round 02

May 19 2013 Asia Road Racing Championship Indonesia インドネシア

SCHEDULE

アズランが優勝/2位でランキング単独トップに浮上
玉田誠は5位/4位でフィニッシュ
アジア・ドリーム・カップの尾野弘樹は2位/優勝でポイントリーダーを守る

2013年5月19日(日)・決勝  会場:セントゥール・インターナショナル・サーキット
コースコンディション:ドライ

アジアロードレース選手権第2戦が、インドネシアのセントゥール・インターナショナル・サーキットで開催されました。全長3.964qのコースは、900mの長いストレートが有名ですが、それ以上にライダーたちの間では、荒れた路面でギャップが多いことが印象に残るコースです。そのための改修工事が行われましたが、セメントで補修された部分をアスファルト舗装にするという処置がさらにギャップを増やすことになり、マシンセッティングが難しくなりました。

  • アズラン・シャー・カマルザマン(#25)アズラン・シャー・カマルザマン(#25)
  • アズラン・シャー・カマルザマンアズラン・シャー・カマルザマン
  • アズラン・シャー・カマルザマン(#25)アズラン・シャー・カマルザマン(#25)
  • アズラン・シャー・カマルザマン(#25)アズラン・シャー・カマルザマン(#25)
  • 玉田誠玉田誠
  • 玉田誠(#100)玉田誠(#100)
  • 尾野弘樹尾野弘樹

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天候不順となった予選では、雨の影響が残り、コースの前半はドライコンディション、後半に水たまりができるという状況となりました。予選では、まず地元ライダーのアフマド・ファド・バハルディン(カワサキ)がトップタイムを記録しますが、アズラン・シャー・カマルザマン(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)とザムリ・ババ(ヤマハ)が、そのタイムを上回ります。アズランは、自身が持つコースレコードの1分30秒527(2012年)を塗り替え、1分30秒383を最後に叩き出し、ポールポジション(PP)を獲得しました。

アズランは「コースがウエットとドライの半分半分となっていたため、セッティングに苦労しました。最後はタイムのことは忘れて、コースに飛び出しました。その結果、自分のレコードを塗り替えたことに気づき驚きました」と語りました。

2番手にババ、3番手にファドリ・イマムディン(カワサキ)。玉田誠(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は初めてのコースを攻略する方法を探すように、初日の走行からロングランをして多くの周回を重ね、6番手に食い込みました。小林龍太(MuSASHi Boon Siew Honda Racing Malaysia)は9番手、ザクゥアン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing Malaysia)は10番手につけました。NTS JAPAN T.Pro. Innovationの小山知良は13番手、チームメートの岩田悟は17番手となりました。

決勝は朝から気温が30℃を超え、路面温度も50℃以上に上昇しました。レース1は、アズランがホールショットを奪ってレースをリードします。トップグループはアズラン、イマムディン、ババ、藤原克昭(カワサキ)となり、激しいポジション争いを繰り広げます。ババは5ラップ目にトップに立ちますが、6ラップ目にはイマムディン、7ラップ目にはアズランとめまぐるしくトップが入れ替わり、レースを引っ張ります。しかし、8ラップ目にイマムディンがトップを奪うと、10ラップ目までトップをキープ。アズランは前に出るタイミングを見て、11ラップ目に首位に躍り出ます。そこからアズランはペースアップし、うれしい今季2勝目のチェッカーを受けました。5位に玉田、6位に小山、11位に小林、20位に岩田となりました。

レース2も連勝を狙ったアズランですが、イマムディンが首位に立ち、アズラン、ババのトップ集団に藤原が加わります。12ラップ目に藤原はトラブルで後退。レース終盤にかけてババとアズラン、イマムディンの戦いとなります。アズランはトップを守ろうとしましたが、最終コーナーへの突っ込みでわずかにババが先行し、そのまま優勝。アズランはわずか0.278秒差で2位でゴ―ル。玉田は藤原を抜いて4位、小山は12位、岩田は16位に入りました。小林は転倒しましたが、再スタートして18位でチェッカーを受けました。

開幕戦終了時点では、アズランと藤原がランキングで同点でしたが、第2戦を終えてアズランが90ポイント、2位の藤原が69ポイントとなり、アズランは大きなリードを築くことになりました。

同日に開催されたアジア・ドリーム・カップの予選では、事前に「コースはすごくバンピーで危険に感じましたが、自分の最大限の力を出して最高のグリッドを獲得したいと思います」と語っていた尾野弘樹がPPを獲得。2番手以降に地元のドウィ・サトリアとジェリー・サリムが続き、6番手に黒木玲徳。2番手となったサトリアは、「この大会はホームコースですので、絶対に優勝したい」と闘志満々で挑みました。

決勝のレース1は接戦となり、各コーナーでトップが目まぐるしく変わりました。その中でも尾野、ジャックリット・サワーンスワット、そしてサトリアとサリムが際立つ走りをみせました。尾野は最終コーナーを2番手で立ち上がってトップに出る作戦でしたが、カイルール・イダム・パウィがスリップを巧みに使い、最終コーナーで一気に前に出ると、そのまま初優勝を飾りました。パウィは、「才能ある尾野弘樹に勝てたことがうれしい」と喜びを語りました。この結果は、アジア・ドリーム・カップでの最年少ライダー(15歳)の勝利でした。尾野は0.031秒差という僅差で2位。3位にはサワーンスワットが入り、地元の声援を受けたサトリアは4位となりました。黒木は9位でチェッカーを受けました。

レース2もレース1と同じ展開になり、大混戦のレースとなります。しかし、尾野が最終ラップの最終コーナーを今度は3番手で立ち上がり、スリップを使う作戦で優勝をもぎ取り、貫禄の勝利を飾ります。2位にサリム、3位にナカリン・アティラプバパトが入り、黒木はリタイアとなりました。

尾野は95ポイントでランキングトップ。2位のフィトル・アシュラフ・ラザリは57ポイントで、優勝したパウィは55ポイントで3位に浮上しました。

コメント

アズラン・シャー・カマルザマン(スーパースポーツ600cc 優勝/2位)「昨年より気温が高く、きついレースになりました。激しいバトルになり、ライバルは強敵でした。レース1は最後まで勝てる自信を持てなかったのですが、優勝することができてよかったです。レース2の前に雨が少し降ったので心配しましたが、スタート前にはやんで問題なくスタートができました。絶対に勝ってダブルウインにするんだと思っていましたが、ラストラップの攻防で2位になったのが悔しいです。しかし、優勝と2位はチームスタッフのみんなの力があったからです。とても感謝しています。次は必ずダブルウインします。楽しみにしていてください」

玉田誠(スーパースポーツ600cc 5位/4位)「セットアップを詰めることが難しく、マシンのパフォーマンスを引き出せずに苦しいレースになりました。レース1での反省を生かして、レース2では少しばん回できましたが、それでも自分の思うような走りができていません。アズランがすばらしい走りをして優勝と2位を獲得したことは、チームメートとしてうれしいです。一緒に表彰台に上がれるようにあきらめずに努力したいと強く思います。問題点は分かりましたので、十分に対策を練って、次のレースまでに解決し、これまで以上のレースを約束します」

小林龍太(スーパースポーツ600cc 11位/18位)「バンピーな路面になかなか対応できず、思うように走ることができませんでした。レース1は、最初でペースを上げられずに集団に飲み込まれてしまったので、レース2はトップに離されずについていこうと決めて臨みましたが、3周目に5番手まで上がってきたところで転倒してしまいました。今回はレースウイークを通していい流れを作れずに本当に悔しいです。全日本のオートポリスに参戦しますので、そこでリズムを取り戻して、早く結果を残してチームに恩返しがしたいです」

尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 2位/優勝)「連勝記録を伸ばすことができずに残念です。しかし、優勝と2位でシリーズランキングとしてはしっかりポイントを稼ぐことができ、ポイントリーダーを維持できています。今回はコースの路面に合わせてのマシンセッティングが難しく、スムーズにいかない部分もありましたが、メカニックが最後の最後までがんばってくれたことに感謝しています。次のインドは初めてのサーキットになるので楽しみですし、開幕戦のようにダブルウインできるように努力します」

黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ 9位/リタイア)「路面が粗くギャップも多いので、コースに慣れるのにとても苦労しました。それでも、タイム的には悪くなかったためいけると思ったのですが、レース1は9位、レース2は転倒リタイアと、ふがいない結果に終わってしまいました。前戦での反省点を修正するため、日本で練習し、いろいろなことを考えて挑んだので、とても悔しいです。ですが、自分の弱い部分を再確認できました。その課題を少しでもクリアし、次戦こそは表彰台、優勝を目指してがんばります」

決勝

スーパースポーツ 600cc(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 25 アズラン・シャー・カマルザマン Honda 24:21.773
2 52 Z.ババ ヤマハ +1.491
3 162 F.イマムディン カワサキ +3.571
4 37 藤原克昭 カワサキ +5.516
5 100 玉田誠 Honda +11.788
6 71 小山知良 Honda +12.310
         
9 18 ティティポン・ワーロンコン Honda +12.993
11 634 小林龍太 Honda +14.139
12 21 ザクゥアン・ザイディ Honda +14.192
13 20 ディマス・エキー・プラタマ Honda +16.757
15 24 ピラワット・ウォンタナノン Honda +23.741
16 96 デニー・トリユゴ Honda +24.016
18 59 ラタポン・ウィライロー Honda +25.063
20 34 岩田悟 Honda +33.190

スーパースポーツ 600cc(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 52 Z.ババ ヤマハ 24:21.910
2 25 アズラン・シャー・カマルザマン Honda +0.278
3 162 F.イマムディン カワサキ +0.802
4 100 玉田誠 Honda +6.952
5 37 藤原克昭 カワサキ +8.425
6 76 伊藤勇樹 ヤマハ +8.634
         
9 20 ディマス・エキー・プラタマ Honda +9.133
10 21 ザクゥアン・ザイディ Honda +9.600 
11 18 ティティポン・ワーロンコン Honda +13.795
12 71 小山知良 Honda +14.488
13 96 デニー・トリユゴ Honda +22.786
15 24 ピラワット・ウォンタナノン Honda +23.231
16 34 岩田悟 Honda +27.816
18 634 小林龍太 Honda +41.575
DNF 59 ラタポン・ウィライロー Honda +9Laps 

アジア・ドリーム・カップ(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 10 カイルール・イダム・パウィ Honda 18:58.115
2 1 尾野弘樹 Honda +0.031
3 5 ジャックリット・サワーンスワット Honda +0.086
4 3 ドウィ・サトリア Honda +0.094
5 16 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda +0.108
6 6 チュアン・アンユー Honda +0.196
7 11 ジェリー・サリム Honda +0.216
8 4 カナタット・ジェイマン Honda +0.402
9 8 黒木玲徳 Honda +0.410
10 13 ツー・シェン・ジュン・ジー Honda +1.040
11 18 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda +16.616
12 12 スミト・ルークス・トッポ Honda +16.631
13 15 ネッド・アーネスト・ダニエル Honda +43.968
14 17 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda +44.000
15 2 ナカリン・アティラプバパト Honda +1:21.612
16 7 チェン・ユエン・ハン Honda +1:40.534
DNF 9 ジャジル・ジュライミ Honda +2Laps
DNF 14 アルナギリ・プラブ Honda +10Laps

アジア・ドリーム・カップ(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 尾野弘樹 Honda 18:57.964
2 11 ジェリー・サリム Honda +0.002
3 2 ナカリン・アティラプバパト Honda +0.093
4 16 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda +0.152
5 5 ジャックリット・サワーンスワット Honda +0.163
6 3 ドウィ・サトリア Honda +0.169
7 6 チュアン・アンユー Honda +0.529
8 4 カナタット・ジェイマン Honda +0.682
9 9 ジャジル・ジュライミ Honda +1.031
10 10 カイルール・イダム・パウィ Honda +1.248
11 12 スミト・ルークス・トッポ Honda +9.550
12 7 チェン・ユエン・ハン Honda +13.419
13 18 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda +17.930
14 17 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda +44.808
15 15 ネッド・アーネスト・ダニエル Honda +44.858
16 13 ツー・シェン・ジュン・ジー Honda +1:35.753
DNF 8 黒木玲徳 Honda +7Laps
DNF 14 アルナギリ・プラブ Honda +7Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 アズラン・シャー・カマルザマン Honda 90
2 藤原克昭 カワサキ 69
3 Z.ババ ヤマハ 61
4 玉田誠 Honda 51
5 F.イマムディン カワサキ 50
6 小山知良 Honda 34
       
9 小林龍太 Honda 31
10 ザクゥアン・ザイディ Honda 20
12 ティティポン・ワーロンコン Honda 14
13 ピラワット・ウォンタナノン Honda 14
15 ディマス・エキー・プラタマ Honda 10
16 ラタポン・ウィライロー Honda 9
17 サシタレン・スクマラン Honda 6
19 デニー・トリユゴ Honda 3
20 岩田悟 Honda 2

ライダー(アジア・ドリーム・カップ)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 尾野弘樹 Honda 95
2 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda 57
3 カイルール・イダム・パウィ Honda 55
4 ジェリー・サリム Honda 51
5 ジャックリット・サワーンスワット Honda 47
6 カナタット・ジェイマン Honda 37
7 ナカリン・アティラプバパト Honda 29
8 チュアン・アンユー Honda 29
9 ドウィ・サトリア Honda 23
10 ニコラス・アーロン・ウォータース Honda 19
11 黒木玲徳 Honda 18
12 チェン・ユエン・ハン Honda 17
13 ツー・シェン・ジュン・ジー Honda 17
14 ジャジル・ジュライミ Honda 14
15 スミト・ルークス・トッポ Honda 14
16 ギャリー・アグスティン・カネダ Honda 13
17 ネッド・アーネスト・ダニエル Honda 13
18 アルナギリ・プラブ Honda 2