NSX

初乗り(NSX)

ちょっと遅い青春さん (40代/東京都)
クーペ(NA1)
2015年1月18日の投稿

新しい年が明けた先日、NSXの初乗りに出かけた。昨年末近くに12ヶ月点検を終えたばかりで、エンジンの調子は良好。平塚(神奈川)までの往復150キロほどのドライブを軽やかに走り終えた。東京に戻ってくる途中、渋滞気味で車間距離の詰まった有料道路でルームミラーを見ると、後ろを走るドイツ製のセダンの車内で運転席の若者がハンドルの上から身を乗り出すようにして、友人と思しき助手席の若者と何事か話しながら食い入るようにこちらを見ているのが見えた。「おい、見ろよ。なんだあの前の車。Hondaか。あれがNSXか」とでも話していたのだろうか。今から25年も前に発売され、10年も前に生産を終了したこの車の事を詳しく知っている若者など余程のマニアか車好きでもない限りいないだろう。30代でも恐らく同じだろう。けれども、Hondaのエンブレムをつけた、走る芸術作品のような美しいこの車を今の若い人達に見て欲しい、そして記憶に留めて欲しい。NSXを運転するたびに私は強くそう思う。ずっと昔、学生時代の終わりに一度だけ見た白っぽい車高の低いNSXの軽やかに走り去る後姿が私の記憶に留まったように。NSXの今年の初乗りの日。この車を運転できることの幸運を想った。

NSX