ある日突然、車に乗って遠くへ出かけたい、バイクに乗ってツーリングしたいなどと思いつくように、食べたいものが浮かんでくることがある。
その日はうなぎが食べたくなって、街道沿いのうなぎ屋さんへライフで行くことにした。
その店は売り切れと同時に閉店となるので、早めに着くように家を出て、５時３０分に到着したのだが、すでにもう並んでいた。６１番という整理券をもらい、あと４０分くらいの待ち時間と聞いて、近くにある公園の桜を見に行くことにした。
山に近いために日暮れが早いが、薄暮のなかに満開の桜がトンネルをつくる間を抜けて、しばらく楽しみながら時間をつぶした。
この公園のみならず、周辺一帯には桜に木が多く植えられていて、至るところが桜色に染まっている。
コレステロールと中性脂肪が気になる数値であるにもかかわらず、うなぎが食べたくなるのはもってのほかで、桜を眺めていたらうなぎのことは忘れかけていたが、ぐるっと辺りをまわってまたそのお店の前に戻ってしまったので、仕方なく入ることとしたが、３０分くらい経っていたものの、うなぎにありつけるまでにさらにもう３０分ほど待たされることになるのであった。
しかし桜見物もでき、待望のうな丼をいただいて、帰りはほろ酔い気分になってライフの助手席でうたたねしながら、夢路を辿る私であった。