スパイクとの出会い
- ひろっとさん (20代/大阪府)
2010年2月3日の投稿
ある夏の日にスパイクはやってきた。
ゴツっとしたボディ。凛々しく澄ました表情。広い室内スペース。アクセルを踏んだときの気持ちいい加速感。ドライバーの気持ちがわかっているかのようなハンドリング。全てが理想通りの車だった。
しかし、そんなスパイクと別れるときがきた。
雪道での追突事故。割れたバンパー。飛び出したテールランプ。まるで泣いているようだった。
しばらくは、廃車工場で廃車待ちをしていたが、工場長が明後日廃車にすると言った。明日も明後日も仕事だったので今日が別れの日。無残な姿のスパイクと数枚写真を撮ってもらい、スパイクのエンブレムをもらった。後ろ髪をひかれる思いで工場をあとにした。
今、僕の部屋のコルクボードには、ドライブしたときの写真とエンブレムが飾ってある。