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このページの内容は、『carmode』編集部より提供されております。
INSPIRE
上級セダンとしての魅力や運転する楽しさは最高レベル革新技術はあくまでも縁の下の力持ち的存在として支援
 
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インストルメントパネルはセンターモジュールを中心に左右に広がりドアライニングにスムーズに回り込む横基調のラップラウンドデザイン。メーターやスイッチ類の優れた視認性、触る部分のソフトな感触、高い操作性などを追求。また、木目調インテリアやレザーインテリアを用意したほか、カラーリングはブラックとアイボリーの2タイプを設定
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フロントシートはたっぷりとしたサイズで座り心地満点! サポート性も申し分ない。レザーインテリアを選べば豪華さもご覧のとおり。運転席にはシュクラ社製の電動ランバーサポート※と8ウェイパワーシート※、助手席には4ウェイパワーシート※を設定(※印はアバンツァーレ、30TLに標準装備)
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リヤシートは上級セダンにふさわしいゆったりとしたヘッドクリアランスと足もとのスペースを確保。ヘッドレストと3点式ELR/ALRシートベルトも3名分装備される。大型のリヤセンターアームレストにはリッド付きのカップホルダーを用意。またアバンツァーレには電動リヤサンシェードも標準装備される(30TLにメーカーオプション)
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ボディカラーに関わらずインテリア&シートカラーを選べるのがうれしい。ブラックのインテリアカラーとメタル調パネルの組み合わせだと、ご覧のようにかなりスポーティな印象になる。ちなみに筆者は、アイボリーのインテリアカラーとメタル調パネルの組み合わせが気に入った
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ブラックフェイスに鮮やかな赤の指針とブルースケールが浮かび上がる大径自発光式メーターは、ドライビングに必要なデータを速やかにインフォメーション。中央部に配置したマルチインフォメーション・ディスプレイは、多彩な情報を必要に応じてわかりやすく表示
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大画面8インチワイドモニター採用の音声認識Honda・DVDナビゲーションシステム〈インターナビ・プレミアムクラブ対応〉はメーカーオプション。スピーディな操作感が魅力の感圧式タッチパネルや高精度の音声認識機能を備えるなど、操作性と使いやすさもバツグン
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トランクルームは495リットルという大容量(VDA方式によるHonda測定値)を実現。
。また、いざというときにはリヤアームレスト部が開くトランクスルーやリヤシートのフォールダウン機構で収納力がさらに拡大。こういうところにもロングツーリング性能の高さが表れる
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追突軽減ブレーキ(CMS)は、追突の恐れがあると判断された場合、まず警報音とともに写真のようにマルチインフォメーション・ディスプレイに「BRAKE」の文字が表示されドライバーに注意を促す。これがCMS作動の第1段階。さらに危険な場合は自動でブレーキをかける
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> INSPIREのスペックはこちら
 インスパイアのような高級セダンを購入する人は、今までさまざまなクルマを乗り継いできているハズだ。だから見かけ倒しの「高級感」や、ただ先進性をアピールするだけの「非現実的な機能」であるなら、まったく無意味である。だから筆者は、新型インスパイアをリポートするにあたって、そういう厳しい目でチェックしてみたつもりだ。
 
 注目のHondaプリクラッシュセーフティテクノロジーは、世界初の追突軽減ブレーキ(CMS)とE-プリテンショナー(運転席)が連携して作動することにより、ドライバーによる事故回避行動の支援と被害の軽減をはかるというもの。具体的には、アコードで採用され話題になったHiDS(Hondaインテリジェント・ドライバーサポート・システム)の車速/車間制御機能(IHCC)でも活用されるミリ波レーダーを用いて、走行中に前走車との距離、相対速度等を検知し、追突の恐れがあるとコンピュータが判断した場合は警報を発し、さらに危険度に応じてブレーキとシートベルトを制御する。
 
 今回の試乗は市街地と高速道路が中心だったので、革新テクノロジーそのすべてを体感することはできなかったが、「前走車にちょっと接近しすぎたかな?」というときに、第1段階の制御(警告音とともにメーターパネルのマルチインフォメーション・ディスプレイに「BRAKE」の文字が激しく点滅)を実際に体験することができた。公道ではさすがに第2段階の制御(自動で軽いブレーキをかけ、シートベルトの弱い引き込みを行なうことで体感警報を与える)、そして第3段階の制御(追突の回避が困難と判断された場合自動で強いブレーキをかけ、シートベルトの強い引き込みを行なうことで衝突による衝撃・被害を軽減する)を実際に体感することはできなかったが、第1段階の警報だけでも効果はてきめんであると思った。
 
 HiDSが初採用された新型アコードのときもそうだったが、革新技術を搭載したクルマは、技術そのものに話題が集中しがちである。それは仕方のないことだ。だが、アコードに実際乗ってみて感じたのは、技術はあくまでも「人をサポートするもの」であり、決して出しゃばりすぎていない。それどころか、走る・曲がる・止まるという基本性能をきっちりと磨き上げ、運転する楽しさが最優先されていることにうれしくなったものだ。インスパイアに試乗して、やはりアコード同様に走りの基本性能の高さ・走る楽しさが際だっていることに安心した。
 
 まず「足」がいい。インスパイアの足まわりはHondaが熟成に熟成を重ねてきた4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。高速道路、市街地、ワインディングとステージを変えて走ってみたが、ホイールストロークがたっぷりしていて乗り心地がよく、タイヤの路面への追従性が高い。サスペンションのセッティングはこのクラスの上級セダンとしてはやや硬めだが、細かい振動(たとえば舗装のざらざら感やつなぎ目など)をうまく吸収してくれるので不快感がない。とくに高速道路ではフラットで快適な走りが楽しめた。電動パワーステアリングの味付けも完璧だ。市街地では扱いやすく高速道路ではしっかりとした操舵感で、ハンドリングのよさをサポートする。また、ブレーキは効き、フィーリングともに満足できるものだ。
 
 エンジンは静粛性の高さ、振動の少なさに驚かされた。もともと振動面では有利なV6エンジンとはいえ、アイドリング時の振動の少なさや高回転まで回したときのスムースな回転フィールは感動的ですらある。例の「可変シリンダーシステム」についても、6気筒燃焼と3気筒燃焼の切り替えを、全神経を集中させながら発見しようとしたが、結局まったくわからなかった。5速AT+Sマチックもいい仕事をしている。滑らかな加速感、シフトショックの少なさは間違いなくHondaのAT車中最高レベル。「ひょっとしてCVTでは?」と思ったほどだ。また、アクセルペダルの踏み込み量をコンピュータが検知し思想的なスロットル制御を実行するDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用した効果も大きい。アクセル操作に対する反応がじつにナチュラルで、ゆっくりと静かにスタートしたいときはじつに優雅に、そして俊敏な加速が欲しいときは俊敏なレスポンスが得られる。もちろん燃費性能にも効果的に貢献するハズだ。

 最後に快適装備についても少々触れておきたい。ボクはクルマを試乗するときオーディオを必ずチェックするようにしているのだが、インスパイアのプレミアムサウンドシステム(アバンツァーレに標準装備、30TL/30TEにメーカーオプション)の音質はナチュラルで臨場感があり素晴らしかった。また、左右独立温度コントロール式のフルオートエアコンはクールダウン性能が高く、ファンの作動音もじつに静か。静粛性の高い室内で、この2つの快適装備はじつに光っていた。
 
 このように上級セダンとしての魅力を飛躍的に高めながら、一方で革新技術による環境性能の高さや安全支援などをアピールする新型インスパイア。技術的には「自動運転」の域に確実に近づいていると感じた反面、主役はあくまでも「人」であるという開発陣の熱いスピリットを感じることのできた試乗であった。インスパイアは本当にいいクルマだ。ただひとつだけ注文したいのは、「HiDS」や「追突軽減ブレーキ(CMS)」「E-プリテンショナー」をアバンツァーレだけでなく全車標準装備にしてほしかった。もちろん、これらの装備が付いていなくてもクルマとして大いに魅力があるし、販売戦略的に全車標準にできないことも承知の上だ。なぜなら革新技術は技術力の高さをアピールするだけで終わったら意味がない。少しでも多くの人が選ぶことが重要だと思うからだ。

(文:Kihara Hiroaki)
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