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| 東京都江東区にあるホテルで行なわれた発表会での1コマ。福井威夫社長も自信満々の様子 |
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| ギリシャ神話に出てくる「楽園」からネーミングされた「ELYSION」。西の果てにある芳香に満ちた場所だとか。フランス大統領官邸エリゼ宮の名もここにちなむ |
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| 確かにクルーザーの印象があるスタイル。豊かな空間を連想する「四角」、先進的で走りをイメージさせる「丸」をワンモーションフォルムで表現 |
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| バンパー、フェンダー、テールゲートが一体感のあるデザインとなっており、シンプルでありながら重厚感あるリヤビューとなった |
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エリシオン発表会ではとにかく、人・ひと・ヒトとその人手に圧倒された。これだけでもホンダの新型ミニバンに対する期待の大きさが見て取れるが、テレビで見たENYAの悠々とした音楽に、「Shall
we cruise?」というキャッチ、グレートバリアリーフの美しい小島に8人乗りのシートが映し出されるというコマーシャルは、待ち遠しい夏と新型ミニバンへの期待をつのらせた。なんといってもオデッセイをラインナップに持つホンダの新型ミニバンとくれば、その期待はかなり大きなものである。そして実際に実車を見て一言、「期待通り、やってくれたな」と納得させられてしまった。
開発コンセプトは「新世代プレミアム8シーター」。キーワードは「クオリティ」と、Lクラスのミニバンとして直球勝負を挑む。そもそもアメリカで8人まで乗れる大型乗用車という意味だったミニバン。現在ではその解釈も広がってきてはいるが、「新世代」と新たなことにチャレンジする場合、やはり基本に立ち返るアプローチを描くはずだ。ホンダのミニバンラインアップのなかで、単に乗員数の違いだけというわけではなく、さらにフラッグシップとするためにホンダはどう「らしさ」を表現しながら、「クオリティ」の高い新しいミニバンを作ったのだろうか。
なんといっても、まず目を引くのがエクステリアの流麗さだ。Lクラスミニバンといえば、角の張った箱型を思い浮かべてしまう常識をまずは覆された。このスマートなスタイルは、そのまま上質なくつろぎを演出するコマーシャルでインプットされたように、コンセプトどおり紺碧の海を航海するクルーザーをイメージさせる。全体的なデザインとたたずまい、細かなパーツひとつひとつが、それぞれ印象的でありながらも調和をとっているところは、安心感だったり、安らぎだったりといった、高級車ならではの質感を感じさせる。
ボディラインは、フロントからサイドにかけて、波を勢いよくかきわけて走るようなスピード感が表現されている。さらにスクエアな印象のあるリヤビューは、フロント、サイドをまとめながら、落ち着いた大人の雰囲気をかもし出していて収まりがいい。もはや、Lクラスミニバンとは箱型だという暗黙の了解はない。エリシオンは従来型とは確かに一線を画していることは間違いない。
エリシオンは「Lクラスミニバン」に確かに入るだろう。しかし、例えばVX(2WD)タイプの場合、全長4,840mm×全幅1,830mm×全高1,790mmで、全高が1,800mmを下回っているところは要注目だ。ライバルといわれるクルマたちが軒並み1,900mmを超えていることを鑑みれば、余裕で握り拳を縦に1つ分以上の差が出てくる。100mmも全高が低く、その他のスペックが変わらないとなると、地を這うような…というか、エリシオンの場合だと、海原を今にも猛スピードで滑走しそうな印象である。となると、気になるのはキャビンにおいて、その分の犠牲が払われるのではないかということ。しかし、「プレミアム8シーター」というキャッチコピーのとおり、本当に大人が8人ゆったりと乗れる広さが確保されており、広々とした足元の余裕に加え、頭を天井に擦ってしまうようなことがない、たっぷりとしたヘッドクリアランスが得られている。さらに、後席にいくにしたがって約40mmずつヒップポイントを高くしていくことで、開放感のある視界が獲得できて、圧迫感もまったく感じない。これはホンダ・マジックとでもいうのだろうか…。全高の低さは室内高への悪影響を及ぼすことなくクリアされていた。 |
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