6月に入るとこの地方では、日の出は午前4時40分台の前半となり、日の出を見るチャンスをずっとうかがっていたが、この日は偶然にも3時30分に目が覚めた。
こんな時刻に起きることは1年に1度もないことであり、まだ薄暗い夜空を見上げて晴れていることを確認してから、このときとばかりに身支度を整えて、アコードで海岸を目指した。

冬の日の出と比べると、かなり北東の方向に日が昇り、ウィンドブレーカーもいらないくらいに冷え込みがないのがありがたい。
静かに輝きながら日が昇っていくが、私のイメージはもっと大きくて赤い太陽なのだ。
この日は期待していた日の出にはならなかったが、日常の始まりを告げるかのように眩しく、神々しく現れた暖かな太陽に一日の無事を祈りたくなる心境となる。
何気ない一日が始まるのだが、朝の風景を眺めているといつもと違って、すべてが新鮮に見えてくる。穏やかななかにも、この日しかない特別な一日が始まったことを実感しながら、しばらく北東の空を眺めていた。
アコードも朝日を受けて嬉しそうに輝いていた。