高浜市に住む弟宅を久しぶりに訪ねた帰りに、国道23号交差点の手前にひっそりと佇む古風なお店に立ち寄った。
木々に囲まれた駐車場に乗り入れると、幹線国道横に立地しているとは思えないくらいに静かで、雑踏とは無縁の静寂が支配する別世界に踏み込んだかのような、異質ではあるがほっと一息つける上質な空間が広がっていた。
よく手入れされた庭に見とれながら、店舗までの石畳を進んで一歩、店の中に足を踏み入れると美味しそうな夏向きの和菓子が清涼な季節感を店内いっぱいに醸し出していた。
隣の建物にあるお座敷ではお茶席もあり、時間があればお抹茶など一服所望したい雰囲気であった。
弟宅へ行くときには毎回必ずこの前を通っていたのだが、このお店に中に入ったのは初めてであり、しばし時間の経つのも忘れて、水羊羹やぜんざいなどのこの季節のお菓子に加えて、かきもちも買いあさって見苦しい飛び込みの客となってしまった。
救いは純和風の日本建築や日本庭園といった伝統的な佇まいにアコードは調和してよく馴染んでいるし、似合っていることだ。
わずかな買い物ではあったが、アコードが見えなくなるまで、見送っていただいて恐縮しながら帰路についた私であった。
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