価値観を、そして人生を変えた車 |
夏目龍之介さん 20代
(千葉県在住) |
<2005年1月6日の投稿> |
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2000年12月。当時、僕は若干21歳。18歳で免許を取ってから、初めて買った車がS2000でした。それまでは、教習所のM車(MT・セダン)と親父のT社M(AT・ミニバン)とN社L(AT・ミニバン)しか運転した事がありませんでした。
21歳で合計数百万円もするような車を買うなんて、身の程知らずだとお思いの方が大半でしょう。だけれども、さほどの収入も無い私は、当然それだけの代償は払いましたよ。初めて買った車がS2000だった事を、私は本当に幸せに思っております。
納車日当日、私は仕事で帰りが遅いので、初めてのSとの対面は、親父が駅までSで迎えに来てくれた時でした。闇夜に、他車とは明らかに一線を画す洗練されたフォルムと、プロジェクター式ディスチャージヘッドライトの直線的閃光(当時はまだディスチャージヘッドライトは普及していなかったので、スーパーカーでも来たのか?と思う程)、そして素人が聞いてもはっきりとその差が分かる、超ダイナミック且つ繊細なエンジン音。それだけでも自分の買った車の、余りの存在感に驚愕しました。
ビニールシートを被った運転席に身を包むと、N 2000(米・カーアクションドラマ)の様なイルミネーションパネル。本当に9000rpmの上のちょこっとだけしかレッドゾーンが表示されていませんでした。
教習所卒業以来3年振りのマニュアル車で、しかもいきなりNA250馬力。慣れていようはずの無い半クラッチで動力を繋ぎ、低速でステアリングをきった瞬間、世界初のVGS機構の余りの操舵感覚の違いにまた困惑。家路に着く迄、その鋭過ぎる切れ味に、肝を冷やしました。それから1ヶ月間は走り慣れた教習所コースを、Sに走らせ方を教えられながら練習しました。
あれから4年、今はSを自由自在に操れる様になり、運転マナーを知り、本当に人として成熟しました。これから先も、この車と時を過ごせる事を嬉しく思っています。 |

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