S2000

別離が突然なら、その逆も然り

杣夫の末裔さん (30代/愛媛県)

2014年12月1日の投稿

先月、「ありがとう、そして、さようならS2000。生涯忘れない」と投稿しておいて、舌の根も乾かぬ内に何をやっているのかという話だが、新たに最後期型のS2000に搭乗する事になった。何か出物があるかなと調べてしまったのが誤りの元だった。近場のHonda Carsに08モデル標準車のイメージカラー、走行2万km未満の個体がストックされていた。

後期型2.2Lエンジンのトルクカーブを前期型と比較して眺めて、過渡特性から後期型も良いのだろうなぁ、と考えてはいたものの、まさか本当に乗ることになるとは思いもしなかった。タイミングというのは恐ろしいものである。実際、ステアリングやアクセルレスポンスこそ多少マイルドになっているものの、5000rpm以下の領域でのトルクアップがそれを補って余りある威力を発揮しており、熟成されたコントローラブルな足回りも相まって、とにかく乗りやすい。これは素晴らしい仕事だと賞賛する他無い。

一度この手の車両に魅入られてしまった身としては、常に良質な機械に触れていたいという欲は拭い去りようがなく、遅かれ早かれこうした選択をする事になったのかも知れない。Sの後継がもう少し早ければ或いはという所だが、さて、来年「ギャー、早まったか!?」と頭を抱えることになるのか、ある意味楽しみである。

Fig.1 秋に映える葵色
NSXと同じ4コート、4ベーク工程を経て塗装された美しい落ち着いた配色の車体は、光の強さ、波長、そして、入る角度に応じて様々な表情を見せる。夏の強い光の下ではどう映えるのか、今から非常に楽しみである。

Fig.2 高根沢と鈴鹿TDの兄弟達
思えば、エンジンの過渡特性が重要だと体感させてくれたのはNSXだった。S2000に乗り、NSXに乗りたくなり、更にS2000を呼ぶ。恐ろしいスパイラルに嵌ってしまったものである。なお、次のSは、ミニNSX-Tではないかという説が私の中にあるが、果たして。

S2000
S2000