NSX

夏への扉を叩いたら

杣夫の末裔さん (30代/愛媛県)
Type T
2014年7月19日の投稿

某オープンスポーツカーの初代モデルには、鮮やかなブルーボディカラーの設定があった。それを路上で目撃して心を奪われたのは、もう20年以上も前の事になる。その時、絶対に将来は鮮やかな青色のオープンスポーツカーに乗ろうと思ったのである。

子供の頃に思い描いた夢など殆ど叶わないものだ。夢の代わりに数え切れない位の後悔を積んで、嫌と言うほどこの世界の残酷さを知った。しかし、捨てる神あらば、拾う神ありというのも普遍的事実なのか、やみくもに突進する人生なのに、ふと気が付くとそこそこ夢が叶ってしまっている。勿論、その間努力もしたが、NSXに乗っているとその辺の細かい事が、割とどうでもよく思えて来るのが良い所だな、としみじみ思うのである。

マスプロダクトとして造られた自動車一つで思いをあの頃へ飛ばす事はできるし、良い夢が見れる。NSXのような車をメーカーがラインナップに持つ価値というのは、そうした所に集約されるのではないだろうか。

Fig.1 夏、夕方、オープンルーフ、ワインディングにて
私のようなオーナーの所にやって来たのが運の尽きである。『例えソリッドカラーでも鏡面仕上げにしてしまうんだぜ、私は』と磨きこんだ結果、夏の暮れの空がボディに映えていい塩梅に。無論、オープンルーフのNSXでの夕涼みドライブは格別である。

Fig.2 チタンキーの先には
Enjoy Honda 2014にて。NSXのキー越しにかつて、驚異的な成績を挙げたF1マシンのカーボンコンポジット素体。奇しくも、V6ツインターボ、縦置きミッドシップレイアウトは次代のNSXと共通するコンポーネンツだが、果たして、これに電動化という要素が加わった時、どのような夢の形となるのだろうか。

NSX
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