリア Honda 56
7 カナタット・ジェイマン Honda 54
8 チュアン・アンユー Honda 46
9 ナカリン・アティラプバパト Honda 42
10 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda 31
11 スミト・ルークス・トッポ Honda 26
12 ジャジル・ジュライミ Honda 21
13 黒木玲徳 Honda 18
14 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda 18
15 チェン・ユエン・ハン Honda 17
16 ツー・シェン・ジュン・ジー Honda 17
17 ネッド・アーネスト・ダニエル Honda 13
18 アルナギリ・プラブ Honda 11